お知らせ・レポート

2017年7月6日(水)

+クリエイティブゼミVol25「観察のカガク」第1回を開催しました。

観察のカガクについて
観察のカガクは2015年に行われた発想のスタートラインの続編として開催し、「デザインのための観察の力」を学ぶ全5回のゼミになっています。講師は、前回と同じく、DESIGN MUSEUM LABの久慈達也さんと明後日デザイン制作所の近藤聡さんのお2人です。

第1回「オリエンテーション  色や形を扱うデザインという行為において、観察はなぜ必要なの?」

観察の見取り図
久慈さんより、これまで習う事のなかった「観察」というものが何なのか。それがどういう風に社会に生かされているかというお話をしていただきました。「ホームに直角に設置された駅のベンチは線路への転落を防ぐための解決策で、観察が生んだ問題解決である。」という話をされた後に、アイデアを出すために欠かせない観察という行動を、デザインの為の観察と定義しました。

-デザインのための観察-
1.科学的な正確さよりも、観察者の主観性を大切にする。
2.事実や確認や分析のみならず、自らの造形感覚や発想に寄与することを目的とする。

「デザインという言葉で何をイメージしますか?」という久慈さんからの質問に「問題解決の手法」「道筋をたてること」という答えが参加者から出てきました。さらに久慈さんは「行為としてのデザイン」は
・構想(何をどうやってつくるか)
・造形(どのような形・色を与えるか)
の2つを定義しました。構想と造形が伴っているからデザインであるとお話され、最初のワークに入ります。



 

「1本のまっすぐな線」書いてください。
ホワイトボードに参加者が1本のまっすぐな線を書きます。次に「できるだけまっすぐな線を書いてください。」「重ならないようにまっすぐな線を書いてください」と条件を足していき、合計3名の参加者が順にホワイトボードに線を書いていきました。線をどうやって引くかでデザインの捉え方がわかる。というお話に続きます。

・構想:どこからどこまで線をひっぱるか
・造形:どれだけまっすぐな線を引くか
・条件:ホワイトボードに先に書かれた線、後から言われた指示

久慈さんは「普段のデザインの現場において、その条件は、もっと見えにくいところに隠れているから観察という手法で探し出さなければいけない。アイデアに形を与えること、形の為にアイデアを与えることがデザイン。1本のまっすぐな線を書く行為は、1番簡単なデザインの問題であると言える」とお話しされました。


 

対象から条件を受け取るための手段
久慈さんより、「情報を受け取るためには2つの手段があり、1つ目は「観察」2つ目は「学習」。観察はフィールドワークやインタビューといった体験を通して得られる情報。学習は本を読むことやネットで見ることといった実際に体験しなくても得られる情報。外国語や絵画など、見てもわからないこともある。それを理解するためには学習は必要不可欠である」と話され、観察と学習はガソリンとエンジンのような関係であると例えました。

情報の習得には準備が不十分では得ることができず、「見よう」「知ろう」と注意を払うことで情報を受け取ることができる。それまではノイズと一緒である。町中に溢れている様々な情報も注意を向けていないとノイズのままであると話されていました。

「抽象画から情報を抜きだす」
久慈さんが水色と白とピンクの3色がベタ塗された図を投影し、参加者に何に見えますか?と問います。
参加者は「道」や「フランス国旗」「かまぼこ」といったように答えを述べますが、正解は違い、答えはローソンの配色でした。ローソンの写真を見せたときに参加者からあ~と声がこぼれました。人間は自分の見ている物に寄せて考える傾向があり、そこに色が重視されたり形が重視されたりします。都合のよい互換を脳が勝手にするので、人間は細部より全体を認識します。多少、幅が違っていたり、色が違っていても、全体の部分を認識してしまいます。


 

「discover(発見)」は「cover(行為)」を「dis(否定)」すること。
最初に集まった2階のライブラリの部屋から3階の会議室に場所を移し、その部屋の特徴を観察します。観察者に選ばれた5人が各々メモを取りながら案内された部屋を観察します。2階の部屋に戻り、それぞれの観察の結果を発表していきます。

・全体のサイズが6m×10m、高さが4m。
・入口があって床がフローリング。
・右側の扉は右開きで後ろの扉は両開き。ガラスがついている。
・ホワイトボードには紙が貼っていて、青いマグネットが右下に貼ってある。
・コンセントが6個くらいある。
・椅子の色は黒。
・折りたためる白い机。
・入ったら目の前に丸い電気が3つ。
・時計が8時21分を指している。
・教卓のようなものが左奥にある。
・全体的に下の部分が茶色で、上側が白くなっている。
・部屋の形は長方形。
・床とドアは木、エアコンはプラスチック。
・窓が二つ。
・無臭。
・ザーッというエアコン音。
・クラッシクな会議室の印象。

視覚以外の情報や動き、環境、空間の印象、参加者の主観で得られたそれぞれの観察が発見されました。見ている視点やそういった個人の主観を大切にしていくとお話されました。


 

観察が上手くなるための方法
久慈さんより、イメージ(視覚情報)から「文字にする記述の力」と「目で見えている以上のことを体験する力」の2つのベクトルを意識することで観察は上手になる。手元にくる情報のほとんどが視覚情報でくるので、それを超える記述と体験の力が必要である。モノを触ったり音を聞くことも観察においては大切というお話をいただきました。

-観察が上手くなる2つのベクトル-
記述力:眼で見たモノゴトを言葉にする能力
体験力:眼で見たモノゴトを体験する能力

次回は、イメージから文字にする記述の力について内容を詳しく掘り下げていきます。
「みる→かく…つくるための観察その1:みたものを言葉に帰ること」

+クリエイティブゼミVol25 デザイン編「観察のカガク」
http://kiito.jp/schedule/seminar/article/22773/

2017年6月23日(金)

未来のかけらラボvol.11 トークセッション「問題と思われていることから新たなプロダクトを生み出していく。—エコロジー、エシック、日本の知恵」を開催しました。

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ゲストはファッションデザイナー/うるとらはまいデザイン事務所の浜井弘治さんです。タイトル通り、地域の「お荷物」になっているようなものを新しい製品や事業に変えていくような試みを精力的に展開されている方です。その興味深い活動について、具体的な事例を実際に作られた製品やスライドを交えてお話しいただきました。

八王子の繊維産地の幡屋さんにいて職人をやったり、三宅デザイン事務所に勤めたり、現場からハイファッションの世界までさまざまな経験のある浜井さん。現場では制作過程や職人たちの持っている技術を、デザイン事務所では、机上でなく現場で考える、というもの作りへの姿勢を学び取り、現在の活動へと活かしておられるとのことでした。ご紹介いただいた事例も、その視点やそこからのプロセスが興味深いものが多数でした。ご紹介いただいた事例から一部を紹介します。


残糸でTシャツを作る
-生地を作る時は少し多めに糸を作り、余った糸は少しの間保管するが、あとでお金を払って捨てる。これが問題になっていた。一方、ある軍手工場で作っていた手袋は、手袋が1点ずつ違っていた。色の取り合わせがカラフルで美しいのもあれば、気持ち悪いのもあった。これはファッションのすべてを体現しているようなものだと衝撃を受けた。
-そこで、軍手工場とTシャツを作ったが、ただ作っても全く売れなかったので工夫をした。残糸はあらゆる色があり、また、それなりの量があるから、ほとんどのことはできる。でも、それを2回やろうとすると職人が大変なことになるので、色の系統だけ振り分けて、これはないな、という色だけを落として作った。そうしたら売れ始めた。簡単だけど、その仕組みが重要。「こうでなければ」をデザイナーが求めすぎると、現場が大変なことになるから、許容範囲を決めて、あとはすべてOK、とする。
-大量生産は、全部同じものを作ることを強いられる。いわゆるB品と言われるものも、2回目3回目の生産でもB品があれば、それはもうB品ではない。そういう発想で、最初始めた。
-残糸を使うと、放っておいても大量生産の1点ものができる。選ぶ楽しみができる。1点ずつ違うと、取引上は不都合なことがある。ジャッジしているのは流通、売り場、もしくは問屋。ひょっとしてもの作りで足かせになっているのは、エンドユーザーではないのでは、業界内の製品規格をうまくとっぱらったら、いたってシンプルだけど変わったもの、が出てくるんじゃないかと途中で気が付いた。

