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2019/7/27

REPORT

Hello New Economy! 『ALL YOURSとOne day Stores & Talk』 レポート

7/13(土)

Hello New Economy! 『ALL YOURSとOne day Stores & Talk』を開催しました。
新しいモノの売り方・買い方・伝え方を行うゲストの方を迎え、一日限定の「Stores」と「Talk」で「あたらしい経済のあり方」について考えるイベントです。また、企画と進行、物販に「Re:Standard =あたらしいふつうを提案する」編集プロダクション「Re:S(りす)」に協力いただき、ゲストの考える経済から「あたらしいふつう」を一緒に紐解いていきます。

第一回目となる今回はALL YOURSの試着販売会とRe:Sによる古本やグッズの販売、元町にお店を構えるCoffee LABO frank…によるコーヒーの販売をStoresにて開催しました。会場となった1FのギャラリーAには様々な商品がならびます。
「着たくないのに、毎日着てしまう」セットアップや「雨や汚れを弾いてくれる」ワンスウィング パーカーなどALL YOURSの様々な商品やRe:Sさんのグッズや古本が広い会場に並びます。



14:00からはトークセッションに入ります。
トークセッションは『クラウドファンディングを使う意味』と題して、Re:Sの藤本智士さんを進行にALLYOURSの代表、木村昌史さんとワシオ株式会社の鷲尾岳さんからお話を伺います。

クラウドファンディングを使う意味
ALLYOURSは新しく商品ができたときに「クラウドファンディング」を使用して商品を販売します。Storesでも販売をしていた「着たくないのに毎日着てしまう」ジャケットとパンツは、アパレルのカテゴリで全国1位を取り、総額で3100万円の支援を受けた商品です。そんな、商品の作り方・売り方を実践する木村さんはクラウドファンディングの魅力をこう話ます。
「最初は、商品の在庫を持つことができないという理由でクラウドファンディングをスタートさせたんです。でも、今はクラウドファンディングを使う意味がだんだん変わってきて、お客さん自身が商品や会社が盛り上げてくれていることを実感できるんです。知っている人がどんどんひろめてくれるんですね。オンラインで売っているからこそ、東京以外でも知ってくれている人もいて。」

もう一人のゲストである、鷲尾さんはワシオ株式会社という肌着をつくる会社の跡継ぎです。中々、新しいお客さんが増えない現状を打破するためクラウドファンディングを使用して、商品を売ることをスタートしました。中でも、世界から「寒い」をなくすパジャマは1000万円以上の支援を受ける商品です。

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藤本さんも2014年に「アルバムのチカラ」出版プロジェクトとしてクラウドファンディングを使用したことがあったとお話を始まます。
「東日本大震災で津波を被った、大量の写真やアルバムを救済するってものだったんですけど、支援いただいたもので出版物をつくるなど、支援いただいたお金でビジネスをすることに少し気が引けたんです。当時はどちらかというと「仲間をつくる」というより「支援」の意味がつよかった気がするんです。」

藤本さんからお2人にクラウドファンディングを使うメリットについて問います。

木村さん
「クラウドファンディングって届けるまで終了しないんですよね。だから強制的にコミュニケーションが生まれるんです。売った・買った以上の関係性が生まれるんです。今日持ってきた水をはじくパーカーも実はそういったコミュニケーションが生まれていて、支援が集まって熊本の工場に資材を搬入した後に地震が起きたんです。それでお届けが4カ月くらい遅れてしまうみたいなことがあったんです。そのことをクラウドファンディング上で正直に書いたら、「出来た段階で届けてくれたらいい」って。買ってくれた人とのコミュニケーションが生まれたんです。そしたら返品もなくて。百貨店とかでは絶対ありえない形だと思ったんです。クラウドファンディングは“先行予約“ではなく”ライフタイムバリュー“。どれほど商品のことを知って、長く使ってもらうかだと思うんですよね。」

鷲尾さん
「もちはだというものがみんなを幸せにする、リターンとしてふさわしいモノという自身がある。ただ伝える方法がなかったからクラウドファンディングを使いました。僕がクラウドファンディングを使う意味は広告として、多くの人に知ってもらう、興味をもってもらうためです。」

それぞれ、MakuakeとCAMPFIREというそれぞれ別のプラットフォームを使用するお2人。サポートの仕方や手数料など、同じクラウドファンディングにも特徴があるとお話をされます。会場にいる参加者に聞いてみたところ、実際にクラウドファンディングでプロジェクトを起こしたという人は1~2名。クラウドファンディングで支援したという人は20名程度でした。まだ新しいシステムであるクラウドファンディング。存在は知っていても実際に触れる機会は少ないことが分かります。

