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2019/2/15

イベントレポート

Designers 18 写真家として生き残るため 何が必要と思ったのか?レポート

デザインの現場の第一線で活躍されている方々からトークセッションという形でお話を伺うDesigners。
2018年はTRITON GRAPHICSの松岡賢太郎氏をインタビュアーに迎え、建築・プロジェクト創出・写真といった様々な分野で活躍されるゲストの方をお招きしてお話を伺います。

今回のテーマは「抜け出す勇気」
ライバルが多い業界の中で、生き残るためには「自分の価値を信じ、他人とは違うことを考える事・実践していくこと」と松岡さんはお話をされます。もちろん他人と違うことを実践していくには、経験や知識以上に「勇気」が必要です。今回のトークイベントでは、周りから一歩抜け出すための方法とそのための勇気をゲストの方の活動と考えから探ります。

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12/15(土)に開催した「Designers 18 写真家として生き残るため 何が必要と思ったのか?」では、世界中を旅しながら現地のアーティストの日常を綴る「STUDIO JOURNAL KNOCK」を発行する西山勲さんと、様々な技法を使って撮影を行い独特な雰囲気のある写真を撮影しファッション誌や広告など幅広い分野で活躍する横浪修さんのお2人をお招きしてお話を伺います。独創的な作品づくりとメディナ立ち上げに至った経緯、また写真やデザインの未来について考えていきます。

まずは横浪さんのお話からスタートです。
子どもの肩にリンゴごやオレンジなどの果物を載せて撮った写真のシリーズ「100 Children」この制作背景にはどのようなエピソードがあったのか松岡さんより質問が入り「最初は、タイで子どもを撮った時、普通に撮るより地元の果物を載せて撮る。そうして少し制約を与えることでまた違った表情が出る。」とお話を始めます。西山さんより「これだけ長く撮るプロジェクトの雛形を決めるのは難しかったのでは。」と質問が入り、こう答えます。「やってみて雛形は作っていった。とりあえずやってみる。ちがうかったら組み替える、その繰り返し」

「日常、忙しい中でどう創作活動をおこなっているのか」という西山さんからの質問に「あらかじめ、創作活動としての時間をとっている。その時間は仕事が来ても入れない。ある時写真を撮っていて残しておきたい写真がなかったんです。その時、自分が無理して撮っていると思った。そこから創作活動を行うようになった。」とお話を続けました。

「同じ服装、同じ構図を撮る。記号的なモノを排除することで色々な物が見えてくる。」

続いて「Assmbly」というシリーズについて、こちらは同じ服装した少女たちが自然の中で集まったり離れたり、「個」と「集団」をテーマにした作品です。100childrenとは違い引いた構図の多いこの作品について横浪さんはこう話ます。「純粋な感じが好きなんです。2~3日滞在して、ロケハンして風景を探します。被写体は、割と現地で探します。作品の雰囲気もやっていく中で気づいていったんです。」
「純粋(ピュア)な人が好き」と話す横浪さん。横浪さんの撮る写真の中には独特な被写体との距離感があります。
被写体との緊張感の縮め方には横浪さんのお茶目な一面がエピソードででてきます。

普通のアパレル撮影であれば「モデルの顔や服のマテリアル感やきれいに見える立ち方」など気にしながら撮るもの、しかし横浪さんの撮る写真は他のカメラマンさんとは違う。構図やアイデアはどう出てくるのか。横浪さんは「その場のノリですね」と軽く笑いながら話をされます。

続いて西山さんのお話に変わります。
商業のデザインを主にされる中で西山さんが感じた「抜け出す」必要性とは何だったのでしょうか。こう、話を続けます。
「他人と競争することではなくて、自分の好きな事をする。そういった所に身を置くことじゃないんじゃないかなと思うんです。画家や作家といった人に触れる、そういった世界の存在に触れることがスタートだったんです。技術があること・人と違う写真を撮れるとかじゃなく、その場に身を置けるということが特徴なんじゃないかなと思います。」そんな西山さんの写真を横浪さんは「人との距離感が素直で、純粋。」と話します。

松岡さんよりお2人に、本日のテーマである「抜け出す勇気」についてこう話します。
「かっこいい写真・見たことある写真だと読み飛ばされてしまう。誰かの印象に残る写真を撮る。限界を決めないで一回やってみる。ということだと思います。」と横浪さん。「抜け出している人たちを撮っている。大勢の人が当たり前と思っているもの以外に美しさや正しさを感じる人。この人何を見ているんだろうという目線がおもしろい。」と西山さん

最後は横浪さんによる大撮影会が行われ、賑わいの中トークイベントは終了となりました。

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