2021/4/6
イベントレポート
去る、3月26日(金)、東灘区住吉地区の「地域福祉会あぁす」が主催する地域支援事業「さくらBOX」に「パンじぃ」が参加し、パンを焼きました。
「パンじぃ」は、2015年の「ライフ・イズ・クリエイティブ展」の一環として開講された「男・本気のパン教室」から活動を始めたシニア男性のチームです。この「男・本気のパン教室」は、シニア男性を対象に、神戸のパン職人からパンづくりを学び、パン作りを通してのいきがいづくりや、学んだ技術を家庭や地域活動に生かして、人生を生き生きと作っていくことを目的に開講されました。プログラムの終了後、受講者は「パンじぃ」として、様々な催しでパンを振舞い、好評を博してきました。最初の「パンじぃ」チーム以降、神戸市内外で「パンじぃ」チームが結成され、各地域やKIITOでの催事で活躍しています。また、定期的にスキルアップ講座も開催し、新たなメニューの習得や技術の向上もめざしています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、ほぼ1年ぶりの「パンじぃ」としての活動になります。今回は、2015年の最初の「男・本気のパン教室」から活動を始めたパンじぃ(第1期)メンバーの2名が参加しました。
今回参加した「さくらBOX」事業は、新型コロナウイルスの感染拡大が取りざたされる中で、地域で生活の困難さや貧困の問題が広がっていることを受けて、家庭や子どもたちに向けて、次年度の準備をする支援を行うというものです。今回は、支援の一環として、パンじぃが焼いた焼きたてのパンを、訪れる子どもたちにプレゼントしました。
今回焼くパンは、メンバーが得意とする「ポテトパン」の生地にチーズを練り込んだ「プティフロマージュ」です。今回焼く数は、およそ70個ほどと、いつもより少し少なめでしたが、細心の注意と緊張感を持って、パン作りに臨みました。
オーブンの台数と発酵のスペースの都合から、3回に分けて仕込みます。最初は計量。少しの間違いが出来上がりの成否を左右する、パン作りの最初の関門にして肝心な工程です。各材料の分量を確認しながら、慎重に作業を進めます。塩、砂糖を小麦によく混ぜ込んだのち、イーストを投入してまんべんなく攪拌。さらに水を注いで、捏ね上げに入ります。この日は天候が良く、少し生地が固く感じられる状況。生地の感触を確かめつつ、水の量を微妙に調整していきます。生地を扱う感覚、各工程のテンポ感が、ここに来てパンじぃの手に戻ってきたように感じられました。しっかりと生地を仕上げて、1次発酵へ、発酵の間に、2回目の仕込みに入ります。パンじぃ2人のコンビネーションも良くなり、作業のスピードも上がっていきます。
2回目の生地が1次発酵に入ったところで、分割と成形、ベンチタイム(2次発酵前に生地を休ませる時間)へ。このころ既に、手がパン作りの記憶をしっかりと思い出していました。カードでほぼロスなく分割し、軽く丸めた状態に、生地の形があっという間に変化していきます。
少し、作業の時間に余裕ができたので、パンじぃから子どもたちへ、パンに込めた思いを伝えるべく、メッセージカードも準備しました。
2次発酵後、仕上げ作業(オリーブオイルを塗り、塩を振る作業)を経て、いよいよ焼成。パンが焼ける良いにおいが部屋に漂うのも、ずいぶんと久しぶりのことです。焼き上がりも良好、少し小ぶりながら、外はしっかり焼き色が付き、中はふわっとした食感。子どもたちに喜ばれそうなパンができあがりました。熱をとったのち、袋に詰め、メッセージを添えて、プレゼントする準備が整いました。
久しぶりの活動ということもあって、最初は緊張感がありましたが、パンじぃの手はパン作りの記憶をすぐに思い起こして、あっという間に立派なパンが出来上がった、そう感じられた時間でした。同時に、何人かと一緒に、地域の中で、みなさんに味あってもらって、喜んでもらう、その楽しさを改めた感じられた、とても大事な1日だったのではないでしょうか。
「ライフ イズ クリエイティブ展」
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