お知らせ・レポート

2018年3月24日(土)

オープンKIITO2018のイベントの一つとして、東京のフリーペーパー専門店・ONLY FREE PAPER(以下OFP)によるフリーペーパーのお祭り「ONLY FREE PAPER in KOBE」、および神戸市内の古本屋6店舗によるユニット・コウベボーダーズのミニ古本市を開催しました。

「ONLY FREE PAPER in KOBE」は、OFPがセレクトした「今読んでほしいフリーペーパー50誌」を展示・配布する、フリーペーパーのお祭りです。

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今回で5回目の開催となりました。今回も厳選されたフリーペーパーが並びます。好きなものを持ち帰れるのですが、魅力的なフリーペーパーばかりで、両手にいっぱい抱えてくれている来場者も多かったです。

今回はOFPオーナー・松江健介さんによる選出された50誌についての解説書も合わせて配布。あらゆるフリーペーパーを読み、その魅力を発信してきた松江さんならではの視点に惹きつけられる、読み物としても楽しい内容の、各誌の特徴が良く分かる優れた解説書でした。


また、2017年の注目すべき動向として、「フリーペーパーの書籍化」が顕著であったとのことで、実際に書籍化されたいくつかの本を持ち込んでいただき、購入できるようにしました。



本イベントの開催は今回で5年目。だんだんと来場者が増えてきているように感じます。オープンKIITOがはじまる11時過ぎに、会場が埋まるくらいの大入りになったのには、本イベントを目当てに来てくれたのでは!?と嬉しい驚きを感じたほどでした。

OFPのウェブサイトでは、50誌のリストと松江さんによる過去開催回からの来場者の変化についても含めた詳細なレポートも公開されています。ぜひこちらもご覧ください。


また、今回は通路を挟んで向かいのスペースで、コウベボーダーズによるミニ古本市も同時開催しました。

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「言葉の宇宙船がやってくる KIITO BOOK CLUB」(2017年11月~2018年1月)企画内で開催したミニ古本市が好評でしたので、再登場をお願いしました。また、本のディスプレイに使う什器は、セルフ・ビルド・ワークショップで制作したものを集めて、楽しい会場づくりを試みました。



当日並んだ本は、6店舗それぞれ個性の違うコウベボーダーズのみなさんが、絵本、ビジュアルブック、ハードカバー、リトルプレス、ちょっと珍しい本などなど、さまざまな本をこの日のためにセレクトして持ってきてくれたものです。つい没頭してしまいそうになるものばかりでした。

フリーペーパーと古本、というと不思議な取り合わせかもしれませんが、どちらも、何か情報や知見に出会う接点と考えたとき、新刊書店で本を買う、ウェブサイトをスクロールする、といった今日のルーティンからは少し異なる経験や感覚をもたらしてくれるものではないかと思います。OFPもコウベボーダーズもお店があり、足を運んでみると、より個性が感じられて楽しいです。ぜひ訪れてみてください。

[オープンKIITO2018] ONLY FREE PAPER in KOBE / コウベボーダーズのミニ古本市
開催概要はこちら

去る3月20日(火)に、「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」(公園ゼミ)の最終発表会が行われました。

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今回は、前回、前々回と行ってきたグループワークの成果として、グループごとに、できあがった提案についてプレゼンテーションを行います。これまでの「+クリエイティブゼミ」では、プレゼンテーションの後で講評を行ってゼミを締めくくっていましたが、今回は各グループの提案に対して参加者が意見や改善点を出して、それをもとにして提案をブラッシュアップしてもらおうという試みを行いました。プレゼンテーションのスタイルも、報告するグループのテーブルに参加者が集まってくる形になりました。実現には何が必要か、どうすれば継続ができるかも視野に入れた、質の高い提案をめざします。

短期間のゼミにもかかわらず、どのグループも多くの事例を集め、そこからアイデアを出し合い、自分たちの課題を見つけて、それに対する提案を作る作業を行ってきました。それぞれが想定する利用者に対して、公園を通じてどんな働きかけができるか、今日はそれを見える形にします。

各グループの提案の内容や、それに対する意見などを紹介していきます。




「高齢者」
「高齢者」チームは、自治会から街区公園のへの働きかけが少なく、近隣から身近な公園が活用されていないこと、そうした状況で高齢者が公園にアクセスできていないことを問題として捉えてきました。したがって、高齢者のニーズを満たすような試みを公園で実現することをめざしています。

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高齢者チームの発表テーマは「高齢者と公園を考える」です。自治会がなかなか公園に対して働きかけができない一方で、自治会は地域のつながりや盛り上がりを作る機会を望んでおり、色々なイベントを行っている。そこに協力する形で公園を継続的に活用する機会を作っていきたいとのことです。

そうした自治会と協力して公園を活用する中で、高齢者にとっても公園が使いやすくなる機会を設け、一緒に公園を使いこなすノウハウを掴みながら、高齢者が抱える問題を解決する仕組みを確立することも目指します。

特に退職後の高齢男性が、地域との交流が希薄だったり、外に出られず健康面に不安を抱えやすかったりすることに対して、公園で何かをするために出ていくという機会を作り、高齢者がいままで発揮できなかった能力を披露できる場を作り、日常的に高齢者が公園を通じて活躍する、そのための具体的な方法として、「高齢者」チームは「料理」と「将棋(ゲーム)」を提案しました。

「青空クッキング団」のように、高齢者が、よりハイレベルなこだわりのある料理を練習してふるまい、特に地域の防災訓練の場で、終わった後で「究極の炊き出し」として披露する。多くの人が集まり、多世代で交流する場になるし、高齢者のスキルを活かす機会にもなる。防災のインフラとして公園が活かされる機会を利用して、幅広い人が交流し、地域を豊かにする場を、高齢者が核になって作ることになるわけです。そうした場や機会を、日常の活動・交流にも活かせないか、と考えているようです。

