2020/3/5
イベントレポート
グッドデザイン賞を知る 2.「グッドデザインという「希望」」
日時 11/25(月)13:00-14:30
会場 神戸電子専門学校 教育研究棟4階(神戸情報大学院大学)
講師 秋元淳(公益財団法人日本デザイン振興会)
グッドデザイン賞を運営する公益財団法人日本デザイン振興会の秋元淳さんに、神戸電子専門学校でデザインを学ぶ学生たちや一般の方に向けて、「グッドデザインという『希望』」をテーマに、講演いただきました。
この講演会は、グッドデザイン神戸展の会場ではなく、神戸電子専門学校で実施したアウトリーチプログラムです。次世代を担う方をはじめ、より多くの方にデザインについて知ってもらうよい機会となりました。
はじめに、グッドデザイン賞のもつ理念についてお話いただきました。グッドデザイン賞は、デザインのコンクールなどの優劣を競うものではなく、身の回りのいいデザインを「発見」し、社会の中で「共有」し、そうすることで新たな「創造」へとつなげていく仕組みであり、それらが循環していくことを目指しています。秋元さんは、こうした講演会や展示会などで、グッドデザイン賞を少しでも多くの人に知ってもらうために、日々活動をされています。
続いて、グッドデザイン賞の歴史について、年代ごとの特徴とともにご紹介いただきました。
1950~1960年代は利便性の追求や大量生産と普及の時代、ついで日本がオリジナルデザインを確立する1970~1980年代、そして環境問題や情報化社会へ対応した1990~2000年代、そして2010年以降は共有の時代へと移ってきています。時代ごとにいいとされるデザインに違いがあり、グッドデザイン賞にまさにそれが反映されていることは、とても興味深いことです。
特に、ここ最近はスタートアップ型企業、NPO法人、行政、さらには海外企業・団体など、多様な事業主体がグッドデザイン賞に応募するようになり、デザインの幅も広がってきています。
「時代を経て、デザインのとらえ方も大きく変わってきている」と秋元さん。「もの」や「かたち」の次元を超えて、「人が、何らかの理想や目的を果たすために意図して築いたものごと」すべてがデザインとして考えらえるようになりました。さらに、デザイナーでなくても「デザインする」という意識をもって創造的活動をするような「デザインの民主化」も起きてきています。そうした変化について、今年度のグッドデザイン賞のファイナリストの紹介とともに、非常に体系立ててお話をしていただきました。
参加者は熱心に耳を傾けて聞いており、あらためてグッドデザインの歴史変遷を知り、デザインに対する考えが変わった、などこれまで知らなかった歴史に対する驚きの感想を寄せていました。