ALLYOURSのモノづくり
『インターネット時代のワークウェア』をコンセプトに商品をつくるALLYOURS。
働き方やライフスタイルが変わってきている現代。売り方だけでなく、作られるモノも昔のままで、何の変化もしていないとお話をされます。
「今の時代普段着で仕事をする人って少なくないじゃないですか。僕たちが目指すのは週7で着れる服。カジュアルだけどしっかりしていて、仕事でも休みの日でもつかえる服。でも、百貨店でもショッピングセンターでも売られているのは、その中の休日2日間で着るための服しか売られていないんですよね。しかもクリーニングとか制限も多くて毎日は着れない。時代にあわせたモノづくりが必要だと思ったんです。」

ALLYOURSの理念を木村さんはこのように続けます。
「僕、リーバイスがすごく好きなんです。「ゴールドラッシュの時代、パンツがすぐに破けてしまうとリーバイスの創業者「リーバイス・ストラウス」は相談を受けます。分厚い生地でつくる、生地が裂けないようリベットで補強するということを思いついたんです。」この思想やデニムの持つ様式美(機能と形の意味)がすごく好きで、当時ブルーワーカーが仕事のために着ていたものが生地が薄くなったりしながら、今の仕様に変化して今も履かれるものになっている。洋服のディティールや構造が好きで時代や生活背景にあわせた、そういった理由を今の時代にも応用しているだけなんです。」

木村さんのお話を受けた上で「クラウドファンディングを使う上で「これが良いもの」という自分のエゴでモノを作っている人は失敗する。いいものであり、世間が必要としているものを提案するべき。」と鷲尾さんも続けます。

世間一般で見ると突飛な商品をつくっているように見えますが、時代に合わせて必要なモノを作っていく。その姿が多くのファンをつけているように感じます。

もちはだのモノづくりとこれからの消費
1000万円以上の支援を受ける商品の「世界から「寒い」をなくすパジャマ」の誕生秘話について、「僕、冬の朝布団から出るの寒いよね。っていうみんなの話にずっと共感できたことがないんです。」と鷲尾さんが話をはじめます。「小さい頃からもちはだを愛用しているからこそ、知らなかったんですけど、世の中にこれで悩んでいる人がこんなにもたくさんいる。もちはだが“ある”のと“ない”のでは、人生が変わると思うんです。」

お2人とも、まっすぐな芯を持ってモノづくりをされていることも踏まえながら、商品のネーミングなど人を惹きつける要素がたくさん見られます。木村さんはクラウドファンディングで支援してくれる人の事を「共犯者」と表現をします。一見ネガティブなワードに聞こえてしまう可能性があるこの言葉を使用する理由を木村さんはこう話します。
「アパレルのブランドって、基本的にはかっこいいモノに憧れた人がそれを買っていく消費形態だと思うんですよね。インターネットが出てみんながメディアな今、かっこいいが多様化されて顕在化されていっていると思うんです。ふつうの人・リアルに着ている人がいいと言うものを作りたい。そう人たちの口コミの方が、モノが売れるんです。一緒にモノを売っているみなさんという意味で共犯者という言葉を使っています。」「売り手・買い手、サービスを受ける側・与える側の関係より、一緒に作って考えていく方が、みんなが自分事で世の中を楽しんでいける。お互いが存在しているからこそサービスが出来上がっていく思うんです。」「僕の商品は百貨店で取り扱えないんです。例えばこのハイキックジーンズもめちゃくちゃ伸びるんです。伸びすぎて百貨店の品質基準から外れてしまうんです。でも、伸びて履き心地がいいモノのほうがいいじゃないですか。本当に必要とするものが消費者の手に届かなくなっている。ユーザーのための品質基準がいつの間にか企業を守るための基準になってしまっていると思うんです。」

商品とそれを使うユーザーへの距離を縮めて、本当に欲しいと思われるモノを届ける。
クラウドファンディングにはそういった特徴があり、大企業の行うモノづくりとは違った特徴があります。
「大きな企業は中途半端なモノは出せない。出してみてつくってみないと分からないのに。WEBであるベータ版みたいに、未完成のモノをみんなで高めていくモノをつくるということができる。完成品とそのプロセスの関係を楽しんでいければいい。」とも木村さんはお話をされました。

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クラウドファンディングが、本当にこの時代の社会に必要だと思うモノを、必要と思う人に届ける手段であること。これからのモノづくりや消費を考えた上で、クラウドファンディングが一つの手段であること。クラウドファンディングのことやクラウドファンディングを使う意味をより知って実感できる機会になったのではないでしょうか。

イベントページはこちら:http://kiito.jp/schedule/event/articles/35765/