また、兵庫区の湊川公園で高齢者が将棋を楽しんでいることからヒントを得て、「将棋青空道場」のように多世代に広げることができないかとのことでした。子どもたちとの距離を縮めるために、子どもに教える機会を設けたり、大きな盤でわかりやすく見える形にしたりすることで、ボードゲーム的な楽しさ、わかりやすさを演出して、高齢者、あるいは子ども「だけ」にならない仕組みを盛り込んで、公園を通じて地域へのアクセスしやすさや、コミュニケーションを促進できないかとのことでした。地域に根ざした継続性、公園を活用することによる波及効果を、「高齢者」チームは重要視しているようです。

フィードバック
「高齢者」チームの提案に対しては、完成したイベントに参加してもらうのではなく、計画・準備段階から協力してWSするなどの交流があると良い、世代間だけでなく、高齢者同士の交流も促進することで、公園での活動を発展させていくこともできるのではないか、公園の立地や規模、形などの制約を活かして、ご当地らしい遊びを作ってみるのも良いのではないか、という意見が出されました。



「社会人」
「パークリビング構想」と銘打った提案で発表に臨む「社会人」チーム。「社会人」チームは幅広い「社会人」うちの「20代」をターゲットにして、そうした人たちのニーズとは何かを考えてきました。20代の人たちは、仕事で忙しく自分の時間がない、そもそも公園に行かない、そういう人が必要とする公園とは何か、公園を必要不可欠なする仕掛けがあるのか、模索してきました。

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そうした「20代」の「仕事以外」に、このチームは着目しています。ゆっくり昼寝できる、気が向いたら運動もできて、プライベートな空間にいるように広々とのんびりとリラックスできる。でも、それを実現するには、若者が普段持っている自分の空間はとても狭い。一方で公園はそれなりに広さを持っている。公共の空間とプライベートな時間、空間を両立する、リビングのような居心地の良さを実現する、相反するような要求を具体化することが、このチームにとっての大きな課題です。

そんな難題に挑んでいた「社会人チーム」が着目したのが、メキシコのデザイナー、エクトル・エスラウェとイグナシオ・カデナによる「Mi casa, su casa.(私の家は君の家)」でした。家の形をしたフレームが公園に並んでいるというもので、インスタレーションとしても有名なものです。

遊具のように役割が決まっているわけではないし、美術作品だから触れてはいけないというものでもありません。むしろ、フレームだけしかないので自由な使い方ができるし、使うことで活かされる開かれた作品でもあります。置かれている場所へ、人びとを迎え入れる、そんな仕掛けと言えるかもしれません。複雑なものではなく、道具としても使いやすく、持ち運びしやすく、扱いも容易です。

ひとりを楽しむこともできるし、複数人で何かをすることもできる。新たに何かをするきっかけにもなるかもしれません。家にいるのとは異なる、魅力的な日常を送ることができるツールです。何よりも、公園にアクセスし、みずから公園を活用する機会を与えてくれるところが、このツールの稀有なところだと言えます。

こうした仕掛けの公園での展開を実現する方法として、建築家やデザイナーと積極的に協働し、公園や地域、自治体に働きかけるということを「社会人チーム」は提案します。また、まずはイベントとして開催、次に曜日ごとのなど日を限って実施、などと段階を踏んだ上で常設化して、さらに個人単位でツールを運用していくことで、恒常的に継続し、かつ各地の公園にも広げられるものにしたいと、「社会人チーム」は考えているようです。

フィードバック
上記の提案に対しては、魅力的なアイデアだが街区公園に合う形で展開できるか、何らかの工夫が必要なのではないか、あるいは、壁のない空間なのでプライベートの空間として完結するのか、それとも利用者どうしのコミュニケーションが発生するのか、どちらかのバランスが重要なのではないか、近くの公園で地域と共同で実験をしてみたら、違う展開の仕方も見えるのではないか、家の形だけでなく公園ごとに適した形にアレンジすることもできるのではないか、という意見が出されました。



「ファミリー」
いつもたくさんのアイデアがホワイトボードに並んでいる「ファミリー」チームが提案するのは「遊びかたログ」です。前の2チームが実際に公園でアクションすることを提案したのとは異なるスタイルの提案となりました。WEB上に公園での遊び方が集まるコンテンツを設けるというものです。

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「ファミリー」チームは、街区公園は居住地にとても近いために、かえって何かするにはハードルが高く、公園が活用されるに至らないという点を問題視していました。そこで、何があれば公園に出てみよう、遊んでみようというきっかけや、近さが活かされるきっかけになるのか、それがチームの課題でした。その結果たどり着いたのが、近くの公園で遊びたいと思う人の受け皿としてのWEBサイト「遊びかたログ」の設置です。

「遊びかたログ」は、「PARKFUL」のような公園の情報を集積・発信しているサイトの中のコンテンツとして設けられることが想定されています。従来は場所についての情報がメインとなっているのに対して、公園で何ができるか、公園に行って何をするかのアイデアなど、活用のしかたがメインになっているのが「遊びかたログ」の特徴の1つと言えるかもしれません。場所の紹介に活用のしかたが組み込まれて、公園に応じた「活用のしかた」を提示できることも特徴になりそうです。

「遊びかたログ」には、様々な公園での遊びの経験やアイデアが集められます。それを検索する形で見る側が遊び方を調べることができます。また、遊びの経験やアイデアに対して、公園の立地条件や、利用状況などの情報も加えることで、近くにある公園に応じた利用・活用のしかたにアクセスすることができます。

