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2019/6/30

イベントレポート

+クリエイティブゼミvol.30 リサーチャー育成編「リサーチ・リテラシーを学ぶ」第4回レポート

6/11火、+クリエイティブゼミ「リサーチ・リテラシーを学ぶ リサーチャー養成講座」の第4回を開催しました。

  

「リサーチはできていますか?」
講師の山崎さんからの問いかけから第4回のゼミがスタートしました。前回のグループワークでアイデアが拡散傾向であったことを受けて、「アイデアを出すこと」と「リサーチを行うこと」は異なること、リサーチという根拠をもっていないと、複数のアイデアから「これが良い」と他の人(自分自身も)を説得できないということ、そしてアイデアの斬新さが出てこないことを教えていただきました。「なぜこのアイデアを選ぼうとしているのか?」と問われた際に、根拠が十分に話せない場合はリサーチが不十分であることや、自分の思い込みから逃れられていない可能性があるそうです。アイデアや発表に私たちが驚き、納得するのは、そのアイデアが出てきた背景、ストーリーの説明や根拠がつまっているからだとも教えてもらいました。

その後のグループワークでは一週間のリサーチを共有し、コンセプトを作る作業を行いました。発散したアイデアを前に、なぜAではなくBなのか、どうしてこれが重要だと思うのか、運営主体は誰になるのか、など、メンバーどうしで問いかけ合う姿が見始められました。また山崎さんから直接リサーチへのコメントをもらうことで気づきを得るチーム、グループ内で意見を出し合う時間と各自のリサーチを深める時間を分けて取るチームも見られました。

  

○体験(自分の体験)
体験をテーマとして、図書館に限らず、魅力的な体験をリサーチしました。一方で図書館の課題として「司書の役割を知ってもらう」ことを取り上げ、司書の現状リサーチより、資格は持っているものの、現場から離れている司書(=休眠司書)さんに関わってもらうことを考えました。休眠司書が図書館、あるいはクラウド上で、人々の抱えるお悩みに本で回答する「選書」をサービスのアイデアとして練っていきます。

○今ある空間の編集+αの機能
「みんなで作る図書館」をテーマとしました。「〇〇な部屋」として、専門的な部屋や、趣味の本を紹介する部屋など、コンセプトごとの部屋を数ヶ月の期間で展開することを考えています。図書館についでに立ち寄れるイベントをアイデアとして、さらに深掘りしていきます。

○しかけ・サービス2班
「なぜ図書館を使わないか」という視点から、自分の生活圏内に必ずしも図書館がない場合には、わざわざ本を返しに行かなくてはいけないことや、返却期間内に本を読み終えられないからではないかと想定しました。そこで、街の中に図書館の機能を持たせること(飲食店や美容室の本を活用)を考えています。また本を借りにくることでお店の人のキャラクターがわかり愛着をもってもらえる効果もあると思っています。また、行列に並んでいるときに本を借りて読める図書館(例、タピオカ図書館)というアイデアも出ました。

○新しい空間、今までにない図書館像
先週より、「普段あまり本を読まない人でも興味を持てる本との出会い方」を中心に考えています。
本を読むことを楽しいと思う反面、時間等の関係で読めていない人をターゲットに、新しい本との接点を作る方法を考えています。既存の図書館の中での工夫というよりも、図書館から本が出て、人の方へ向かって行くのが良いのではないかと話し合っていて、アイデアとしては回覧版ならぬ「回覧本」が出てきています。複数の本を団体に貸し出し、その中で本がくるくる回覧していく姿をイメージしています。

○しかけ・サービス1班
学生から社会人になると、会社以外の人と交流する機会が減ることから、社会人をターゲットにした「新しいつながりづくり」をテーマにしました。社会人のニーズと図書館が持っている強みをつなぐアイデアを考えているところです。グループワークを進める中で、リサーチがまだ不足していることや、アイデアが浮かんだときに「なぜこのアイデアなのか?」という疑問に答えられるようにする必要があると気づきました。

○コミュニティ・人の交流チーム
空間の工夫、図書館への敷居を下げる、司書さんによる本のガイダンス機能の強化、という3つのポイントでリサーチを進めています。インターネットの普及もあり、図書館は情報収集だけでなく、情報の交流の場にできないかと考えています。また、図書館にもっと多くの人に来てもらうためには、「入りやすい」雰囲気を作る必要があるので、入り口での工夫についてアイデアを練っています。その一方で、既存ユーザーに満足してもらえるように、静かな空間を図書館の奥に設定するなど、共存できるようにしたいと思っています。

  

山崎さんからは、グループワークで生まれた「休眠司書」「タピオカ図書館」といったアイデアについて、関連する言葉を深く調べ、参考となる材料(引用・類似サービスなど)を揃えることで、アイデアを肉付け・補強することができ、説得力を高められるとアドバイスいただきました。

残り1週間では、今出てきたアイデアを叩き直し、リサーチとつなぎ合わせて発表の形に収束させていきます。それぞれのチームがどのようなリサーチを実施したのか、そこから出てくるアイデアとは?最終回となる次週ではリサーチ発表を行ってもらいます。

+クリエイティブゼミvol.30 リサーチャー育成編「リサーチ・リテラシーを学ぶ」 例題1:「図書館の未来を考える」 概要