-ハイブランドから生まれるものは、ものすごく造形力があって、ひとつの未来を提示していると思うけれども、Tシャツ一枚とか、いたって身近なものでも、なにかもっと未来を作り出すことができるんじゃないか、と。

-売り方も「工場見学」というインスタレーションを考え、実験的な試みをした。繊維産地にある機械を会場に持ち込んだ。糸から最終の製品になるまでの作る過程の映像を見せたり、時には機械を止めて工場の休憩時間としたり。飛ぶように売れ、受注もとった。そのとき共感してもらったのは、1点1点違うことの良さ。


和紙で服を作る
-ポリエステルは、肌着からアウターまですごく汎用性があり、昔から魅力的に思っていたもの。あるとき、和紙で作ってある江戸時代の雨合羽みたいなものに出会った。梅雨がある日本の雨合羽なんて相当すばらしいのでは、ポリエステルの開発は大きな会社でないとできないだろうけれど、和紙なら可能性があるのではと思った。
また、糸を撚る撚糸屋さんから、どんどん周りが廃業していて、世の中の人が誰もこの職業を知らないまま無くなっていくのが悲惨だ、そもそも糸を作っているが、最後何になっているかさえ知らない、という話を聞いた。撚糸屋の存在は、ファッション業界も、どうかすると繊維業界の人も、ほとんどの人が知らない。撚糸はすごい技術で、糸を思いきり撚るとシャリ感が出てドライな質感になるし、戻すとやわらかい質感になる。糸を撚ったときにはステテコ、戻したときにはタオルができる。その技術をつかさどっている。
それならうちが最後まで売るから一緒にやりましょう、と協働がはじまり、和紙の機能についてかなり話し合い、テストもした。和紙の重量は綿の3分の一、吸水性が10倍。日本の建具に和紙が使われているのは、季節によって水分を逃がしたり吸収したりするから。呼吸する繊維。洋服もここを目指すべきじゃないかと。
和紙を太古のものとかイメージとして求めたのではなくて、どうにかして未来の繊維にできないかと考えた。和紙の最大の欠点は、縦に伸びない、伸度がゼロに近いこと。弱いからではなくて、伸びないから切れる。和紙そのものは強いけど、伸びない限りは、編めも織れもしない。そこの工夫をした。

-和紙糸を編んでほしいと工場に持ち込んだら、いままでさんざんやってきたけれど編めたことがないと断られた。それでも頼んだら、この糸なら編めた、さらに、ほぼ同時期に大きな会社が同じ依頼をしてきたけど、そこの糸は編めなくて、あわよくば編めても、穴が開いてとてもじゃないけど繊維にはならなかった、とすごくやる気になってくれた。

-販売先に素材やデザイン提案をして、セレクトショップのなかのブランドでまず売ったり、また、機会があったので、原材料~和紙~糸~素材~最終製品になっていく過程を見せる展覧会をした。

-ファッションは、ショーでも雑誌でも、作る結果ばかりがあって、作る過程が存在していない。メンズ誌はどう作ったかのウンチクが書いていることがあるが、女性誌は特に。だから、作る過程を見せるようなファッションってありえないかなと考えた。

-作る過程に合わせて、ものづくりに伴うエピソードも合わせて紹介した。作る過程に対して持たれがちな暗いイメージをなるべく明るく、イメージだけでもかっこいいほうにと、マンガにしたり、工場のものをインスタレーションのように見せてみたりした。

-工場サイドから見せるようなファッションショーってないかな、と。あれはかたちを変えたファッションショーでもある。ファッションの中での新たなプレゼンテーションでもある。


ドクターデニム
-友人の医師からの依頼。まず自分の白衣を作ってほしい、それが良かったら一緒に売ろう、と。白衣は世の中にたくさんあって安いし、白衣の素材は、大手の合繊メーカーとライセンス契約の関係で、小さい企業はほぼ入手ができないから、最初は断ろうと思った。
ただ、友人の「これまでの白衣は、医師のためでなく、安価で丈夫で洗濯しやすいという病院の都合ではなかったか。何年も着られるけれど、まるで洗濯のために作ったような服だ。着ていても全然かっこよくもない」の言葉を聞いて、考えを変え、快諾した。
現場の声を聞き込むと、その中でおもしろいアイデアがたくさんあり、取り入れた。やたらポケットがあって、すべてに意味がある。デニムでやりたい、というのが彼からの提案でなにより不思議だったが、医師は24時間勤務があるので、快適であって肌になじむのがいいという理由だった。
-病院でも、医療保険制度への懸念から、将来予想される病院への格付けに向けて、院の独自性を打ち出すために、単に治療する場所でなく、デザインを重要事項とし、快適さを目指すところが出てきている。少ないけれどそういった病院からの注文が入って、希望を感じている。昨年、すごい数の大手が参入してきたけれども、みんな似たような白衣しかない状況。

裁落ジーンズ
-ジーンズの製造過程で出る残り生地(裁落)で作ったジーンズ。残り生地の組み合わせになるので、自然に大量生産の1点ものができる。デニムはロットの違いで味が違う生地がたくさんあるので、裁落は魅力的な素材で、けっこうおもしろい。

-このデニムはインスタレーションにして現代美術のギャラリーで展示した。欲しいという人もけっこう現れた。このころ(3年前くらい)はファストファッションがピークで、本当に市場やアパレルも、安いだけでいいのか、と言われ始め、急に匠だとか地方だとか言われ始めた。ひょっとしたらエンドユーザーも、こういった実験的なやり方を面白いと思ってくれる、同じ意識を持っているんじゃないかと考えていたところ、本数限定だけれどけっこう売れた。


竹素材の製品
-山口県は竹林面積が全国で3番目か4番目をいったりきたりしていて、竹林公害がある。竹林は放っておくと山を死滅させてしまう。いま山を管理する林業が衰退し、里山という概念が崩壊すると言われている。それを数年前に知り、県の農林課に状況を聞きに行くと、いろんな面白いことが分かった。ファッション製品にできないか相談されたが一足飛びにはかなり難しいので、ボタンを作ってみたら、思いもよらない結果が出てきた。原材料を分けてもらっている家具の会社は、竹を炭素化させることによって、強度がプラスチックの倍にする技術がある。そもそも山口県の竹は、除雪車の重要なパーツに萩の竹が使われていたり、日本一しなりが強くて丈夫だというデータもある。いまはボタンやバックルを作って、色を付けられないかテストしたり、新しい試みをしている。


後半の芹沢とのトークセッションでは、浜井さんのもの作りやアイデアの源泉や、現在の繊維産業についての思いなどがお聞きできました。

-興味があったらやっぱり現場に行ってみることにしている。行くと全然違う。その人が何やってるかわからない状態で出会って話をすると、実はこんなにすごいものを作っていた、ということがよくある。三宅デザイン事務所在籍時、三宅一生氏が、机の上でものを考えるな、みたいなことをよく言っていて、その影響も大きい。現場に行って、作る過程を見て、そこから考える。