また、遊びをしているプロモーション動画を配信したり、あるいは実際にやってみた様子を動画で投稿してもらったりすることで、新たに遊びのアイデアが生まれ、ブラッシュアップされ、ヒントとして活用されることも期待できます。

情報を得るだけでなく、遊びの情報が蓄積されて遊びが変化したり、新しい遊びを考える機会となったりと、サイトじたいの機能も広がっていったり、色々な展開が考えられそうです。街区公園の活用するためのインフラとも言える、意欲的な提案です。

フィードバック
「遊びかたログ」の提案に対しては、公園で遊んでみよう、調べてみようというところにたどりついてもらう仕掛けが必要なのではないか、ワークショップをするチームを結成したり、色々な公園で遊びをしたりしてみて「遊びかたログ」に関わるコミュニティを広げて行くことが必要なのではないか、ファミリー以外にも利用できるものだといいのではないか、といった意見が寄せられました。



「高校・大学生」
「高校・大学生」チームは「高校生」をターゲットにしぼって、学校と関わりながら何かができないか、提案を考えてきました。今回提案するのは「移動式カフェ」です。

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現在の高校生にとって魅力的なこと、実際の職業にかかわることから、高校生が公園に関わる機会をつくることができないか、また、公園に行くことが高校生にとってさほど日常的ではないことを逆手にとって、公園に行くことが高校生にとって特別だと感じられることが、公園に関わる機会を作る上で重要ではないかと考えて、「高校・大学生」チームは提案を練ってきました。

「高校・大学生」チームは、神戸市の人口が都心部以外では減少傾向にあること、特に若年人口にその傾向があることに着目します。今回ターゲットとしている「高校生」と地域とのつながりを作ること、そのために「高校生」に地域に目を向けてもらうことは、人口減少への対応として求められていることでもあります。街区公園は高校生の目を地域に向けるときの核になり、高校生を中心にして地域の人が集まって何かをするときの拠点にもなるわけです。

一方で、高校生を中心にすることにはマイナス面もあります。何らかの即効性あるわけではなく、すぐ結果が出るわけではないし、計画通りに進まない可能性もあります。これに対して、このチームは地域との協働を重視することで、マイナス面を打開できると考えています。そのツールとして「移動式カフェ」に行き着いたわけです。

制作と運営に建築家やデザイナーが関わり、さら食のプロがそこに加わります。実際に運営・運用していくには地域の人の協力も必要です。そうしたフォローする体制を整えた上で、高校生が公園でカフェを運営していくことになります。制作側にとっては、高校生に仕事を知ってもらい、地域での認知も広まり、協働を通じて仕事も広がる、といったメリットがあることも考えられます。街区公園を拠点に高校生が自ら特別な機会を地域にもたらし、高校生にとっては非日常を経験する機会にもなります。地域の人が集まることで、地元の活性化にもつながります。

このプロジェクトでは、学校の関与も重要になります。近年では地域課題の解決を課程に盛り込む高校もあるとのことで、そうした授業の一環として「移動式カフェ」のプロジェクトを行うことで、学校にとってもより地域に寄り添って活動することになります。高校生にとっては、地域のことを知り、職業を体験する機会にもなります。

「移動カフェ」の展開にあたっては、このプログラムを「ブランド」として行っていくことで、神戸市だけでなく、他の地域へも広げていくことが可能だと考えているとのことです。

フィードバック
「移動式カフェ」の提案に対しては、地域によって条件が異なるので高校生が地域に何が必要か自分で考えることができるといい、移動式カフェも高校生たちが自分たちの味付けができるツールだといい、どこかの地域でモデルケースができるといい、年に1回、街区公園に集まっていた高校生たちが集まってフェスをする、売上をどうするか、どう伸ばす、どう回すまでを高校生で考られるといい、公園の近くに高校がない場合はどう地域にはたらきかけるのか、といった意見が寄せられました。



4チームの提案とも、自分たちの想定するターゲットに即して、どうしたら公園が活用されるのか、よく考えられたものでした。人を集める手段、集まる場所だけに公園の機能を切り詰めるのではなく、地域に近いという街区公園の特徴を活かして、地域の日常やそこに住む人たちの暮らしの質を高めたり、より豊かにしたりするような「インフラ・ストラクチャー」として、公園を重要視しているという点が各チームに共通していたようにも思います。

実際に現場でのトライアルが実現できるようにめざしていきますが、どれも実施してみると面白そうなものばかりです。トライアルについては、めどがつきしだい、お知らせいたします。



「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」

これまでの公園ゼミ
+クリエイティブゼミvol.12 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える。
+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 特別版 KIITO×Collective Dialogue「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッション
+クリエイティブゼミvol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
+クリエイティブゼミ vol.23 まちづくり編 公園と地域をつなぐ仕組みを考える。

2018年3月17日(土)

セルフ・ビルド・ワークショップ「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」のおさらい編「端材を使ってなんでも作ろう」を開催しました。
これまで開催してきたセルフ・ビルド・ワークショップで身につけたものづくりのスキルを活かして、自由に自分のほしいものを作ってもらおう!という内容です。
これまでのワークショップでは、講師が大枠を設計した課題を元に、参加者のアイデアを取り入れて家具/建築を制作してきましたが、今回は課題はありません。素材に使うのは、センターに蓄積される、ワークショップやイベントの開催によって生まれたさまざまな残材・端材です。作り方は、セルフ・ビルド・ワークショップでもコーディネーターを務めた川勝真一(RAD)さんと、島田広之さんの2人のインストラクターにアドバイスを受けることができ、セルフ・ビルド・ワークショップ参加経験者だけでなく、内容に興味を持った方はどなたでも参加できるようにしました。


はじめに、過去にセルフビルドワークショップで制作したものや、川勝さんが端材で作ったミニテーブルやマガジンラックのサンプルなどを紹介した後は、さっそく各々での制作スタートです。
端材を一通り見て、使いたいものをピックアップ。作るものを決めてきた人は、イメージに合うものがあるかどうかを手早く見つけていました。特に決めてこなかった人は、ある素材から作れそうなものを考えていたようです。


イメージはあるけどどういうプロセス、材料で作るべきか、想像した素材がなかったけど何で代用しようか、実用に耐える強度を持たせるにはどういう構造が必要か、などなど、作る過程でたくさん判断しなければならないポイントがありますが、適宜インストラクターのアドバイスを受けながら、きっちり完成させていました。みなさんそれぞれの個性やアイデアが光る、オリジナルのプロダクトがたくさん生まれました!

