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2017/5/20

イベントレポート

神戸野菜学レポート vol.1 たけのこ

今年度から、季節ごとの「旬の野菜」をテーマに、野菜を「広めるひと」「栽培するひと」「料理するひと」の3人から、普段口にしている野菜の知っているようで知らない一面を学ぶ「神戸野菜学」を、KIITO CAFEの運営パートナーである「はっぱや神戸」と共に開催します。隔月で様々な野菜を取り上げ、その野菜に関わるプロから、普段食べなれた野菜をより美味しく楽しむコツを学んでいきます。

■広めるひと たけのこの基礎 
第1回目となる今回のテーマは、春の旬である「たけのこ」。まずは加古さんより、たけのこの基礎知識を教えて頂きました。旬の短い野菜として有名なたけのこ。その理由は、たけのこが10日間もすれば竹になってしまうという驚異的な成長率を持っているため。孟宗竹(モウソウチク)という品種はなんと1時間で1mも伸びることもあるそうです。それに由来して、まだ未成熟であるということを指す「たけのこ医者」という言葉があり、まだまだ技術の足りない若いお医者さんのことを揶揄する言葉もあるそう。
また歴史をたどってみると、たけのこは日本の古典文学史上最初に登場する野菜と言われており、日本最古の歴史書「古事記」の中で、イザナギノミコトが髪に差していた櫛を投げたらたけのこに変わった(!)という記述があるそう。野菜の歴史を振り返るという、普段なかなか無い機会に、参加者のみなさんの多くメモにペンを走らせていました。

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■栽培するひと たけのこの収穫
次に、たけのこを栽培する人・畑田延浩さんに、ご自身の竹林の様子をスライドに映しながらご紹介いただきました。たけのこが生え育っている様子や専用の道具についてなど、私たちの手元に届くまでのたけのこについて、生産者だけが知る知識をお話していただきました。市場に出されるたけのこは、そのほとんどが地中に埋まっている状態で採られたもの。成長して太陽の光を浴びてしまうと、アクが強くなってしまうからだそうです。地中に隠れているたけのこを見つけるポイントは、なんと「違和感」のみ。かぶさっている土や葉がほんの少し盛り上がっているささやかな違和感をとらえ、時にはすり足をして凹凸を足裏で感じ、たけのこを見つけるとのことで、生産に携わるプロフェッショナルだからこその能力・技術に、参加者のみなさんからは感嘆の声が上がっていました。

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■楽しませるひと たけのこ落語
たけのこの「美味しい食べ方」を知る前に、ちょっとした小休止。
笑福亭笑利さんによる楽しい落語の時間で、たけのこ知識でパンパンになった頭をクールダウン。
ここだけのオリジナル落語を楽しませていただきました。

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■料理するひと たけのこの保存の仕方
最後に、料理するひと三宅幸江さんに、たけのこの保存の仕方を教わりました。
きちんとした保存をすれば、なんと1年中美味しいたけのこが食べられるとのこと。保存と言えば、すぐに思いつくのが冷凍保存。しかしたけのこは、冷凍してしまうと水分がどんどん飛んでいってしまうので、水煮をしたものを保存するのが良いそうです。

その方法は意外とシンプル。まずはたけのこをあく抜きし、一晩中をかけてゆっくり冷まします。ぬかであく抜きをした場合は、とにかくぬかをしっかり落とすのがコツ。きれいに洗ったたけのこを料理するサイズに切って、少量のお酢と一緒にビンにきゅうきゅうにつめます。
鍋に入れたお湯に、ビンを肩まで入れ沸騰したお湯で30分煮て、ビンを取り出してふたをさらにしっかり締めたらもう30分。最後は自然冷却し、冷めたら保存の準備が完了です!お料理をしやすいように、千切りにしたものだけを集めた瓶や、柔らかい部分のものだけを集めた瓶など、小分けにするのがおすすめと教えて頂きました。

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最後は三宅さんによるたけのこづくしのお料理。
お出汁で炊いたたけのこの生春巻きや、さっぱりとした味付けのメンマやあえ物、
スープのゆで汁を活かした甘酒のポタージュ。たけのこの味も香りもぎゅっと凝縮されたちまきまで、
余すことなくたけのこを楽しめるお料理を作っていただきました。

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美味しく、見た目も美しいたけのこ料理に舌鼓を打ちながら、講師や参加者同士で、たけのこにまつわる色々な話を楽しみ、神戸野菜学の第1回目は終了しました。

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