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セルフ・ビルド・ワークショップ KIITOの空間活用実験 レポート

2015年3月21日(土)、22日(日)

KIITOの建物は、様々なタイミングで用途が変わり改修工事が行われてきた経緯があるため、新築の公共施設とは異なり、用途が明確に定められていないエアポケットのような小さな空間が随所に存在しています。今回はそうした空間に着目して、現状調査と活用案の作成、そして実際に設置するところまで取り組むワークショップを開催しました。

建築リサーチチーム「RAD」をファシリテーターに迎え、コラボレーターとして、魚谷 剛紀(建築家)、KUAV(北川 浩明・建築家+内柴 有美子・服飾デザイナー)、松本 崇(建築設計)の三者に講師を務めていただきました。


RADの川勝真一さんにより、ワークショップの概要説明とレクチャーがあった後、グループに分かれて、KIITOの内部空間を実地調査しました。気になる空間を見つけたら、「調査票」を作成。空間の性質を「明るさ」「広さ」「開放度」などの項目ごとに五段階評価し、活用されていない理由、空間の魅力や欠点を書き込み、空間のスケッチや写真などと共に、一枚のシートに纏めていきました。

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「調査票」をたくさん作り、活用可能性のある空間が一覧できるようになったところで、グループごとに一つの空間を選定し、空間の潜在力を引き出すためのアイデアを話し合いました。



その後、図面や材料を持ち寄って、構造物の試作を行い、実際に設置しました。
同年3月28日に実施した「オープンKIITO 2015」では、構造物を公開し、来場者に活用いただいただけでなく、ワークショップ中にリサーチした全ての空間に、さながら作品解説を添えるように「調査票」を設置し、通常の施設利用では通り過ぎてしまいがちな空間に目を向ける人を増やし、新たな活用アイデアが生まれる機会を創出しました。


ワークショップ成果の構造物(各説明文は、参加チームによる)

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Silk Machine(シルク・マシン)
コンセプト:
KIITOの歴史、空間に関係しつつ、現状の空間の感じ方を変え、子どもから大人までが居場所を感じられるようなモノ。KIITOに今も残る古い家具、時計、照明と呼応するように、生糸検査に使われていた機械部品の組み合わせでできた四分の一の球体構造が「室礼」の一部となる。構造体から落ちるカラフルなシルクが空間に明るさと柔らかさを与える。

この余白を選定した理由:
通路としては幅、高さがあり、エントランスホールになりうる予感をもった空間ではあるが、
情報版と古い時計、照明しか室礼がなく、通過空間になっていたため。


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ひとひらの屋根
コンセプト:
中庭を通して船の帆のようにも見える。廊下からは庇(ひさし)のようにも見える。下から眺めると繭の断片のようにも見える。場所や距離によって違う表情を見せるこのひとひらの面をつくることで、その下だけに留まらない領域を示すことが出来ないかと考えた。

この余白を選定した理由:
現状の一階の北側エリアは、人があまり立ち寄らない場所となっているが、行き止まりの地下への階段や旧北玄関など、面白い場所がある。その中でも、この殺風景で面白みのない余白に手を加えることで、他の場所もより良く見えるのではないかと思った。


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縁/側
コンセプト:
廊下の一部のはずなのにやけに四角く広く開けたスペース。そこにはトップライトもあり明るいけれど、すぐ前には出入り口があってたたずむには落ち着かない。そこに角から突き出した、縦にも横にも斜めなかたちの母屋と垂木でできた(けれど柱がない)屋根によって、縁側のような場所を作りました。

この余白を選定した理由:
多くの人の目に付く場所。最上階ゆえにトップライトを持ち、けれどそれの位置が生かされていない。廊下にしては広すぎる、けれども廊下としてしか利用されていない。といった矛盾を孕んでいた点に可能性を感じました。


セルフ・ビルド・ワークショップ KIITOの空間活用実験
開催概要はこちら

2015.3.31

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