参加者の制作物(一部):
元々スツールの座面だったスノコ状の板を利用して作った、リンゴを入れる箱

プラダン(プラスチックダンボール)を組み合わせて面を作った看板。裏面もかわいらしい。

和箪笥の引き出しだった部分を天板の装飾に活かした踏み台。左端の作りはじめの段階でもうちゃんと使えそうな丁寧な作り。

今回有数の大物、子どものおままごと用キッチンテーブル。ボウルをはめ込める。踏み台と同じ和箪笥の引き出しを活用。

T字脚のスツール。もともと三角形の板材がたくさんあったのを上手に活用。

蝶番不使用の、たためるマガジンラック。模型をあらかじめ作って、構造を確認したうえで制作。


セルフ・ビルド・ワークショップ おさらい編「端材を使ってなんでも作ろう」
開催概要はこちら

神戸スタディーズ#6「"KOBE"を語る―GHQと神戸のまち」を開催しました。

2016年に行った神戸スタディーズ#4「"KOBE"を解す―せめぎあいにみる神戸の都市史」で講師を務めていただいた都市史・社会史研究者の村上しほりさんを再びお迎えして、今回はGHQ占領下の神戸の暮らしを学びながら、当時を過ごした方々のお話を直接聞き、語り合う場を設けました。
戦時下の神戸については、これまで長い時間をかけて解明されてきましたが、戦後、とくにGHQ占領期(1945年9月~1952年4月)の暮らしに関する記憶は十分に語り継がれておらず、いまだ知られていないことが多くあります。村上さんによるレクチャーと、公開ヒアリングの全2回で構成した今回の企画は、村上さんの丹念な調査により見出された記録資料に加え、当時を経験した70~90代のヒアリングゲストが直接語り合う言葉に触れることができる、非常に貴重な機会となりました。

2018年1月13日(土)
第1回レクチャー「GHQと神戸のまち」


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第1回はレクチャー。第2回の公開ヒアリングの場を、より理解できるようにするための準備も兼ねたものです。「資料からみるGHQ占領期のくらし」「占領下神戸のまちとくらし―闇市の展開とGHQの影響」の2つのパートに分け、そもそも「GHQ占領期」とは、という基本から、戦時中の神戸の空襲罹災状況、GHQ占領期の神戸のまちと暮らしについて、当時の日本における神戸の位置づけなどを、豊富なスライドを交えて分かりやすく解説していただきました。
神戸は1945年上半期に128回もの空襲があり、1945年3月17日と6月5日の空襲は特に大きなもので、市街地の6割以上が罹災しました。「神戸市戦災焼失区域図」を参照すると、いかに広い範囲で罹災していたかがわかります。第2回の公開ヒアリングでも空襲の記憶は多く語られました。また、カラフルな屋根の色が目を引く六甲ハイツのカラー写真や、GHQによる「KOBE BASE」パレードの写真など、貴重な写真の数々は特に印象的でした。

2018年1月27日(土)
第2回公開ヒアリング


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第2回は、占領期を神戸で過ごした記憶のある方7組にゲストとしてお越しいただき、村上さん司会のもと、「空襲から終戦~住まいや学校の思い出」「生産/消費」「“進駐軍”」と3つのテーマに分けて、当時のお話をお聞きしました。
お越しいただいた方々は、現在77歳~90歳/終戦時5歳~18歳、男性4名/女性3名。もちろんそれぞれで体験も記憶も異なり、さまざまな視点からの占領期の姿が浮かび上がってきます。
ゲストのお一人で、「これまで占領期の思い出は人に話したことがなかった」とおっしゃる方もいましたが、こうして語ってもらい、空襲、終戦、戦後と一体に語り継ぐことが重要だと村上さんは話してくださいました。


現在のまちには、占領されていた時代があった痕跡が残っておらず、日常を過ごしているなかで、当時について考えてみる機会はほとんどないでしょう。そのようななか今回は、占領期の資料や当事者の記憶をたどることで、神戸のまちとその時代を経験した人々の姿を思い描くきっかけを得ることができました。
各回の詳しい内容は、記録冊子にまとめて発行いたします。また、占領期に関するリサーチについては継続して行っていきたいと考えていますので、今後もご期待ください。


神戸スタディーズ#6「"KOBE"を語る―GHQと神戸のまち」
開催概要はこちら

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KIITOが年4回発行する情報誌「KIITO NEWSLETTER」の最新号Vol.20が完成しました。

今号は2015年から継続して開催する「ものづくりワークショップ」を特集。
このワークショップは、ただつくるだけでなく、普段何気なく使っているものの価値を再確認する試みです。
ワークショップの発起人や参加者の声を拾いながら、さらにたくさん質問も投げかけて、
ものをつくることに熱中する人たちの奥深くまでのぞいてみました!


