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2013/11/6

イベントレポート

アートによる心のケア“heARTS”(ヒアーツ) 担い手養成ワークショップ レポート

2013年10月5日(土)

アート制作を通して、虐待や自然災害で受けたトラウマに向き合い、生きる力を引き出す取り組みを続けるアルマ・キントさん。彼女の手法を学び実践するワークショップを行いました。1日目は、これまで数多くの国やコミュニティで行なわれてきたワークショップを体験しました。”heARTS”とは、「healing through the ARTS」の略で、アルマさんが提唱する、アートを通じたトラウマヒーリングのトレーニングワークショップの手法です。

 

1:ゲームその1

最初に参加者全員でゲームをしました。その名も「BAHAY BATA BAGYO」(バハイ バタ バヨ)。「家 子ども 洪水」を意味し、家をつくる役2人とその中に入る子ども役1人の合計3人のグループに分かれます。鬼が「BAHAY(家)!」と言えば、家役の2人が解体し中に入れる子ども役を探さねばなりません。この時、仲間はずれになった人が次の鬼となります。
鬼が「BATA(子ども)!」と言えば、子ども役は今居る家を出て違う家を探さなければなりません。「BAGYO(洪水)!」と言われたときは、家役も子ども役も全員がバラバラになり3人グループの仲間を探さねばなりません。椅子取りゲームのようですね。
アルマさんのワークショップでは、一つのことを終えたらみんなで輪になって思ったことを話し合います。ゲームでおもいっきり楽しみ、感情を開放し、その後にシェアをする。このプロセスをアルマさんは重視します。

 

2:ゲームその2

もうひとつゲームをしました。まず3グループに分かれ、それぞれ1列に並びます。次にアルマさんがお題を出すので、その順番に並び直します。「髪の短い人から長い人」「服の色が薄い人から濃い人」「靴のサイズが小さい人から大きい人」など。一番早く、正しく並び終わったチームが1ポイントゲット!早く並ぶにはチームメンバー同士の連携が不可欠!かなり盛り上がる楽しいゲームです。
ゲームの最後には、一位のチームの足の下を最下位チームがくぐるという罰ゲームが!盛り上がりは最高潮で、みんなすっかり打ち解けました。

 

3:Dot Connect

参加者の気持ちがすっかりほぐれ、いよいよワークが始まります。まずは「Dot Connect(ドット コネクト)」。
はじめに画用紙に何も考えず点を打ちます。次に、点同士を繋ぎその人自身を表す絵を描き、色を塗ります。このプロセスを踏むのは、絵を描き慣れていない人でも描くことができるからです。完成したら、参加者同士で互いの絵を紹介し合います。

 

4:Power Cards for Exchange

次のワークは「Power Cards(パワーカード)」。自身の力の源や大切にしていることを表現するカードを、紙のコラージュにより制作します。14センチ角の小さな紙ですが、人によって本当に様々な作品に仕上がりました。

 

パワーカードが仕上がったらみんなで輪になり、一人ずつ順番に自身のパワーカードの紹介をし、他の参加者へプレゼントします。自身のパワーを他の人に分け与える行為となります。

 

5:Stitching our Collective Vision

最後に大きな作品に取り組みます。6つのグループに分かれ、ハギレをパッチワークのように使い、共同作業で一つの大きな旗を作成します。これまでの制作の集大成として、参加者のパワーが集まった豊かな作品となりました。作品はEARTH MANUAL PROJECT展会場のアルマさんの作品に取り付けられ、アルマさんと参加者のコラボレーションが出来上がりました。

参加者のみなさんからは「楽しくてあっという間に時間が過ぎていった」「参加者の気持ちを開放させる手法が勉強になった」などの感想をいただき、個々人が持つ生きるパワーを引き出す手法を身をもって体験いただけました。明日は、学んだことを活かしてファシリテーションに挑戦します!

 

 

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10月6日(日)のレポートはこちら

(撮影 1~4:片山俊樹/4の4枚目、5:ペータ)