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2017/10/18

イベントレポート

つながる食の連続トーク「不便から生まれるコミュニケーショントーク」

2017年10月13日(金)

「つながる食のデザイン展」での展示「不便から生まれるコミュニケーション」に関連して、トークイベントを開催しました。

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「不便から生まれるコミュニケーション」 撮影:片山俊樹

「不便から生まれるコミュニケーション」は、北野に店を構えるブーランジェリーサ・マーシュの店内を舞台に、Inconvenience(不便)=Communication(コミュニケーション)をキーワードに掲げ、売り場でのコミュニケーションのあり方を実験する様子を撮影した写真の展示した作品です。

サ・マーシュでは、販売スタッフがコミュニケーションをとり、今日おすすめや焼き立て、○○に合う…など、お客様が求めている商品を丁寧にヒアリングし、ご購入いただく仕組みになっています。店内にはお客様が使えるトレーとトングは無く、パンを勝手に選びお会計をすることはできません。一見手間がかかり不便にも見えますが、この仕組みがあることで、自分自身だけの選択では出会えなかった商品との出会いや、発見を生むことができます。

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今回の試みでは、このサ・マーシュの商品棚のパンを取り払い、コンビニ商品を並べました。コンビニの商品のパッケージには、商品のほとんどの情報が記載されていて、販売スタッフとのコミュニケーションの必要性がほとんどありません。それをあえてサ・マーシュの棚に並べ、販売スタッフが商品の説明をしているような演出をして撮影をすることで、便利さを求めるあまりにそぎ落とされてしまっているコミュニケーションの重要性や、そこに生まれる付加価値について思考するための実験を行いました。

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シェフの西川さんは、この日のトークのために、売り手と買い手のコミュニケーションを要する「面倒くさいパン」を用意してくださいました。パンを「むく」「取り出す」「包む」など、様々な工程をふまないと味わえないつくりのパン。西川さんの説明がないと、正しい食べ方はわかりません。コミュニケーションがあるからこそ、商品をより楽しめるということを参加者のみなさんと体験しました。

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展示の企画を担当いただいた今津さん、北川さんには、この展示で表現したいこと、また見た人に感じてもらいたいことについて、丁寧にお話をいただきました。最も重要なのは、「売り場でのコミュニケーション」についての価値観は人それぞれであるということ。当然コミュニケーションに必要性を感じない人もいます。お2人は、そんなそれぞれの価値観をリサーチしてみたいと、売り場でのコミュニケーションや、そこから得られる価値や知識について、参加者のみなさんとのディスカッションを提案しました。
それぞれにちがう「売り場でのコミュニケーション」の捉え方を共有することで、人の意見に納得してもしなくても、自分自身の実生活での消費の仕方に、何か変化をもたらすきっかけになったのではないかと思います。

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