KIITO内や、全国の文化施設・教育機関などに順次配布していきます。ぜひ手に取ってみてください。PDF版も下記リンクからご覧いただけます。

KIITO NEWSLETTER
バックナンバーを含めたPDF版はこちら

「オープンKIITO 2018」に”パンじぃ”の2チーム(1期、2期)が出店しました。それぞれが得意のパンを前半後半に分かれて販売しました。パンじぃ1期は「チーズたっぷりブリオッシュ」、パンじぃ2期は「ソフトフランス チョコレモン」。

 
前日から生地を仕込むチームもあり、早くから“パンじぃ”は準備を進めました。販売開始前には、オーブンからはチーズの焼ける香ばしい匂いが漂い、いい宣伝効果に。匂いに誘われて、販売開始前からブース前には10数名の行列が…。“パンじぃ”も驚き、「焼いていますので、もうしばらくお待ちください!」と呼びかけました。

 
販売数が限られているので、整理券を配りました。あっという間に焼き立ての「チーズたっぷりブリオッシュ」は売切れてしまいました。パンじぃは自分の作ったパンの出来が心配で、お客さんに「どうですか?」と聞きまわる姿も。皆さんに喜んでもらえたようです。

後半のメンバーも最後の焼成にかかります。メニューは「ソフトフランス チョコレモン」。オーブンからのチョコレートの甘い香りがたまりません。前半の行列の様子を見てか、後半も販売前から長い列ができていました。おやつにちょうどいいメニューで、こちらもすぐに完売となりました。

 
普段と異なる環境でのパン作りということもあり、少し戸惑いながらでしたが、たくさんのお客さんに喜んでもらうことができ、メンバーは自信をつけたようでした。今後の“パンじぃ”の活躍も楽しみです。

撮影:大塚杏子

オープンKIITO 2018
パンじぃ

去る3月13日(火)に、「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」(公園ゼミ)の第3回目が開催されました。

今回は前回に引き続き、チームごとでのグループワークを行いました。前回のグループワークでは、各自が行ったリサーチを報告しあって、アイデアを出しながら、共通点や似通っている問題意識を見つけ出す作業を行いました。今回は次回の発表に向けて、具体的な提案を練り上げていきます。たくさん出てきたアイデアや、その中で共通している問題意識をしぼりこみ、ターゲットが公園に対して求めていること、それに対して公園でできることを考えて、アクションプランを作っていきます。

今回も、グループワークの途中で、各グループの進捗状況を報告してもらいました。各チームが見つけた公園に対するニーズや、公園でのアクションを紹介していきます。

「社会人」
「社会人」チームは前回、ターゲットを「20代」にしぼって、ニーズを取り上げてきました。その中で、仕事以外のことができる時間・空間という点から、何ができれば良いかを考えてきました。ゆっくり昼寝ができたり、運動ができたり、癒やされたりというところに着目して、公園中に家にいるような時間をすごせる施設を設けて、そこを活用してもらうようなことがことができないかを模索しています。狭い空間で暮らしている若い人に対して、広々としたリビングを提供するということを、公園でどんな形で具体化できるか、仕組みに落とし込めるかという点が、次回の提案に向けての課題です。

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「高齢者」
「高齢者」チームは、自治体から公園への働きかけが少ないこと、「高齢者男性」が公園を使っていないという点から、提案を考えてます。料理を通じて、高齢者男性隠れたスキルを引き出したり、それを楽しむことが災害時の炊き出しに活かされたりする仕組みを作れないか、あるいは、公園で将棋を楽しむ人がいるように、それを子どもにも広げたり、そこから交流が生まれたりする仕組みを作ることができないか、提案を練っています。

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「ファミリー」
アイデアがたくさん出ているという「ファミリー」チーム。たくさんのアイデアが出る中で共通している問題が、街区公園が地域や居住地に近いために、どうしても公園で何かするというところまで至らないのでは、ということです。そこで、公園の遊び方を集積したカタログや、それを気軽に見ることができるサイトを設けて、公園を活用しやすくするアイデアを提示するという案を検討しています。さらに、サイトだけでなく、身近な公園が、新しい遊び方を実現したり、そうした遊び方が集まったりするようなサイクルを生み出せないか、考えています。

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「高校・大学生」
「高校・大学生」チームは、前回のグループワークから「高校生」をターゲットにしぼって提案を考えています。今回のグループワークでは、個人に働きかけるよりも、学校を通じて、何かができないかと模索しています。そうした時に、高校生が公園に足を運ぶような内容はないかと考えて、オシャレさからアプローチすることと、職業体験をすることからアプローチすることと、2つの観点から色々なアイデアが出ています。

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どのチームも、ターゲットとする利用者が何を求めているのか、それを公園とどうやったら合致できるか、真剣に議論を重ねて、アクションを作ろうとする光景が印象的でした。

次回はゼミの最終回です。各チームごとのプレゼンテーションを行い、さらにチームの枠をこえて、提案を磨いていく作業を行う予定です。どのチームも、それぞれのスタイルで、どうやったら公園を面白くできるか、議論が白熱してきています。はたして、どんな熱い提案が飛び出るのでしょうか。


「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」

これまでの公園ゼミ
+クリエイティブゼミvol.12 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える。
+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 特別版 KIITO×Collective Dialogue「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッション
+クリエイティブゼミvol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
+クリエイティブゼミ vol.23 まちづくり編 公園と地域をつなぐ仕組みを考える。

3月6日(火)

去る3月6日(火)に、「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」(公園ゼミ)の第2回目が開催されました。第1回目では自己紹介とレクチャー、グループ分けが行われ、今回は公園の利用者層に応じて、「高校・大学生」、「社会人」、「ファミリー」、「高齢者」という4つのグループが成立しました。前回からの2週間の期間で、それぞれのグループが、テーマに応じたリサーチを行ってきました。この2週間のうちに、リサーチ状況を確認するため、自主的にメンバーどうしが集まったグループもあったようです。

