実施団体について

老五老基金会

障害障碍を持つ高齢者やひとり暮らしをする高齢者向けのサービス、および高齢者の健康づくりを支援する活動を行っているのが、老五老基金会です。高齢者にも取り組みやすい農業を追求した「哈老農場」と、農場で穫れた食材を提供するレストラン「哈老老五老食堂」やカフェ「OLD YES!」の運営。さらに、、食堂へ来れない高齢者へはさらに、ひとり暮らしの高齢者へ向けた宅配食事サービスなども行っていますも運営しています。

実施までの流れ

楽しく育てて、
おいしく食べる。
それが、いちばん身体いいこと。

老五老基金会の運営する哈老農場は、高齢者が輝ける農場として誕生しました。天然肥料だけを使用した、自然農法。高齢者が腰をかがめなくてもいいよう、高い位置に畑を設置高架化された栽培地。農法手順も簡潔なもので、誰でも取り組みやすく農業に従事できることが意識されました。

高齢者のみなさんには、農場でのボランティアをしていただく代わりに、老五老食堂での食事を提供しています。素材は農場で穫れたものであり、メニューはもちろん、専門の栄養士が高齢者の身体を考えて考案した特別なもの。自分たちで育てたものを、より身体にいい状態で楽しめるようになりました。

食堂での食事提供に加えて、このプロジェクトでは、ひとり暮らしの高齢者へ宅配食事サービスも行っています。高齢者に必要な栄養価を考えられたメニューと、宅配中にこぼれることのないよう専用に設計されたお弁当箱。高齢者のみなさんから「食べたい!」と思ってもらえるこだわりにはいくつもの試行錯誤があります。自分たちで育てた自然の恵みを、自分たちでよりよく食べる。それが、高齢者の身体づくりにも大きく寄与しているのです。

実施のポイント

point1

サービス考案は、
ニーズの徹底追及から。

哈老食堂や宅配サービスでの食事提供は、徹底して高齢者のニーズへ寄り添って品質改善を意識し続けています。食事の油分・塩分に気をつけた健康的なメニューを考案すること。できあがったものをお弁当をお届けし、食事の準備時に発生する高齢者の事故リスクを低減すること。あるいは、配達中の揺れで食事がこぼれてしまうのを防ぐため、あたたかいまま食卓まで運べるように、オリジナル設計の保温弁当箱お弁当箱も用意しました。

point2

無理なく、学びは大きく。

哈老農場には、高齢者にとって優しい農業環境を提供するという大きな目的がありました。水耕栽培も土壌栽培も腰をかがめない高架化することで高い位置で、立ったままの仕事を可能に。手順も簡単で、できる限り自動化。ここは高齢者にとって、無理なく、学びを得られる場所なのです。

point3

やさしい素材で、やさしい食事。

哈老農場の農作物は、農薬を一切使っていないものです。それらを素材に、栄養バランスを考えられた、高齢者のための食事。農業や食材を中心に、高齢者の食事と身体づくりについて考えています。

関係者の声

游麗裡さん

游麗裡さん

老五老基金会執行長

この農場の設立は基金会設立の目的である、アクティブエイジングの考えに基づいています。高齢者も安定的に社会参加していける未来をつくっていきたいですね。

呉栄妹さん

呉栄妹さん

老五老基金会ボランティア

小さい頃から家の農業を手伝ってきたので、慣れたものです。農業って、楽しい!みんなで助け合いながら、楽しめていると思います。

洪蓮珠さん

洪蓮珠さん

老五老基金会ボランティア

65歳でリタイアして以降、毎日はとても退屈でした。しかしこのボランティアを始めてからは、自分の野菜たちが育っていくのが楽しみで。お弁当の配達は身体を動かすので、健康にもいいですね。

陳奕谷さん

陳奕谷さん

老五老基金会ボランティア

もうここで7年もボランティアをしています。ただ散歩して日光浴する毎日より、断然面白い日々が過ごせています。引退はありませんね!

翁青聖さん

翁青聖さん

外部からの注文受付責任者

農場や食堂、宅配、それぞれのサービスに従事している高齢者の皆さんは、とても熱心。その姿を見て、「うちもお願いしたい」と宅配サービスを申し込むコミュニティも増えています。

劉順明さん

劉順明さん

宅配食事サービス利用者

以前の私は、高血圧・高血糖・高脂血。しかし、ここの食事をするようになってから、健康診断での結果が改善しました。油分・塩分控えめの食事は嬉しいです。

呉宇年さん

呉宇年さん

宅配食事サービス利用者

高齢ゆえ足が悪く、緑内障も患っている私にとって、宅配食事サービスはとても便利なものです。外出する必要がなく、健康面でもより良いものを摂ることができています。

次への課題

次は、どんな身体づくり?

プロジェクト開始当初は、高齢者人材や経験の活用が主たる目的でした。しかし様々な高齢者の声を聞くうち、彼らが求めているのは、たんなる就業以上に、仕事で身体を動かし健康を保つことなのだということがわかりました。だからプロジェクトは、農業と食事サービスでは終わらない。様々なサービスモデルを模索し、より多くの高齢者へ、アクティブで輝ける場を提供します。

大きな土地で、
もっとみんなで。

最初は、高齢者ボランティアのためにと、小規模で無償の土地提供を受けていた当プロジェクト。動きが活発になるにつれ、プロジェクトに共感した方から土地提供のお申し出をいただくことも増えました。今後は、より大きな規模の農業も行えるように。そうして、より多くの人が参加できるコミュニティへと育てていきます。

ボランティアで終わらない。
利益を生む、農業事業へ。

現在栽培されている野菜のほとんどは、哈老老五老食堂での食事提供に使用されています。食堂の人気ゆえ、食事の提供量に対して、野菜の提供量は少々不足気味なのが課題です。さらに食堂内の消費に留まらず、農作物で経済的な利益を生み出すためには、農業事業価値拡大のための内容見直しを行っています。