2015/3/10
イベントレポート
2015年3月1日(日)
第2回目の珈琲学はFrom Seed to Cupについて学びました。
コーヒーは農作物です。
しかし、インスタントコーヒーや缶コーヒーなど、安価なコーヒーの台頭により、農作物としてのコーヒーは意識されづらくなっているかもしれません。
今回の珈琲学ではコーヒーの原料であるコーヒーチェリーを育てる農園にまずはフォーカスをあてました。
コーヒーチェリーを育て、収穫し、豆を取り出して乾燥させ、等級分けをし、コンテナに積み込む、そして豆屋から焙煎屋に届けられようやく抽出の行程に辿り着く、というように幾人もの人がいくつもの行程で関わり、ようやく我々の元に届けられています。
高い品質の豆としての評価を得た豆であるスペシャルティコーヒーは、この一つ一つの行程を事細かに追い、あらゆる行程での品質管理を徹底することで高い品質の豆を実現しています。
この徹底された工程管理は「From Seed to Cup (豆からカップに注がれるまで)」と呼ばれ、世界でも大きな話題となっています。
このFrom Seed to Cupの本質を生豆の販売や焙煎に携わる松本しんごさんと主にインドネシアの農園からの生豆の貿易に携わる三木和彦さんから、ブラジルとインドネシアを比較しながらお話しいただきました。
ブラジルはコーヒーの産地としては大変有名で、コーヒー産業においては先進国です。
広大な農地、コーヒーチェリーの加工を一貫して行える「巨大企業」の様な農園が一般的です。
対してインドネシアはまだまだ発展途上国で、「中小企業」もしくは「個人農家」の規模でコーヒーチェリーを育てており、行程も細分化し、それぞれが専門分野を持つことで産業が成り立っています。
現地に直接赴いた講師のお話の節々で現地の人々の生活についても知ることができました。
それぞれの栽培環境を写真で紹介いただきました。
また、試飲をおりまぜつつ、地域によって異なる味を体験していただきました。
内容に沿った珈琲の試飲を行ったことで内容についてより深い理解を得られました。
「選んで消費する」ことが珈琲の流通に少なからず関与し、より豊かな珈琲の選択肢を作り出せることを「From cup to seed」と新たに定義し、これからの珈琲のあり方についても考えることのできる場となりました。
神戸「食」プロジェクト 神戸珈琲学学問編「From Seed to Cup」
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