第2回目では、チームごとでグループワークを行います。グループワークでは、リサーチの内容や、リサーチして見つけたことや気づいたことを出し合い、たくさんのアイデアの中の共通点を見つけ出し、チームとしての課題を設定することを目指します。最初の1時間は、お互いのリサーチの結果をどんどん出し合う場面が続きます。机の上には様々なキーワードが書かれた色とりどりの付箋がならんでいきます。

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たくさんのキーワードが出て、どのグループも共通点を見つけ出そうかというところで、今回は一旦、各チームのグループワークの状況を発表してもらうことになりました。以下、順番に各チームのリサーチ状況を紹介していきます。


「高校・大学生」
「高校・大学生」チームは、最初は大まかに、中・高・大学生を対象にしていたのですが、この中で、どの層が一番公園を利用していないかと考えて、高校生が一番公園に利用していないという想定で、今回のグループワークを進めることになりました。

このチームが投げかけた疑問は、「公園に行っていないとしたら、高校生にとって何がトレンドだったり、ハマっていたりするのか」。その疑問に対して、チーム内では、メインの情報源や遊びのツールはSNSが大部分なのではないか、その中で、バイトのことで盛り上がったり、ドラマやマンガといったメディアを楽しんでいるのではないか、という意見がでたとのことでした。

意見を出し合う中で、このチームが見出したポイントが、「公園は高校生にとって、むしろ非日常的なものなのではないか」ということでした。それにな対して、行くことじたいが特別に感じるようなことはないか、SNSで色々な話を交わしているとしたら、実際に何かを公園でしてもらえるようにするにはどうすればよいか、という観点で議論が進んでいるようです。

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「ファミリー」
「ファミリー」チームは、この日のグループワークでも、たくさんのアイデアが出て、議論も盛り上がっていました。一方で、たくさん出るのはいいが、1つのアイデアにこだわりすぎないようにと意識したとのことでした。「やりたい」にとらわれず、アイデアの形が変わったり、他とつながったりすることを重視した結果、「音楽」、「スポーツ」、「食べる」といったキーワードが新たに出てきたそうです。

次に、「ファミリー」という観点から公園を考えたときの「水の人」は誰かなのかと問いを立てて、「保護者」や「親」チームのターゲットとして想定することになりました。「保護者」が公園にやってくる状況を考えてみると、仕事帰りであったり、時々ふらっと寄ったりと、ヘビーユーザーとは異なる利用をしていることが多いようです。そうしたヘビーユーザーではない人が少しずつ周りを巻き込みながら公園に近づけるようすること、何かをみんなで作る機会を設けたり、一緒に遊んだりする機会を設けたり、そういった方向で提案を組み立て始めているとのことでした。

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「高齢者」
「高齢者」チームは、高齢者の多くが健康に意識が高いというところに着目しているそうです。一方で、高齢者が公園に行く動機を考ると、ちょっと散歩のために家から出て立ち寄ったり、ゆっくりするなど、何かをするところとは思われていないのでは、ということを問題として感じているとのことでした。

そこで、簡単にできる体を動かす機会を提供するということを考えているそうで、ヨガや太極拳、あるいは、難しくなく、誰でも最初の差がなく始められるニュースポーツなどが、内容としてあがっていました。

実現する手段としては、街区公園に関わっている自治会にアプローチして、共同で何かを催すという方法を検討しているそうで、できることをまとめたカタログを作成して、それをもとに自治会に提案をする、という意見も出ていました。カタログに盛り込む案として「究極の炊き出し」や「子どもと高齢者の将棋」などが、具体的に話し合われたようです。

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「社会人」

「社会人」チームはリサーチを始めるにあたって、「社会人」の範囲があまりに広すぎることに最初は困ったそうです。「社会人」は働いている人全てを包含しているような言葉です。そこで、まず対象を一気にしぼることからグループワークがスタートしました。メンバーのうちの1名が20代だったことから、「社会人」チームは20代の男女をターゲットにしたそうです。

ご本人にとっては、自分自身が公園に行っていない、忙しいしなかなか行けない。機会は日曜の休みくらいだけど、何かするという感じではないし、では自分でも行ける、行きたくなるにはどうしたらいいか、というふうに、実際の経験から、実態と問題意識を見つけ出していったとのことです。

20代の社会人が求めていることを考えたときに、キャリアアップや自身の成長できる機会がほしい、一方で、忙しいときの憩いの場がほしい、また、夜遅いので、遅くに行っても不審者がられない公園があれば、という意見が出たそうです。

また、朝が食べられない人に向けた「朝食会」や、昼、車の中で休んでいる人が多いので、そうした人たちが休める「ドライブスルー公園」など、具体的な企画も出てきているとのことでした。

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報告の後も、盛んに議論が行われていました。上記のように、チーム内で出された意見を通じて、各チームが自分たちの課題や企画のきっかけをつかみつつあるようです。

次回、第3回もグループワークの時間となります。それぞれのチームの課題に対して、実際に何ができるかを検討していくことになります。どんな提案が出てくるか、次回のゼミも面白くなりそうです。


「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」

これまでの公園ゼミ
+クリエイティブゼミvol.12 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える。
+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 特別版 KIITO×Collective Dialogue「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッション
+クリエイティブゼミvol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
+クリエイティブゼミ vol.23 まちづくり編 公園と地域をつなぐ仕組みを考える。

2018年2月17日(土)、18日(日)

セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」第3回を開催しました。


第3回目のゲスト講師は、過去のセルフ・ビルド・ワークショップでも講師を務めていただいたことがある、NO ARCHITECTSの西山広志さんです。

冒頭のミニレクチャーは、「あそび」をベースに組み立ててくれたとのこと。
具体的な事例紹介の前に、「手を加える前の何にもない状態を想像して聞いてほしい。空間に対して手の加えた範囲は、少しだけのものも、大胆なものもある。大きな空間に対してほんの小さなものだったとしても、もともとは何にもなかった状態の空間に対して、全体を想定しながらものを作れば、全体を作ったことになる。そういう考え方で今日は見てもらえたら。」とのコメントがありました。


最初は、「久々にデータを掘り返した」という、2年間くらいかけて、大学院の修了制作で行ったツリーハウスプロジェクトの紹介です。
西山さんの母校・神戸芸術工科大学は、もともと山で、切り開いてニュータウンにしたエリアにあり、キャンパス内にも、設計の時点で計画され、一部残されているもともとの森がある。その残存林が好きで、山を研究するところからスタート。山の中の木の種類を調べ、どの木にツリーハウスを作るかを決め、次に木の上の空間、周辺の植生環境をリサーチ。山の入口を定めて、看板を立てて、活動をあげたブログのリンクを書き、腐った木を掃除して、ツリーハウスまでの道を整備する、周りの環境を整えて、行きやすくする。ダンボールでモックアップの床を作り、モックアップを載せては外して工房に持って帰ってを繰り返し。ずっと載せておくと、木はそれに反発して上に幹を伸ばそうとするので、かなり木に負荷をかけるということが制作の過程でわかり、そこに設置するというよりは毎日持っていくものにしたとのこと。屋根をかけて完成。山自体の環境も整って、木の上の空間を体感できる。小さい計画だけど、山全体を変えていることになっている。


次は現在に飛び、空き家が増えてきていた大阪市此花区梅香四貫島で事務所・自宅を構えて、少しずつ改修しながらまち全体のライフスタイルをつくるような活動をしているお話に。その地域の地主さんの思いから始まった「此花アーツファーム構想」からできたつながりから事務所をそこに移すことになり、此花のギャラリー、カフェ、シェアハウスなどの改修を手掛けている。ほとんどはまるまる改修ではなく、一部だけ。「モトタバコヤ」は、角地に立っている物件の、手前の狭い一部屋+看板だけを改修。手を入れた範囲は一部だが、角地だからまちを背負っているようで、地域全体の見え方も変わる。これらは職人さんに発注して終わり、ではなくてみんなで作ることに意味がある。どういう仕組みを作ればみんなで作れるかを考えながら設計する。お店自体にも極力たくさんの人が関われるようにしているとのこと。
今では自宅も此花に移しているし、空地活用のプロジェクトなどもしている。1個1個は小さい手の施しだが、小さなエリアの中に増やしていきながら、まち全体の暮らし方を提案していくような活動。まち自体も全部つくるのはすごい大変だけど、小さい点を打つだけでもまちはすごく変わる。
今回のワークショップではそれを体感できるものとして設計してくれたとのこと。

そのほか、展示や、イベントの会場構成、美術館でのワークショップ、KIITO内の什器制作など、多岐にわたる事例を紹介いただき、最後に「今日、頭に置いておいてほしいこと」としてのまとめです。
・みんなのものをみんなで作る仕組みを考える:みんなで使うものは極力みんなで作る仕組みを作ったほうがみんなで使いやすい。面倒くさいことでもあるが、そのほうが結果長く使われることが多いので、計画段階からそういう仕組みを考えたほうがよい。
・もともとあるものを最大限肯定して利用する:元々ある状況を否定するような提案は、もともと使っていた人のそこに流れてきた時間みたいなものを全部否定してしまうことになる。できるだけ良さを肯定的にとらえて利用することが大事。
・小さなものを考える時も、大きな視点で考える:人の目線は通常のスケール感覚で考えることができるが、さらに猫の目線~下から見上げることに近いが、どんどん走りまわって、上に乗ってみるとか、ふだんの使い方ではないこと~、を意識する、さらに、鳥の目線で上から俯瞰で見ること。3つくらいの視点で考えて設計すれば、いろんな人にとって使いやすかったり愛してもらえるものになる。

続いて、課題の発表です。今回作るものは「空間を仕切る装置」、簡単に言うと屏風。設置予定場所にすでにある楕円のテーブルに刃向かわず、ならったかたちで、と西山さんが考えた基本の設計案をもとに、楕円の大きさ、組み合わせ、配色、金具をつける位置などを参加者が考えていきます。


設置予定場所の現場チェックをして、西山さん作成の図面を見つつ、人・猫・鳥の目線/なかった状態、ある状態/置かれる場所、使われる場面を想像して、デザインを考えます。他にも、決められた板の枚数の範囲内で作る/色は指定の3色を全部使い、それぞれの色が占めるバランスも決められた範囲内で考える/丁番は金銀2種類を決められた数の中で配置する、などいろいろなルールが設定されており、参加者の頭を悩ませます。


随時、アドバイスを西山さんやコーディネーターの川勝真一(RAD)さんから受けつつ、なんとか組み合わせや配色をチームごとに決定します。アドバイスは、設置予定場所は主に仕事の打合せで使われる場所なので、ポップになりすぎないようにとか、もともとが比較的無機質な空間なので、そこに調和するように、といった、個性を爆発させる方向よりは、調和と個性の両立を目指していくような考え方であるのが「建築家ならでは」のように感じました。


