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2018/12/27

REPORT

12/2開催 公開シンポジウム「人口減少時代の豊かなくらしを神戸でデザインする」 レポート

去る12月2日(日)、神戸大学医学部会館シスメックスホールにて、公開シンポジウム「人口減少時代の豊かなくらしを神戸でデザインする」(主催:神戸市、デザイン・クリエイティブセンター神戸)が開催されました。

「人口減少」や「高齢化」などの言葉が身近に膾炙するようになりましたが、神戸市でも長期的な人口減少が進むことが予想されており、「神戸市都市空間向上計画」の策定が進められています。一方で、言葉じたいはよく聞くようにはなったものの、実際の生活のレベルでは、何が起こるのか、どういった変化が起こるのか、ひいては生活にどのような影響があるのかについては、なかなか実感が湧きづらいのではないでしょうか。

そこで、都市計画やまちづくりの専門家の方をゲストに迎えて、実際に人口を減った事例をてがかりにして、人口減少によって起こる変化について紹介するとともに、神戸市内で活動を展開する方々をゲストに迎え、人口減少を見すえた新たなライフスタイルへの展望を開くことをめざして、今回の公開シンポジウムが開催されました。

何が起こるのか?
シンポジウムの前半では、東洋大学の野澤千絵教授、大阪市立大学の嘉名光市教授から、人口が減少した実例を参考にして、人口減少によって何が起こるのか、どういった問題が現れるのか、紹介がなされました。

          

野澤教授からは、1950年代から人口減少が進んだアメリカのデトロイトや、日本国内で人口減少の傾向が見られる住宅地を例に取りつつ、公共サービスの維持が困難になり、それがさらに他都市への人口の流出を促進することや、住宅地での空き家が問題になりつつあり、再生や更新を見すえた土地利用が重要との指摘がなされました。

また、嘉名教授からは、まちづくりや都市計画の観点から、「田園都市」や「近隣住区」といった都市計画、持ち家を最終的な「上がり」と捉えたライフコース、「山、海へ行く」と称された住宅政策など、拡大を前提とした都市計画に対して、コンパクトシティの実践を進める都市を例にして、「多用途」な都市機能が身近にあり、まちで暮らすコミュニティや街区のマネジメントを担うアクターの存在が重要になっているとの指摘がなされました。

何ができるのか?
後半では、神戸R不動産ディレクターの小泉寛明氏、NPO法人ママの働き方応援隊理事長の合田三奈子氏、日本生活協同組合連合会生活用品事業本部本部長の本木時久氏に登壇いただき、3氏のそれぞれの現在の活動について紹介をいただきました。

   

小泉氏からは、自身が関わる、灘の高架下のリノベーション、FARMERS MARKET、KITANOMADなどの事業や、都市で農業をする試みなどが紹介され、、使われていない場所、空いている場所に人が集まり、そこから人がつながり、活動が広がりを見せ、地域や活動が活性化していく可能性が示されました。

合田氏からは、新長田でのママの働き方応援隊活動の経験から、子育てを核にして、地域に人が集まる場所がふえつつあり、少子化や高齢化の中で、そうした場所や機会の重要性が高まっている様子が伺えました。

また、本木氏の報告からは、協同組合が本来持っている地域に根ざした助け合う姿勢から、人口が減っていく状況を補う、新たな協同組合の活動のあり方を見ることが出来たように思います。

この後の「Slido」を使った質疑応答では、様々な意見がスクリーンに映し出され、シンポジウムを通じての「人口減少」への関心や、では何ができるのかという、課題を身近に引き寄せていく傾向の高まりが感じられました。

年明けからは、KIITOにおいても、人口減少化について扱うプログラムの開催を予定しています。ご関心をお持ちの方に是非ご参加いただければ幸いです。

公開シンポジウム「人口減少時代の豊かなくらしを神戸でデザインする」の概要はこちら