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2019/8/16

イベントレポート

+クリエイティブゼミVol.31 デザイン編 観察のカガク 実践編:デザインの観察ノート 第1回:デザインのための観察「なぜデザインに観察が必要なのか?」レポート

7/10(水)

+クリエイティブゼミVol.31 デザイン編 観察のカガク 実践編:デザインの観察ノート
第1回:デザインのための観察「なぜデザインに観察が必要なのか?」を開催しました。

2017年に開催した「+クリエイティブゼミVol25 デザイン編 観察のカガク」の続編として、前回のゼミで開催した内容をより実践的に学ぶ全5回の講座をスタートしました。講師は前回同様、DMLの久慈達也さんと明後日デザイン制作所の近藤聡さんです。当講座では、デザインを考える、モノをつくる上で必要な物事の見方や見る方法「デザインのための観察」について学びます。実践編では「街の案内サイン」をテーマに、参加者それぞれが観察ノートをつくります。

・デザインの基礎となる観察の方法を学ぶ
・観察の結果を活かす発送方法を学ぶ

以上の2点を今回のゼミの目的です。

デザインという行為に置いて観察はいつ必要になるか?
初回となる今回は前回の内容をベースにアイデアを生み出すために世界をどのように見るかという観察の基礎を学びます。

デザインのための観察を学ぶためにまず、デザインとは何かということを定義を参加者と共有するところから始まります。
行為としてのデザインは「構想(何のため)」と「造形(どのように)」の2つに分けることができると久慈さんはお話をされます。
その2つが合わさってデザインという現象が生まれるとのことです。

「ホワイトボードに1本のまっすぐな線を書いてください」

1人目は指示に従いホワイトボードに線を引きます。
次に「できるだけ長い線を書いてください。」と2人目の参加者さんにさらに課題としてだされ線を引きます。
最後に3人目の参加者さんに「重ならないようにまっすぐな線を書いてください」とさらに条件が足された課題がでます。

その線をどうやって引くかでデザインの捉え方がわかる。という久慈さんはお話をされます。

・構想:判断(どの向きに、どれくらいの長さで線を引くか)
・造形:運動神経(以下にぶれなく、筋肉を制御できるか)
・条件:ホワイトボードに先に書かれた線、サイズや角度

デザインについてまず大事なことは条件を知ること、その条件を知るために観察は必要不可欠なものです。
条件を無視して好きなように作るだけがデザインではなく、「(デザインする)対象」と「(デザインの)結果」の間に明確な理由を設ける必要がある。と続けてお話をされました。

さらに、デザインのための観察の目的を久慈さんは3つにまとめます。

・プロジェクトにおいてすべきことを見定める
・問いを立ててCONCEPTを導き出す
・形や色など非言語情報の獲得

いいデザインをつくるためには、色・形・条件といった情報を収集しなければいけません。
そういった、情報を収集するためには「観察(フィールドワーク・インタビュー)」と「参照(読書・検索)」の両方が必要です。
観察と参照は相互的に関係しており、いかに観察をしても知識がなければ、その物事への理解ができないこともあります。

Noise/information
私の準備が不十分であると情報を受け取ることができない。

知識の土台があるかないかによって、その知識を得ることができるかどうかが決まります。
また、それも「見よう」「知ろう」とする意識を持っていないと知識として蓄積はされません。

どうすれば観察は上手くなるのか?
観察(見る行為)をより意味深いものにするために「記述(書く):文字による情報」「体験(触る):非言語情報」「収集(集める):実物」の3つの視点がると久慈さんはお話されます。
モノを見る時、視覚とそれ以外の4感をどう使うかが観察のポイントです。

「~を情報化する」
観察に必要な3つの要素を体感するためにカップの観察をワークで行います。
模造紙の中心に白色のカップを置きます。そこから記述として、カップから見える要素を抜き出していきます。
参加者の答え:白色、丸い、取っ手がある、光沢がある、浅いetc…
次に体験として、実際にカップをさわりながらわかる要素を抜き出していきます。
参加者の答え:裏側にも模様がある、素材が投機である、指が2本入るetc…
最後に収集はそのカップを買うこと、画像で保存することとお話され次のようにまとめました。

記述力:目で見たモノゴトを言葉にする能力(情報の言語化)
体験力:目で見た以上のコトを体感する能力(情報の多角化)
収集力:目で見たモノを保管する能力(情報の資料化)

デザインのための観察にが上手になるためには「対象」から、いかにしてたくさんの情報を得る事ができるか。記述・体験・収集の3つの要素から情報を抜き出す練習を日頃から行うことが必要です。

また、デザインのための観察は、見る人の主観的な価値観が入るような質的リサーチこそとが大切であると久慈さんが最後にまとめます。

※質的リサーチ:数値化しづらい被験者の経験や文暦を理解する事に主眼が置かれ、ある事象における個別、固有の理解を通して世界をしることにある。

対象からより多くの情報を抜き出す、デザインのための観察の基礎について学び、次週から観察ノートの作り方にはいります。

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