2014/12/26
イベントレポート
2014年12月19日(金)
「阪神・淡路大震災+クリエイティブタイムラインマッピングプロジェクト」の発起人でもある、小林弘和さんと山田春奈さんによるクリエイティブユニット「SPREAD」のお二人をお招きし、+クリエイティブレクチャー「時間軸からのデザインの発想」を開催。マッピングプロジェクトでも重要なファクターとなった「ルーツ」や「過去」といった、振り返るということをテーマにお話いただきました。
まずお二人から「SPREAD」というクリエイティブユニット名について、「『SPREAD』とは英語で、広がる、開く、拡張する、という意味を持つ単語で、私たちがつくったモノをきっかけに、皆さんの生活が変わったり、広がって行ったら良いなという想いを込めてです。」とご紹介がありました。
それからお二人のデザインとの出会い、大学時代(小林さんは広告デザイン、山田さんはラウンドスケープデザイン(景観デザイン)を学ばれました)と、それぞれのルーツをお話頂いた後に、現在までの活動、広告デザインから景観デザインまで、お二人の領域をまたぐお仕事をご紹介いただきました。
お二人の活動のルーツにあるのは、「過去を見つめることで、未来をつくっていく」という考え方だそうです。それを表している作品の一つ、「Life Stripe」についてもお話いただきました。
*Life Stripe (http://www.lifestripe.com/)
一日の行動を21色のカラーに置き換え、それらを24時間の時間軸に沿って記録することから生まれる「生活の模様」です。さまざまな一日を、文字でも写真でもなく、色彩のパターンで表現するアートワークです。(ウェブサイトより引用)
そしてデザインのお仕事として、萩原精肉店(鎌倉)、工場の祭典(燕三条)、ITO / KOBO ORIZA(今治)、moisture surge EX / CLINIQUEの事例をご紹介いただきました。
その一つ、「燕三条 工場の祭典」のロゴマークやポスター、会場装飾や会場サインをデザインしてく上でのお話で、「私たちは何度も足を運びリサーチをしている。リサーチとは過去を知ること、未来は事実でないのでなかなかリサーチできないけど、過去は全て事実、その事実からデザインを組み立てていっている。」
とのお話が印象的でした。
その後も、過去や時間ということが、いかにクリエイティブに関係するかについて、様々な事例を通してお話いただき、また、KIITOと共同して進めた、阪神・淡路大震災以降のクリエイティブな活動をタイムラインにマッピングしていくリサーチプロジェクト「阪神・淡路大震災+クリエイティブ タイムラインマッピング プロジェクト」もについても、震災から20年経った今の視点でお話していただきました。
最後にまとめとして、「クリエイターは液体だと思っている、クリエイターは社会とコラボレーションすることでクリエイティブが起きる、その時の(多様性のある)社会状況に反応して、その時のクリエイティブの形をつくることを心がけている。」ということを、液体をモチーフに例えてお話いただきました。
最初にお話頂いたいただいた「過去を見つめることで、未来をつくっていく」、SPREADさんの作品づく作りのテーマのお話へと繋がっていき、レクチャーは終了しました。
+クリエイティブレクチャー「時間軸からのデザインの発想」開催概要はこちら
KIITOが活動のコンセプトとしている『+クリエイティブ』とは、デザインやアートなど既成概念にとらわれないアイデアや工夫を採り入れ、身の周りの社会的問題を解決していく手法です。