-何かの原材料と出会って興味を持った時に、原材料から最終製品まですべてを見るようにする。特に現場に何かヒントがあると思う。たいていにおいて優秀な工場は、継続してやっているので、知恵みたいなものがある。たとえばデニムの工場は、今でこそデニムを作っているけども、その前は手織りの絣の工場で、絣のノウハウと、デニムを作るノウハウは似てる、と言う。そこに気づくと、次何を作ればいいのかが分かるような気がする。日本の知恵みたいなもの。
繊維産地はたくさんのノウハウを持っている。ところが、海外生産では、突然何もないところに作った工場では、最新式の機械と人が日本から行って安価な良いものができていくが、過去の文化がないので、本来の開発ができていくのかという点が心配。これは勝手な理想だけれど、アジアの中でもその地域ごとにおもしろい繊維技術はあるから、それを使って生産するなら意味もあるし、そういうものをうまく未来につなげた発信の仕方があれば、きっと未来に向かったものが生まれていくと思う。


未来のかけらラボvol.11 トークセッション「問題と思われていることから新たなプロダクトを生み出していく。—エコロジー、エシック、日本の知恵」
開催概要はこちら

2017年6月14日(水)

未来のかけらラボvol.10 トークセッション「家庭菜園のようにエネルギーを楽しむ暮らし」を開催しました。

ゲストはNPO法人グリーンズ代表/greenz.jp編集長の鈴木菜央さんです。
モデレーターを務める芹沢高志(KIITOセンター長)は、再生可能エネルギーは長年気になっていたテーマだが、がどう扱うか考えあぐねていたとのこと。ウェブマガジン「greenz.jp」は、ストイックにではなくて、ライフスタイルのひとつとして楽しみながら活動している事例をたくさん紹介していて、突破口としてふさわしい方なのでは、ということでお招きしました。

鈴木さんからは、自己紹介からグリーンズのビジョン、greenz.jpで紹介してきた豊富な事例まで、たっぷりお話をお聞きできました。以下、ご紹介いただいた事例や鈴木さんの言葉をピックアップしてご紹介します。

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一人一人が人生の主役になれる社会
greenz.jpは「一人ひとりが『ほしい未来』をつくる、持続可能な社会」をめざす非営利のメディア。2006年からスタートし、年間600本くらいの記事が更新されています。個人的にも鈴木さんは、なんでも作れる人になりたい、とタイニーハウスを購入したり、エネルギーをなるべくかけない暮らしを模索し、「一人一人が人生の主役になれる社会」をビジョンとしています。実は、それに気づいたのは神戸だったのだそうです。友人の誘いで、4か月くらい阪神・淡路大震災のボランティア活動をした18歳のころ、そこでは、日本中から集まった人たちが肩書き関係なしに、次々に降りかかってくる課題にみんなでクリエイティブに話し合って解決していた。そのときのスピード感、みんなの笑顔、一生懸命さに驚き、そしてそのあと東京に帰ったらみんな疲れて働いているギャップに驚いた。震災以外の場所で人が輝かないなんて、社会のデザインの失敗なんじゃないかと思った。当時は言葉にならなくて、ずいぶん後で思ったことだけれど、一人一人が人生の主役になれるような、神戸で見たような風景が、普通の日常の社会で見ることができたら、と思ったのだそうです。

エネルギーめがね
エネルギーめがねで見ると、世の中みんなエネルギーと言える。太陽熱。夏の暑さ、光。風、水、地熱、木もエネルギー。暮らしの中でエネルギーに関わらないことはほとんどない。きれいな水が蛇口をひねったら出てくるのは、多大なエネルギーを投入した結果できている。お寿司の魚だって、近くでとった魚にくらべて、遠くでとった魚には相当なエネルギーが集中している。食べたものをゴミに出すと焼却のエネルギーがかかるが、コンポストを使えば、そのエネルギーがいらなくなるし、土が元気になって、それで作物ができたら、エネルギーの循環がそこで生まれる。そう捉えると、難しいことはなくて、家庭菜園を楽しむように、エネルギーを捉えることができる。


動機は「楽しい」「かっこいい」「おいしい」
以下、レクチャーでご紹介いただいた、greenz.jpで取材されてきた、さまざまな事例と関連リンクです。
どれも、エネルギーを単体でなく暮らしの中で考えて、みんながハッピーに暮らしていく中でとらえていく、ということを実践されています。

特に環境問題に興味はなかった横浜の夫婦が、家を建てるとき、玄関の目の前に電柱を立てる?いや無いでしょ、ほかの方法はないのか、と探ったら、200万あれば家をオフグリッドにできることがわかり、車一台買うくらいでしょ、と試しに実践。やってみたらすごく楽しかった!
http://greenz.jp/2015/05/01/wataden_sato/

千葉県の焙煎屋さん「スローコーヒー」。ジブリが「原発の電気を使わないで映画をつくりたい」と表明したことに共感し、自分だったらコーヒーでやりたい、と実践(資金はクラウドファンディングで調達)。コーヒーは嗜好品なので「うまいなあ」という感覚が大事。太陽のエネルギーで作ったコーヒーは明らかにおいしい、気持ちがいい。
http://greenz.jp/2014/11/04/slow_ozawayosuke/

「軽トラオフグリッド号」。NPOが運営。軽トラの荷台にいろいろなオフグリッドの装置を積み込み、北関東を中心に回っている。電気エネルギーでビールを冷やしてみんなに飲んでもらう、など楽しみながら自然エネルギーを体験できる。
http://greenz.jp/2015/01/22/offgrid_harappa/

環境のこととかいろいろあるけど、とにかく太陽熱はおいしい、それが理由でソーラークッカーを使う料理研究家。
http://greenz.jp/2014/11/20/solarcooker_nishikawa/

大きな音楽フェスに音響を提供する会社が太陽光で電源をまかなう試みを実践。音を比べると、電力会社から送られてくる、送電時のノイズを拾った電気とそうでない電気の違いが如実に出る。プロも圧倒的に音がクリアで違う、という。「音が良いから」自然エネルギーを使う。
http://greenz.jp/2014/04/01/energydesign/

鎌倉のパッシブハウス。真夏でもひんやりしていて、真冬でも無暖房で人が来ると暖かくなる。自然と人が集まる。断熱材を4,5倍入れていて建築コストは高いけれど、工夫をたくさんしているので、結果的にそんなに高くない。
http://greenz.jp/2015/07/30/kamakura_passivehouse/

神奈川県の藤野で2011年に立ち上がった藤野電力が、50ワット(ノートパソコンと電球1個をまかなえるくらい)のパネルと電池を42800円でつくれるセットを開発。このワークショップを全国で実施。小さな試みが広がっている。藤野ではオフグリッドが普通になりつつある。
http://greenz.jp/2012/02/21/fujino_denryoku/
藤野では、みんなでエネルギーを使わず環境負荷を低くして、まちに経済危機が起きても、災害が起きても生きていける、つながりの豊かな、暮らしやすいまちをつくろう、という動きが花開いている。
地域通貨も展開し、移住者がそれで家財道具を調達し、代わりに自分のリソースを提供して交流している。みんなすごく楽しそう。
森部、マーケット部、糸つむぎ部、など、部活動も盛んで、その受け皿がある。

活かしあう関係性をデザインする
海外の事例では、アメリカ・ポートランドとイギリス・トットネスの事例をご紹介いただきました。

ポートランド・プラネットリペア研究所では、水位の差で水をキッチンに運び、その排水が庭の水やりになったり、廃品でキャットタワーを作ったり。エネルギーを使わない暮らし、環境負荷を下げ、コミュニティを育てることを学ぶことができる。
ホームレスのために、その人らしい家を学生たちほかと協働して作る取り組みがある。食べ物を自給できるように菜園をつくり、苗木を育てて売って収入をつくる。シャワーのためのプロパンガスが痛い出費なので、太陽熱でまかなえないか、試みるなど、コミュニティで、ホームレスの課題を解決する。
パーマカルチャーとは、いわば、活かしあう関係性のデザイン。一人一人がデザインしあえる方法論。それが息づいている。

