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LECTURE

神戸スタディーズ#3 レクチャー 垂直の空間性からみる神戸 ~大阪湾と播磨灘の水の文化を中心に~

神戸スタディーズ#3 レクチャー 垂直の空間性からみる神戸 ~大阪湾と播磨灘の水の文化を中心に~

「神戸スタディーズ」とは
「神戸ってどんなまち?」と聞かれて、あなたはなんと答えるでしょうか。さまざまに語られる神戸というまちのイメージをあらためて考えるため、多様な専門分野の方を講師に迎え、これまでなかった視点で神戸を見る「神戸学」をつくる試みです。

 

今回のテーマは「水と空間性」です。神戸とその周辺、大阪湾や播磨灘を起点に日本列島をみると、よく見知った日本地図とは全く異なる空間的な広がりや立体感が立ち上がってきます。

若狭湾に流れ出る由良川と、播磨灘に流れ出る加古川は「水分かれ(みわかれ)」と呼ばれる山嶺の分水界を挟んでつながっています。水のイメージは文字通り「水平」ですが、当地の水の文化は、海から山上に至り、再び海に戻るという垂直の空間性を持っているといえます。
また加古川が流れ出る播磨灘は日本書紀に「海を渡る鹿と思われた物が、殺した鹿の皮と頭をかぶった人間であった(応神11年)」と記される海でもあります。海民である「阿曇(あずみ)」の本拠地、福岡県志賀島の志賀海神社には全国から鹿角が奉納されます。鹿の音韻を残す牡鹿半島の沖にある金華山は海民にとって霊山とされています。鹿は山の生き物。ここにも不思議な垂直の空間性があります。

中国文学者の入谷仙介は淡路島においては先山(せんざん)の千光寺、南部の南辺寺、東浦の東山寺、西浦の常隆寺が「天への通い道」であったと述べています。これらの寺院は山上にあります。天に昇った死者の魂はまた、同時に海の底、常世(とこよ)に存在しています。ここでは海底と天上とが同一に見られるのです。この海と空を同一視する世界観は、万葉集をはじめ、多くの文学作品のモチーフにもなっています。

以上のようなトピックを通して、水平のみならず垂直の空間性を考えることにより、その立体感を皆さんと感じてみたいと思っています。

 

日 時
2014/1/12(日) 17:30-19:00
講 師
山田 創平(都市社会学者) モデレーター:芹沢 高志(デザイン・クリエイティブセンター神戸 センター長)
参 加
無料
定 員
50名
主 催
デザイン・クリエイティブセンター神戸

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