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2013/8/4

イベントレポート

+クリエイティブゼミvol.7 防災+まちづくり+観光編 第2回ゼミ レポート

2013年7月30日(火) 

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今回のゼミの課題発表を神戸市危機管理室の松下公也氏より、津波避難情報板企画の背景や目的、要望、現在神戸市が取り組みを行っている防災計画などについてお話しいただきました。

浸水域拡大
昨年10月に兵庫県より津波の高さの暫定2倍想定が発表されました。また内閣府でも東日本大震災の影響を受け、南海トラフ巨大地震への想定の変更が進められ、神戸では津波の最大の高さが約4mと言われています。これによって浸水域が大きく拡大されます。今回の課題の対象は都心部の来街者で、土地勘のない市外の方やよく買い物などで来られる市内の方へ迅速・的確な津波避難行動につながる情報提供・啓発を目的とします。

津波避難情報板
津波避難情報板は日常的にも利用できる看板で、まちづくりや観光の観点も重要であると思っています。ただ看板を設置するだけで、誰もが安全に避難できるというわけではありません。将来的には「安全もおもてなしの一つ」ととらえ、都心部の担い手づくりや意識向上、スキルアップも継続的に図っていきたいと思っています。

津波想定と避難
現在津波シミュレーションは進行中で、8月以降、淡路→阪神→神戸・須磨と順次公開されていく予定です。それをもとに神戸市としても想定を進める予定です。現状は「津波到達まで最短約80分」「津波高さ最大4m」「津波継続時間約6時間」となっています。避難の考え方として、より早く、より高いとこへ、が基本になります。逃げ遅れた場合は緊急的に丈夫な建物へ避難します。津波避難ビルの指定については今年度進めていく予定です。

神戸市の取り組み
市民への啓発として、「くらしの防災ガイド」という資料を配布しています。自分たちの住む地域はどのような危険性があるのか、正確な知識と日頃の備え方、緊急時の判断方法など、適切な避難を呼びかける内容になっています。資料を広げると中には市内のマップとなっており、兵庫県津波被害警戒区域(暫定)や防災行政無線などの位置が記されています。
津波防災計画作成支援として17の地域に働きかけ、避難計画マップづくりを行っています。そのマップづくりは、住民がまち歩きやワークショップを行い、実際に避難する道など選定しています。

事業者へのヒアリング
地域のまちづくり協議会や事業者などは来街者に対し、どのような避難誘導や案内を行っているのか、またどのような対応や対策が必要と思っているのかなどについてヒアリングを行います。各所へのヒアリング内容をまとめたものを8月下旬にはゼミ生にお伝えする予定です。

質疑
ゼミ生:これから議論を行う中で、看板以外のものも出てくる可能性があるが、今回のアウトプットは看板に絞って考えていった方がいいのでしょうか。
危機管理室:原則看板で考えて欲しいです。アイデアを考えていくなかで看板以外のものを議論することも重要だと思いますが、今回は都市部で的確な避難誘導につながる情報提供を津波避難情報板として設置することを目指しています。

ゼミ生:都市部での情報提供として、スマートフォンなどのアプリケーションなどを使用した企画などはあるのでしょうか。
危機管理室:不特定多数を対象に発信していくものとして、「issue+design」内のウェブなどを使った展開も想定していますが、具体的にはまだ決まっていません。issue+design:http://issueplusdesign.jp/

+クリエイティブゼミvol.7 防災+まちづくり+観光編
「神戸発:日常的にも活用される津波避難情報板を企画する」

http://kiito.jp/schedule/seminar/article/4227/