藤野の元祖といえるイギリスのトットネスでは、地域経済活性化のために、まちの現状を調べたところ、食に関する支出の60%が大手スーパーに流れ、食料自給率が27%であることがわかった。そこで地産地消を推進し、学校で地域の食材を使い、地域のレストランを応援するマップをデザイナーがつくる、など、みんなで助け合いながら考えて活動した。それだけでなく、地域に起業家を増やし、おもしろい店を増やして、地元の材料で、地元の人を雇い、地元ならではの味を作り、誇りを持てるような商品を開発して売る、そんな存在が育っていかない限りは僕たちに未来はないんだ、と気づいて、フォーラムをやるようになった。使われなくなった建物を利用し、運営も持ち寄り。2年に1回、4人選ばれてプレゼン、入場料やおひねりがプレゼンターの収入になり、入場者が4人を支えるようにあらゆる協力をしていく。その4人は必ず成功し、次のフォーラムを支える。
食に関してだけでなく、まちが、気になるテーマの部活動をたちあげられる仕組みを持っている。

エネルギーはエネルギーだけでとらえると損をする。暮らしの中であまねく関係していて、いろいろなやり方がある。
これらはすごいプランナー、スーパーマンやスーパーウーマンがやったことではなくて、「家庭菜園のように」やった人が集まって話し合って続けた結果こうなった。それがすごい。
どんなことやってもエネルギーにつながっているし、自由に考えてもらっていい。一歩一歩、プロセスを楽しめばいい、自分の暮らしの中でできることをやってみればいい。


ワクワクする、楽しそうな事例や印象的な言葉をたくさんお聞きした後には、鈴木さんの提案により、参加者同士で感想を共有・意見交換する時間を設けました。3分の設定が10分ほどになる盛り上がりでした。聞いて終わりではなく、咀嚼し伝え、さらに、自分の生活にフィードバックさせる一歩へと、背中を押してもらったように感じました。


未来のかけらラボvol.10 トークセッション「家庭菜園のようにエネルギーを楽しむ暮らし」
開催概要はこちら

2017年5月26日(金)

様々な分野で活躍されているデザイナーの方々にお越しいただき、仕事の紹介やその進め方、デザインの考え方や今後の活動について、お話をしていただく、デザイン・トークイベント「Designers」。

講師であるDESIGN MUSEUM LABの久慈達也さんに、お話していただいた内容をレポートにまとめていただきました。
今回のイベントに参加できなかった方も、是非こちらをご覧いただき、ミラノサローネのことや世界のデザインスクールのことに興味を持っていただくきっかけになればと思います。



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ミラノサローネ2017レポート 久慈達也さん(DESIGN MUSEUM LAB/デザインリサーチャー)
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5月26日、「ミラノサローネ2017-世界のデザインスクール最新動向-」と題して、ミラノサローネ国際家具見本市およびミラノ・デザイン・ウィークの報告会を開催した。登壇者は、神戸芸術工科大学Design Soilのディレクターとしてミラノ・デザイン・ウィーク出展を指揮した田頭章徳、デザインスクールの展示に焦点を当てて取材してきた筆者の2名である。今春ミラノでどのような特徴がみられたのか、報告内容を振り返ってみよう。

毎年4月に開催され、世界中からデザイン関係者が集まるミラノサローネ国際家具見本市。東京ビッグサイトの約4倍の広さを誇るミラノ国際展示場(Rho Fiera Milano)を舞台に、多くの家具メーカーの新作発表が行われる。本年は4月4日〜9日の会期で行われ、来場者は約34万人。この世界最大規模の家具見本市にあわせて、ミラノ市内でも様々な展示やイベントが催された。

■街全体のデザインフェア
「街全体がデザインに染まる」と形容されるが、市中心部のショールームやギャラリーはもちろん、南部のトルトーナ地区、東部のランブラーテ地区など市周縁部でも工場空間を利用してイベントが開催され、その総数を把握すること自体が難しいほどだ。世界中のデザインスクールや卒業したての若手デザイナーの出展が多いことも特徴で、企業とは異なる視点で時事問題や潜在的な社会課題などデザインの範囲を再定義するような展示もみられる。



サローネサテリテ(ミラノサローネ国際家具見本市内)

ヴェンチューラ・ランブラーテ
■7度目の出展-Design Soil
神戸芸術工科大学のデザイン・ソイル(Design Soil)も、この世界最大のデザインの祭典に2011年から出展を続けている。デザイン・ソイルは実験的なテーマで作品制作に取り組むことを目的に発足した有志のデザイン・プロジェクトで、これまでに発表された作品は国内外の企業から商品化されたほか、海外の展覧会に招待出展されるなど着実な成果を残している。今年は「GOOD LACK」をテーマに、「欠落」というモノにとってネガティブな要素を、逆転の発想で新しい機能として読み替えた作品を発表した。



デザイン・ソイル展示風景

デザイン・ソイル移動の様子
日本から海外の展示会に出展するためには様々な苦労があるが、とりわけ輸送は大きな障害となる。デザイン・ソイルも制作期間と輸送費の問題から、全ての作品と展示什器を機内受託手荷物として移動する。さらに今年は公共交通が利用できず、宿泊先から徒歩でランブラーテ会場まで1時間かけて作品を運ぶことになった。作品制作に加え、輸送、英語での作品解説と参加学生にとっては高いハードルを一つ一つクリアしながらのプロジェクトであるが、世界中のデザイン関係者に自分の作品を直接プレゼンテーションができるのは大きな魅力だ。若手デザイナーの登竜門である「サローネサテリテ」20周年にあたる本年、これまでの軌跡を振り返る展覧会「SaloneSatellite.20Years of New Creativity」が開催されたが、デザイン・ソイルの作品十数点も選出された。



デザイン・ソイル設営の様子

サローネサテリテ20周年記念展
■柔軟な発想と確かな造形感覚-Salone Satellite
サローネサテリテにはデザインスクールの出展も多数含まれる。その中ではドイツのヴァイセンゼー美術大学(Weißensee Art Academy Berlin)が頭一つ抜けていた。同校の「リアクティブライト・プロジェクト」には、炎に接するように息を吹きかけることで照度を変えられる照明作品など、センサーの使い方とプロダクトとしての造形力が高次元で融合した作品が揃っていた。サテリテには国内からも京都工芸繊維大学と名古屋工業大学が出展。京都工芸繊維大学岡田ゼミは「鏡」をテーマに作品を出展。アルミシートを折り曲げることで生まれる表情を素直に活かしたものや手製のパンを3Dモデリングで型取りしてフレームに仕立てた作品など、ユニークなアプローチが光った。



ヴァイセンゼー美術大学

京都工業繊維大学岡田ゼミ
■不安定な社会における「デザイン」—Ventura Lambrate
サローネと並んでデザインスクールの出展が多いヴェンチューラ・ランブラーテだが、ジュネーブ造形芸術大学(HEAD Geneve)と、これまで中心的な立場にあったデザイン・アカデミー・アイントホーヘン(DAE)が別のエリアに会場を移すことになった。
ランブラーテ地区では、セントラル・セント・マーチンズ(CSM)のマテリアル・フューチャーズ(Material Futures)コースを筆頭に、コンセプト重視のプレゼンテーションを行う学校が例年以上に目立った。マテリアル・フューチャーズが遺伝子操作や食の倫理観など際どいアプローチで現代社会に潜む課題を突きつけたのに対し、チェコのプラハ工芸美術大学(UMPRUM)はファストファッションを風刺するパフォーマンスで話題になった。両校の展示はミラノ・デザイン・ウィークの各主催団体が表彰する「ミラノ・デザイン・アワード」にノミネートされ、コンセプチュアルなアプローチが評価につながっている現状がうかがえた。