デザインや材料の取り方が決まったら、下書きをした上で木材をおおまかに丸ノコでカットし、その後ジグソーで丸くする部分をカット。カットした小口にやすり掛けして滑らかに。やすりは4回!丁寧にかけます。滑らかにしたら塗装。木地の色を残す部分は、ワックスを塗布。小口の塗装は刷毛、面の塗装はローラー、ワックスはふきんで拭き取るように。
塗料が十分乾燥するまで待って、その後はそれぞれを金具でつなぐ作業です。使う金具は丁番、合釘、かすがい。どこに何本必要かという構造的な検討と、見た目の検討の両方が必要です。


丁番を付けてみたら、表裏が逆だった!といったんはずして付け直す場面もありましたが、時間内で、統一性を感じつつも、3チームそれぞれ個性があるものができあがりました。


板材の背が高いところと低いところがあることで、仕切った向こうが見え隠れするようになり、向こうで人の姿がちらりと見えるのもかわいらしいし、仕切った向こう側でお茶やミーティングをする人にとっても、囲って閉塞感が出る感じもなく、見えすぎて気が散ってしまうということもなく、良いバランスを保ちつつ空間を分けてくれる機能を持った装置になっているようです。

設置予定の4Fプロジェクトスペース4Cに3つとも設置して、最後に全参加者から、ひとこと感想を言ってもらいました。「安い材料なのにこれだけ空間が変わるんだと勉強になった」「課題の作り方がすごい。制約が大きくて、ざっくりしてると思ったけど、なんとなく統制がとれたものできあがるのがすごい」「工具はある程度知っていたが、丁番、釘といった細かい道具のセレクトが、手に入れやすそうだけど知らなかったもので、勉強になった」などといったコメントが聞かれました。
西山さんからも「今回の参加者は意気込みが強くて、丁寧な作りで完成度が高いものができている、想像以上に良いものが生まれている。みなさんの成果です!」と太鼓判をいただきました。

今回で全3回の「あそび」をキーワードにしたセルフ・ビルド・ワークショップはいったん終了です。3つの成果物はKIITOの4階に設置しています。お出かけの際はぜひご覧ください!


セルフ・ビルド・ワークショップ 「あそび」のための「大きな家具/小さな建築」
開催概要はこちら

2月13日(火)

去る2月13日(火)より、「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」(公園ゼミ)が始まりました。「公園ゼミ」は2014年度から毎年開講されており、今年度で4年目を迎えます。

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公園で何も起こらない、利用されないのはどうしてなのか、何が必要なのか、という問いかけから「公園ゼミ」は始まりました。どういう公園が必要かという問題意識のもと、公園のあり方を考えた1年目。公園を通じて高齢化社会にどう対応するかを模索した2年目。3年目は、それまで出されてきた多くのアイデアが実際に公園で継続して実施されるにはどうすればよいかについて考え、提案を行いました。

4年目の「公園ゼミ」では、特定の公園を対象とせず、住宅地の中の「街区公園」が近隣住民に積極的に利用され、交流の場となるようなプログラムを考えていきます。

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今回は、受講者は宿題として、自身の公園の思い出、公園での印象的な光景、好きな公園について、画像を1枚準備しています。ゼミの開講にあたって、まず、この画像を題材にして、受講者に自己紹介をしていただきました。立地や規模、時間帯、利用者層など、受講者それぞれの視点から、公園の光景や思い出が取り上げられます。近隣にある公園やトレッキングの先にある眺望の良い公園、子どもたちの遊び場になっている公園、公園それぞれで異なる遊具や設備、催しで賑わっている様子など、公園ついてアイデアを出していく手がかりが見えてきます。

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自己紹介のあと、ゼミの開講にあたってのレクチャーが行われした。これまで高齢化やまちづく、防災など、さまざまなテーマで「+クリエイティブゼミ」が開講されてきました。その趣旨や、これまでのリサーチや提案の事例がゼミの最初に紹介されます。ゼミでは一時的な盛り上がりや集客ではなく、地域で有意義な活動が継続していく土壌を作り上げる「豊穣化」を目指すこと、「土」、「水」、「風」という言葉が、そのためのキーワードとして紹介されます。今回、ゼミの受講生は公園に良い「種(アイデア)」をもたらす「風」になることを目指します。

リサーチの例としては、講座名にもあがっているピザ窯の事例が取り上げられました。良い提案を出すためには、アンテナを広げてたくさんのヒントを収集すること、グループのメンバーどうしでアイデアを出し合い、公園に求められていることと照らし合わせながら、具体的な提案を練っていく過程が重要になります。それぞれのグループに別れたあとも、講師からリサーチの重要性が強調される場面が見られました。

レクチャーのあとはグループ分けを行います。今回は、幼児、小学生、高校生、社会人、ファミリーなど様々な利用者層に応じたグループ案が提示されました。受講者は関心のあるところに参加を表明して、グループが成立していきます。今回は次の4つのグループが成立しました。


・「高校・大学生」
・「社会人」
・「ファミリー」
・「高齢者」



それぞれのグループは次回のゼミに向けて、リサーチとアイデアを出して行くことになります。次回、どんな面白いリサーチやアイデアが現れるのでしょうか。

今回の公園ゼミは、実際の公園の現場で、トライアルを行うことも目指しています。どんな面白いアイデアがみなさんの前に披露されるか、楽しみですね。


「+クリエイティブゼミ vol.27 まちづくり(公園)編 「仮設のピザ窯に続く、まちの公園をみんなの場所にするためのプログラムを考える」」

これまでの公園ゼミ
+クリエイティブゼミvol.12 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える。
+クリエイティブゼミ vol.12 まちづくり編 特別版 KIITO×Collective Dialogue「これからの公園のプロトタイプを試行する」公開セッション
+クリエイティブゼミvol.18 まちづくり編 これからの公園のあり方について考える part.2「公園×健康」
+クリエイティブゼミ vol.23 まちづくり編 公園と地域をつなぐ仕組みを考える。

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