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2014/12/23

イベントレポート

神戸「食」プロジェクト 「食からはじまるライフデザイン -自然によりそう暮らし- volume.1」 レポート

2014年11月3日(月・祝)

「食からはじまるライフデザイン -自然によりそう暮らし- volume.1」を開催しました。
都市で生活する人々が、食を通じて自然に寄り添い、こころ豊かな暮らしを楽しくデザインしていくきっかけとして本企画はスタートしました。

第一回目は『土の下を食べる、土の上で染める』をテーマに実施しました。

初めに、無農薬野菜にこだわったレストランで10年間勤めてきた川浪典子さんに食と生活の関係性を自身の体験を通してお話いただき、また、今回のワークショップの趣旨について説明いただきました。
「一物全体」という考え
昔の衣服には布に染められた草木の薬効を皮膚を通して吸収させ、病を癒やすという外服薬としての機能をもたせたものがありました。今回のワークショップではどんな食材も丸ごと頂くことで栄養を余すことなく体に取り入れられる「一物全体」という考え方をもとにし、食べることのできない葉の部分も染色に用いて「食」だけでなく「衣」として食材の栄養やエネルギーを身体に取り入れることで、食材を余すことなくいただきます。

料理は神戸元町にある「マルメロ」の安藤美保さんが担当し、染色にも使う「ウコン」「落花生」「里芋」を素材に加えたメニューのランチをビュッフェ形式で提供していただきました。

ランチメニュー
・ピクルス(ウコン使って)
・里芋のフリット
・焼きビーツ
・さつまいものブルーチーズソース
・ごぼうと豆のアラビアータ、フレーゴラを添えて
・葉野菜のサラダ
・豚肉と根菜のココット焼き
・茹で落花生
・ウコンと落花生のピラフ
デザート
・栗の渋皮煮と新米のミルク煮のミルフィーユ
・黒豆枝豆のクッキー
・オートミールとナッツのクッキー

季節の野菜を多く取り入れた彩り豊かな料理の数々がテーブルに並びました。それぞれの料理について説明を聞いたあと、各自でお皿に盛りつけて食事をしました。食材の味を丁寧に引き出した料理を口に運んだ参加者たちからは自然と笑顔がこぼれていました。

次に、いよいよ染色の作業に入ります。染めるのはオーガニックコットンのTシャツです。
染めは、草木染め染色家の徳力弥生さんに指導していただきました。作業は、事前に煮だしておいた「ウコン」「落花生」「里芋」のそれぞれの葉を鍋から取り出して絞ることから始めました。染料を煮だした鍋からは葉のいい香りが溢れていました。「食事に出ていた野菜と同じ香りがする!」と言った声が上がっていたのが印象的でした。
葉を取り出し絞った染色液を鍋に戻し、そこに水に一度浸して絞ったTシャツを入れ、15分ほど煮立たせます。

草木染めは、初めに入れたTシャツと最後に入れたTシャツでは染まる濃さが異なります。染める成分がTシャツに吸収されていくことで染色液がどんどん薄くなってゆくからだそうです。
煮立たせたあと水洗いをし、媒染液に浸けます。媒染液は
・ミョウバン液(少し色が明るくなる)
・鉄媒染液(少し色が暗くなる)
・銅媒染液(春夏は明るくなり、秋冬は暗くなる)
の3種類があり、同じ植物の染めでもそれぞれで発色が変わります。各自好みの色を目指して媒染液に浸けてゆきました。最後にまた水洗いをし、染めは完了です。
全員のTシャツを中庭に一旦干し、カフェに戻って紅茶とデザートを頂きました。

今回は、食材を「食」と「衣」の両面から生活に取り入れる事を学びましたが、引き続き「食からはじまるライフデザイン」では、色々な視点で食と向き合い生活をより楽しくデザインすることを目的に開催していく予定です。
次回以降の内容が決まり次第、ホームページ、Facebook、Twitter等で情報を掲載いたしますので、ご興味のある方はぜひ次回ご参加ください。

神戸「食」プロジェクト 「食からはじまるライフデザイン -自然によりそう暮らし- volume.1」の
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