CSM マテリアル・フューチャーズ

プラハ工芸美術大学
ユトレヒト芸術学校(HKU)は、個人のプライバシー保護をテーマに、自作できるアンチ・ドローン銃や街頭カメラによる顔認識を阻害するヘッドギアなどを展示した。この他、「境界」を主題にしたブルグ美術大学(Burg Giebichenstein University of Art and Design Halle)など、ヨーロッパを取り巻く様々な不安要素が各校の展示をシリアスな方向へと導いていることがうかがえた。企業が生み出す「トレンド」とは異なる、こうした社会課題に対する「リアクション」は「デザイン」という言葉の多面性を教えてくれる。一方で、こうしたスペキュラティブ(考察的)なデザイン・アプローチには造形的な弱さも付きまとう。ここ数年盛り上がりをみせた素材重視の潮流もリサーチに終止する傾向にあったが、アウトプットの精度を軽視した「提案のための提案」が増えるようなら気がかりである。



ユトレヒト芸術大学

ルンド大学「SPEKTERUM」
■アイデアに適切な形を与えること
コンセプトとフォルムのバランスが非常によく保たれていたのが、スウェーデンのルンド大学(Lund University)であった。客員教授のステファン・ディーツとIDEOのレイフ・ハフの指導による照明作品21点を展示したが、いずれもシンプルな機構や造形が機能的に働くようにアイデアを練った秀作が揃っていた。他大学がコンセプチュアルな方向性に流れる中、同校の展示からデザインの原点は「アイデアに適切な形を与えること」にあると改めて教えられた。
学校を超えたキュレーションに新たない可能性を感じさせたのが、スイスの家電ベンチャー企業PUNKTのアーバン・モビリティ・プロジェクト「PUMP」。デザイン・アカデミー・アイントホーヘン(DAE)、ローザンヌ州立美術学校(ECAL)、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)の三校に電動アシスト自転車をそれぞれ提案してもらうという試みだが、アイコニックなフレームデザインで知られるオランダの自転車ブランド、ヴァンムーフのような造形を与えたDAE、坂の多い街を移動するためどんな自転車でも電動アシスト化できるキットを提案したECAL、シェアオフィス等の都市型の労働環境にフィットする機構を盛り込んだRCAと、コンセプトにもフォルムにも各都市の地勢がしっかりと反映される結果となっていた。



PUNKTによるプロジェクト「PUMP」

ECALが提案した電動アシスト化キット
デザイン・ウィーク全体に目を向ければ、初開催のヴェンチューラ・チェントラーレ(Ventura Centrale)はミラノ中央駅の高架下空間を会場に、マーティン・バースはじめ力の入ったインスタレーションで集客を伸ばした。アクセスの良い中心部のイベントだけに、来年以降の盛り上がりも期待される。
今年はあちこちの会場で「入場制限」がかかる場面が多く、長蛇の列が印象に残った年であった。なかでもnendoの個展は2時間待ちも当たり前という盛況ぶりだったし、COSやHERMESのようにここ数年デザイン・ウィークを牽引してきたファッションブランドによる展示も入場までに相当の時間を要したようである。これらに共通しているのは「インスタレーション化」された展示である。モノ単体でみせるのではなく、空間全体を使ったプレゼンテーションを用いて世界観とともにモノを示す時代なのだ。もっとも「行列」の原因はアトラクション的魅力にばかり求められるわけではなく、うがった見方をすれば、来場者が集中せざるをえないほどに見所が限られていたということかもしれない。実際、本会場での新作発表は量においてやや低調であったし、デザインスクールの展示もどことなく精彩を欠いていた。



ヴェンチューラ・チェントラーレ

nendo個展「invisible out outlines」
生き物のように、訪れるたび少しずつ表情を変えるミラノ・デザイン・ウィーク。今年デザインスクールの展示に表出したそこはかとない不安感はデザインの未来に少なからぬ影を落としているようにみえた。ヨーロッパの若手デザイナーや学生たちが不安定な時代の中でどのようなデザインを紡いでいこうとしているのか、これからも注視していきたい。(文責:久慈達也)

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Designers 14 デザインレポート01:ミラノサローネ2017 -世界のデザインスクール最新動向- 開催概要はこちら

2017年6月10日(土)

今年で4回目を数える、「KIITOマルシェ2017」を開催しました。KIITOマルシェは、ポートアイランドにある、病気とたたかう子どもと家族のための施設「チャイルド・ケモ・ハウス」を応援することを目的としています。連携イベントとして同日に「チャイルド・ケモ・ハウス チャリティーウォーク2017」も行われました。


会場の1000㎡を超える大空間には、ワークショップや飲食、物販など44ブース並び、大変にぎやかなマルシェとなりました。
会場デザインは、「ちびっこうべ2016」で建築家チームとしてご協力いただいた、中村×建築設計事務所さん、チラシやサインなどのグラフィックデザインには、同じくデザイナーチームのDESIGN HEROさんに手掛けていただきました。
入口には紙管と軽く透けた布(オーガンジー)を使ったタイトルゲートが作られ、各ブースの上には、同じく軽く透けた布(オーガンジー)の緑、赤、白が暖簾のように天井から垂れ下がり、各ブースの位置を伝えています。入口すぐには巨大な円形のレジャーシート敷かれた広場エリアがあり、こどもなどが靴を脱いで自由に遊べる空間です。小さな紙管の積み木がたくさん転がっており、重ねたり、転がしたりしながら遊ぶ様子が見られました。


ワークショップエリアには、好きな革を選んで作るブレスレットや部屋に飾れるプリザーブドフラワーづくり、1年後に手紙が届く未来郵便局などたくさんのブースがならび、終始にぎわっていました。水玉の衣装に赤い鼻、口からピーピー音がでるクラウンも現れました。

フードエリアには、珈琲などのドリンクのほか、ポテトフライ、カレー、水餃子、トッポギ、かき氷、ハートの形をしたパン…など、1日では食べきれない、魅力的なメニューがたくさん並んでいました。会場にある、大きな丸いベンチや土管型のベンチなどがたくさんあり、くつろいでいる様子も見られました。


あっという間に終了時間となり、今年のKIITOマルシェは終了しました。毎年続けることで、「チャイルド・ケモ・ハウス」を知っていただく機会をつくり、さらに支援の輪が広がることを願っています。
本イベントの売上の一部は、「チャイルド・ケモ・ハウス」へ寄付し、患児や施設のために使っていただきます。
ご来場いただきました皆様、そして、本イベントの趣旨をご理解いただき、ご協力いただきました出店者の皆様、本当にありがとうございました。


「KIITOマルシェ2017」開催概要はこちら


映像撮影編集:星野文紀

2017年5月6日(土)5月7日(日)

2年に1度行われるちびっこうべのワークショップ。今回は子どもたちが集めてきたKIITOの館内のさまざまな音を集めて1つの音と音マップを作り出す「ちびっこうべサウンドスケープワークショップ」を開催いたしました。まずは、サウンドスケープの紹介から入ります。講師の橋本次郎さんがあらかじめ神戸の街で録ってきた波の音や汽笛の音を利用したベースの音楽をみんなで聞きながら、身のまわりにある様々な「音」について学んでいきます。最後に、そのベースに音にみんなが録音してきた音を重ねて一つの音を完成させます。その後、レコーダーの使い方をみんなで教わりKIITOの中の色々な音探しに出かけます。この日、KIITOでは078kobeのイベントが行われており、KIITOの館内は様々な音にあふれていました。



 

KIITOの建物の中で耳を澄ませ、どんな音が聞こえてきたかを考えながらレコーダーに録音していきます。「あっちに音が鳴りそうな場所がある!」「床がちがうと足音も変わってくる!」と今まで気づいていなかった、色々な音の発見がありました。レコーダーを初めて使う子どもも多く「良い音捕まえた!」と取り組んでいる姿が見られ、KIITO館内の1階から4階までの様々なスペースでの”音採集“に積極的に取り組んでいました。どこで、どんな音が、どんな風に聞こえてきたか忘れないようには手持ちの音マップにメモをしていきます。


 

音が録れた子から、イヤホンで録ってきた音をサポーターと確認して、録音してきた音の中から使いたい一音を選びます。録音してきた音と実際に聞こえてくる音がちがうことを自分たちで実感していきます。音選びが終わったら、橋本さんに音を渡しにいき、子どもたちと、どの所にどういう風に音を入れていくか決めて、ベースの音に子どもたちの録音してきた音を足していきます。音を編集している間に、音探し中にかいたマップを大きいマップに書き写していき、一つの大きな音マップを完成させていきます。


 

その後、編集し終わった音をみんなで聞いていきます。神戸で録られたベースの音にみんなで録ってきたKIITOの館内で録られた音が足されて一つの音になりました。自分たちで録ってきた音がどこで使われているか、どんな風に聞こえてくるかを作った音マップを見ながら感じ取っていきます。子どもたちの作った音マップには「トントンだれかが歩いているみたい」「消防車がいるみたい!」といったように、子どもが思うままにマップにコメントが書かれています。


 

ワークショップを通して、身近なところにも意識をしていないと聞こえない様々な音があるということを、ということを参加した子ども達に気づいてもらえる機会となりました。ワークショップに参加した子供たちには参加者賞として「音バッチ」をプレゼントしました。

今回作った音と音マップは6月10日のKIITOマルシェで成果展示いたしますのでぜひお越しください!

写真:槌谷綾二

2017年5月12日(日)

神戸市の総合福祉ゾーンしあわせの村では、障がいのある人たちの創作活動を支援し、その表現の素晴らしさを広く知っていただくための展覧会「こころのアート展」が毎年開催されています。今回、同展の巡回展をKIITOにて開催。巡回にあたり、KIITOの広い空間を存分に活用できる、新たな会場構成や展示什器を提案しました。設計・施工は、株式会社POS建築観察設計研究所にご協力をいただきました。

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広い会場内に配置された展示什器は、出展作家のそれぞれの作風に合わせてデザインされたもの。ひとつひとつが、作者の制作風景や、日常の様子に結び付くイメージから制作されており、作品の魅力をより引き立てました。

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作品とともに、作家の制作風景の写真も展示。書道作品の大胆な筆使いの様子や、愛用している道具の写真なども一緒に展示をすることで、作者が創作活動に没頭しているときの集中した空気や息遣いまで感じられるような、迫力のある展示空間になりました。

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会期中には、出展作家の方にも多くお越しいただき、巡回によって新しく作られた展示空間に、「自分の作品なのに、違う見え方がして面白い。」「作品がもっとかっこよくなった!」などのコメントをいただき、ご自身の作品の新たな一面を楽しんでいただけたようでした。

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私たちスタッフは、障がい者アートに専門の知識があるわけではなく、この巡回展の企画に携わったことをきっかけに、「障がいって何なのか?」「福祉とアートの境界って?」「自分にできることがある?」など、普段生活の中では意識していなかった、障がいにまつわる色々なことに考えを巡らせ、そして頭を悩ませたりもするようになりました。

障がいのある方、子どもや学生、年配の方、KIITOに関わってくださっているクリエイターなど、今回の展示にお越しいただいたさまざまな立場にあるみなさまにとっても、私たち同様、障がい者アートに少しでも関心を持ち、考えるきっかけの場となっていたら幸いです。

今後も、しあわせの村で「こころのアート展」は継続して開催されます。私たちも、KIITOだからこそできる関わり方を模索しながら、障がいのあるアーティストたちの活動をサポートしていきます。


こころのアート展巡回展inしあわせの村2016 KIITO巡回展開催概要はこちら
こころのアート展inしあわせの村2017開催概要はこちら



2017年4月26日(水)

神戸市の総合福祉ゾーンしあわせの村では、障がいのある人たちの創作活動を支援し、その表現の素晴らしさを広く知っていただくための展覧会「こころのアート展」が毎年開催されています。今回、同展の巡回展をKIITOにて開催。会場を移したことで、KIITOの空間でしかできない新たな会場構成や展示什器を提案し展示を行いました。

この展示のオープニングイベントとして、出展作家である新井咲さんとそのご家族によるアンサンブルの演奏会、そして障がいのある人との協働の場を多様なかたちでつくりだしているSLOW LABELディレクター・栗栖良依さんを招いてのトークを開催しました。

【第1部】新井咲+アンサンブルピアチューレによる演奏会

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本展の出展作家として、『旅シリーズ』と題した10点の油絵の作品と、その作品それぞれにひもづいた詩の作品を出展されている新井さん。絵や詩の制作活動と同様に、長年続けているというピアノの演奏を、音楽のお仕事をされているというご家族のみなさんと一緒に、披露してくださいました。

ドラムの演奏を担当されている新井さんのお父様からは、新井さんの持つイメージが絵や音楽に落とし込まれていく過程や、すべての創作活動の起点になっているという、新井さんの好きな映画の風景やストーリーについてのお話をいただき、会場にいる参加者のみなさんが、新井さんの世界観とより深く向き合うことができました。

演奏の最後には、新井さんご自身が作詞されたという、『出会い』という曲を披露していただきました。これまでに出会ったたくさんの人たちへの感謝の気持ちを込めた歌詞が、新井さんの優しい歌声とご家族の演奏にのり、会場中が穏やかであたたかい空気に包まれ、惜しまれながら演奏会は終了となりました。

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【第2部】スローレーベルが創造する未来
アーティストと障がい者が協働する機会をつくり、社会に新しい価値を生み出すさまざまなプロジェクトを手掛ける、「SLOW LABEL」ディレクターの栗栖良依さんにお越しいただき、障がい者のもつ創造性と、社会にもたらすことのできるさまざまな可能性についてお話をいただきました。

○「SLOW LABEL」の立ち上げ
観光と交流の拠点であり、アートセンターとしての側面も持つ「象の鼻テラス」を拠点にした、横浜市の障がい者福祉施設とアーティストを結び付けるプロジェクトに携わったことが「SLOW LABEL」立ち上げのきっかけだそうです。そこで、栗栖さんはたくさんの障がい者福祉施設のものづくりに出会います。当時、そこで作られた作品たちは、サイズや色が統一された正確なものでは無いことや、障がいがあるため短期間で量産ができないことなどを理由に、福祉事業者には「商品にできるものではない」と評価されていました。

ですが、そこに栗栖さんが派遣したアーティストが入ることで、制作されたものの不揃いさを魅力として引き出したり、障がいがあっても無理なくできるものづくりが提案され、これまでとはまったく違う新しい価値をもった作品が生まれたといいます。

こうして、これまで商品未満だったものをかたちにするブランドとして「SLOW LABEL」が立ち上がりました。立ち上げにあたって着目したのは「スロー」であること。障がい者福祉施設でのものづくりの特徴は、とにかくゆっくり。大量生産、大量消費のなかで成り立っている現在の社会において、「大量生産では実現できない自由なものづくり」が大きな武器になったのではないかとお話をいただきました。

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その後、「SLOW LABEL」の好評を得て、栗栖さんはさまざまなプロジェクトを立ち上げます。障がいのあるなしに関係なく、誰もが気軽に集まり、簡単に楽しくものづくりが体験できる工場「SLOW LABEL THE FACTORY」では、ものづくりの拠点としての機能のほか、障がい者と市民の交流の場としても大きな意味を持っているといいます。
そのほか、障がい者が生きる上での選択肢を増やす学びの場を提供する「SLOW ACADEMY」や、全国の障がい者福祉施設のものづくりの力を生かしたショップ「SLOW LABEL BLUE BIRD COLLECTION」の立ち上げ、福祉作業所のスローな時間を生かし、とにかく手間暇をかけたジェラートを販売する「SLOW GELATO」など、障がいのある方が自分たちのペースを大切にしながらも、社会で活躍できるさまざまな場をつくっています。

○ヨコハマパラトリエンナーレ
「SLOW LABEL」のさまざまな活動を通し、障がいとは何かを新ためて考えたといいます。障がい者の多くは、どこか欠落した部分はあるかもしれないけど、それぞれに突出した能力や感覚を持っている。栗栖さんは、そういった人々の魅力を発信し、人や社会を巻き込む発展型進行型フェスティバルとして、2014年に「ヨコハマパラトリエンナーレ」を立ち上げます。
このトリエンナーレでは、ただ障がいのある方のアート作品を集めるのではなく、プロのアーティストとのコラボによって新しい芸術表現を見出したり、社会に何か還元したりすることに挑戦しています。
また、このイベントは、2020年までの3回限定。それは、いつまでも「パラ」でいてはいけないという想いからだそうです。2020年以降からは、「ヨコハマトリエンナーレ」に障がいを持つ方が普通に出展できるような社会になることを目指しているのだそうです。

このパラトリエンナーレで、栗栖さんたちはパフォーミングアーツにも取り組みはじめますが、その運営を通し、さまざまな課題と出会いました。
・情報のハードル
 メールでの連絡が取りにくい。FAXやプリントの配布の方が圧倒的に有効である。
・物理的ハードル
 障がいの程度によっては、介助がなくてはひとりで移動することができない。
・精神的なハードル
 自分にはできない/うちの子にはできないという思い込みをしている。
常に人に迷惑かけるかもしれないという不安を抱えている。
この課題を解決するため環境を整えないことには、表現者の人口が増えず、高い質の作品はつくれないと考え、アクセシビリティの整備に取り掛かったそうです。

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〇「SLOW MOVMENT」
アクセシビリティを整えるため、栗栖さんはそれを支える人材の育成をはじめます。
【アクセスコーディネーター】
舞台に上がるまでのサポートを行う人。障がいのある方が集中して練習ができる環境を整えたり、連絡手段を障がいによってカスタマイズ(手話・展示)することができる。
【アカンパニスト】舞台の上でサポートを行いながら一緒に体を動かして表現をする人。

そして、障がいを持つパフォーマーと、それを支える人材が協働し、さまざまな公演を成功させていきます。そして、2016年には、障がいのあるダンサーの発掘や育成の拠点施設として、新豊洲に「ブリリアランニングスタジアム」を立ち上げます。
ここでは新たにエアリアルという空中パフォーマンスのための設備が取り入れられ、パフォーマンスとしてはもちろん、心と体を鍛えるトレーニングとしてとても有効に機能しているのだそうです。
第1回目のパラトリエンナーレから参加している障がいのあるパフォーマーたちは、現在このエアリアルをはじめ、積極的に新しい技術を取り入れ、表現を続けています。

SLOW MOVEMENT -The Eternal Symphony- 2nd mov.(速報版)
SLOW MOVEMENT - The Eternal Symphony - 1st mov. PLAYERS YOKOHAMAver.
SLOW MOVEMENT -The Eternal Symphony 1st mov.- AOYAMA, 2015

人のできること、できないことは、障がいのあるなしばかりで判断するべきではないと、栗栖さんはいいます。誰かができないことを、自分がどのように補っていくかを考える行為は、社会生活の中でお互いに役立てていくことができます。これからも、障がいのある人とない人が一緒に作品をつくり、より安全に、より質の高いことにチャレンジしていきたいと語っていただきました。
そしていずれ、個の相互補完によって「障がい者」というコトバが無くなる社会にしたいといいます。人材、技術を互いに共有し、多様な人々を受け入れ、補い合える社会にするために、SLOW LABELの活動をこれからも続けていくとお話をいただきました。

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最後に会場から質問を受け、そのまま同会場で懇親会を行いました。会場内では参加者の福祉事業者やデザイナー、アーティストが交流し、栗栖さんのお話をきっかけに、また次につながる新しい出会いが生まれたようでした。

こころのアート展 in しあわせの村 2016 KIITO巡回展の詳細はこちら
OPENING EVENTの詳細はこちら


2017年4月22日(土)

KIITOとプラス・アーツが協働でおこなった「防災サバイバルキャンプ」を考えるゼミの中で生まれた取り組み「レッドベアサバイバルキャンプ」。レッドベアサバイバルキャンプ発足5周年のイベントが開催されました。
「災害時に学べることは、ほぼキャンプで学べる。」をキャッチコピーに掲げるこの取組みにちなんで、当日はアウトドアファッション。会場もタープが張られた、アウトドアな設えになっています。まずは参加者の方の自己紹介から始まります。立ち上げ当初から参加している人から活動に興味を持って初めて参加した人まで、様々な方に来ていただきました。自己紹介の後はリレートークに移ります。講師の川内乾吾さんからは、今までの活動を交えながらレッドベアの歴史や、レッドベアを通じた様々な関わりをお話しいただきました。いわき市立泉北小学校教諭の佐藤登さんからはいわきの防災キャンプの現状をお話いただき、神戸から始まったレッドベアの活動が他の県でも行われていることや、地域の人や子どもたちが防災にどのように関わっているか、などレッドベアの活動の広がりを知るいい機会になりました。また、「いわき防災キャンプに行った際に乗っていた車の車種は何でしょうか?」「ボランティアレスキュー隊員の数は何名でしょうか?」といったようなレッドベアに関わるクイズも出され大きな盛り上がりを見せました。





 

その後、「インフラ班」「サバイバル班」「レスキュー班」「レクリエーション班」「エマージェンシーフード班」の5つのチームに分かれて各々のチームにちなんだ内容のクイズを自分たちで考えて出題する「バッジ争奪!ゲーム大会」が開催されました。チームでレッドベアでの思い出や活動を思い出しながら、クイズを考えていきます。「今一番保存期間が長い保存食は何年持つでしょう?」や「阪神淡路大震災後、東灘区ではガスの復旧にどれくらいの日数がかかったでしょう?」といったような、レッドベアでの活動を通して得た知識や、自身の体験を活かしたクイズが出題されました。


 

そして、「レッドベアでやってほしいことワークショップ」と題し、今後のレッドベア継続の為には何が必要か?何をやっていきたいか?をディスカッションしました。「婚活イベント」や「BBQミーティング」といったクラブメンバーが楽しく参加できるためのアイデアがたくさん出されました。イベント中はファシリテーショングラフィックも同時に行われており、様々なアイデアや発言が一つの紙にまとまっていきました。








 

レッドベアでの5年間の活動の中には、いろいろな人の思いが詰まっていると感じました。レッドベアのこれからの活動について大きく前進するきっかけになるイベントになりました。レッドベアサバイバルキャンプクラブのメンバーは引き続き募集中です。興味を持った方、活動に参加したい!と思った方はこちらまで。

「RED BEARANNIVERSARY CAMP」イベント概要はこちら

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2017年3月23日(木)‐25日(土)

+クリエイティブゼミvol.23「公園と地域をつなぐ仕組みを考える」を開催しました。今回のゼミは3日間の集中ゼミで実施しました。これまでも公園をテーマにゼミを開催し、さまざまなアクションを行ってきました。生まれたアイデアを継続的に展開していくための仕組みづくりの必要性を感じ、公園と地域をつなぐ仕組み、つなぎのデザインを考えていきました。


はじめに参加したゼミ生の自己紹介を行いました。参加動機、公園の思い出、公園についてのリサーチ報告を行いました。「子どもの頃はよく公園で遊んでいたが、今はほとんど行っていない」、「子どもができて公園に行くようになった」、「昔は毎日のように公園で友達とサッカーをしていた」、「公園にある健康器具が最近気になっている」、など様々な思い出や気づきが語られました。
参加者の思い出やリサーチのキーワードから、「公園のあり方を考えるチーム」「公園の周辺から仕組みを考えるチーム」「公園の利用について考えるチーム」「公園の運営、つなぎ手を考えるチーム」に分かれました。


講師の永田から、地域を考えていく際にアドバイスとして地域豊穣化における「風・水・土」、チームでの進め方について話をしました。
「風の人」は外から種を運び、地域に刺激を与える存在。「水の人」は、その種に水をやり続ける、中間支援的な存在。「土の人」は、その土地に根を張り、活動し続ける存在。その中で我々は良い種を作れるように考えていきます。その種は不完全でなければいけません。余地を残すことで、地域の人などの関わりを作れるようにします。またチーム内で進めていく中では、シナジー効果を生むことも大切です。互いの違いを認め、尊重すること、さらに信頼と協力があることでより高い効果が得られます。


グループワーク開始から各チーム議論が盛り上がっていました。持ち寄ったリサーチの情報を共有し、付箋をたくさん使いながら、それぞれの問題意識や気づきを書き出し、チーム内での方向性を考えていきました。各チームリサーチ共有では、近所の公園を見に行って感じたことや、最近人気の公園情報、周りの人の公園の活用術など様々でした。3日目の発表前の時間直前まで、アイデアを考え、白熱したディスカッションが行われていました。発表は、各チーム5分で行いました。


Aチーム
公園のあり方をテーマに進めていきました。今使われている公園は、公園に行く明確な目的を持った人が来るので、利用したい人に限定されているのではないか。そこで私たちは、どうすれば公園に行く意思のない人にも公園に足を運んでもらうことができるかを考えました。
コンセプトは、エリアを楽しむ基地としての公園で、「PARK DAY(公園の日)」を設けることを提案します。
単体として存在している公園を複数つないでいく仕組みを考えました。公園と公園の間にあるエリアの観光スポットや地元の人しか知らない場所、発掘されていない場所に寄り道を楽しみながら別の公園に行きます。周回できるようなイメージです。変わった自転車(複数人で乗るものなど)で公園間を移動できたり、「PARK DSY」限定のスタンプラリーなども考えました。
このモデルは公園だけでなく、周りのエリアの活性化も一緒に行っていきます。

フィードバック
・1つの公園ではなく、複数の公園をエリアで見て考えることはとても重要だと思いました。
・街区公園も大規模な公園もネットワーキングが大切だと思います。
・個々の活動を意外と知らないことが多く、公園で行われる活動の情報共有ができれば、連携などいろいろ可能性があるのではないか。


Bチーム
メンバーはみんな20代という若者チームです。若者が公園で思い思いに過ごすにはどうしたらいいのかを考えていきました。普段私たちは、公園でジュースを飲んだり、友達と話しをしたり、メールの返信などをしています。公園をあまり利用しない若者が公園を使うには何が必要か。人と会う、話す、座る、楽しいことができる仕組みが必要であると考えました。
家ではできないことができて、SNSに夢中な年代が話題にしたいことがあって、あまり人目を気にすることもなく、ある程度ざわざわした雑音がある空間であってほしいと意見ができました。
アイデア①:黒ひげ椅子
公園内にある複数の椅子のうち、適当な場所に3人が座ると、中央にある灯りがつくという、他人と偶然を共有する仕組みです。
アイデア②:夢を語る掲示板
いろいろなメッセージや夢を自由に書くことができる掲示板です。ある一定期間で消されるます。
アイデア③:ゴミ回収で公園が良くなる
空き缶などのごみ回収をすることで、それを資金に公園の設備が良くなっていく仕組みです。

フードバック
・私も黒ひげ椅子に座ってみたいと思いました。
・SNS時代に掲示板というアイデアが出るのが面白いです。
・公園の椅子はどこも一緒なので、高級感のある椅子や壁と一体の椅子などいろいろ意見があります。
・掲示板だけでなく落書きのできる壁なども面白いと思います。
・どこかで公園を好きにプロデュースしていいプロジェクトがあってもいいと思います。


Cチーム
公園の課題から話し合い、遊具の使い方や怪我や事故のトラブルなどの意見がありました。また、生きた公園、死んだ公園があるとチーム内で意見が出ました。そこには公園の周辺の人たちや自治会のモチベーションなどが影響しているのではないかと考えました。
公園の役割には、コミュニティ、防災、健康、遊び、学習などがあります。公園の使い方を知っているようで、」あまり知らいのではないか。特に子どもは学校なので、校庭以外の遊具などの使い方を知る機会はないので、公園ドクターと呼ばれる専門家が、各学校や地域を回り、遊具の使い方や怪我や事故が起こらないようにする指導できると良いと思いました。

フィードバック
・現状、何か公園でする際は、自治会長の承認を得ているので、自治会長の意識改革ができると面白いと思います。
・研修会を開いてどれだけの参加者がいるか不明だが、移行期でもあると思うので、このような仕組みが機能するといいと思います。
・マンションでは自治会の役割がまわってくるが、自治会長があまり頑張りすぎないことを住民は願っている雰囲気があります。自治会長が頑張るというよりも、サポートする中間的な仕組みがあるといいと思います。


Dチーム
公園の運営を切り口に「公園を取り戻せ!」をキーワードに考えました。公園の利用は、「働いていて、なかなか公園を利用しない人」、「良く公園を使っている子どもやお母さん、高齢者」、「公園を使いたいけど使い方がわからない人」、の3つに分かれました。現状、良く公園を利用している人たちが使い続けていくこと、公園の使い方が分からない人たちが使っていく仕組みの2つを考えていきました。
「おじさん2.0」
公園が公園であり続けるためには、公園を管理するおじさん、掃除をしている人の可能性に着目し、多様性を生みたいと考えました。公園の管理するおじさんをもっと素敵に、憧れの存在にするためのスキルアップ講座やディズニーランドのキャストの技術を学ぶ、おしゃれな作業着や掃除道具などのアイテムを工夫などアイデアがでました。
「Park meet ○○」
公園を使いたいけど使えない、どうしていいのか分からない人に対して、アクティビティのマッチングを行い、たくさんのアクティビティメニュー(0円コンテンツなども)を紹介する仕組みです。地域外の人に役割をつくるようなマッチングサイトをつくり、新しく公園の可能性に気付いてもらうことが目的です。

フィードバック
・公園を管理する人へのトレーニングは面白いです。
・神戸市で公園を管理する人は、緑化ボランティア(地域のボランティア)、ボランティア(誰か知らない)、業者さん(神戸市から委託を受けた)がいます。
・一番きれいな公園と感じるのは、地域の方が管理しているところが多いです。
・人や物をシェアする仕組みは面白い、このようなことができると街区公園が変わる可能性があるのではないでしょうか。


総評|永田
強い種をつくること、それをシェア知る仕組みの重要性を感じました。また運営する人の意識を変えることで、新しい担い手につながる可能性があると思います。
今回のアイデアは、引き続き神戸市産とも相談しながら、もっと深めいていく機会なども設けたいと思います。やらなければいけないという使命感も感じています。

3日間集中ゼミという新しい試みでしたが、でどんどん議論が進んでいる様子でした。これからも様々な手法を取り入れ、これからの公園の未来を考えていければと思います。今後も公園ゼミにご注目ください。

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+クリエイティブゼミvol.23「公園と地域をつなぐ仕組みを考える。」開催概要はこちら

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