去る、9月8日(土)に「ちびっこうべ2018」ユメミセワークショップの、全体ワークショップ(2回目)を開催しました。8月4日(土)の1回目の全体ワークショップからおよそ1カ月。久々に、シェフ・建築家・デザイナーの各チームが合流してのワークショップとなります 1回目の全体ワークショップでは、「ちびっこうべ」のまちのメインの仕事となる「ユメミセ」を作っていく作業がスタートしました。それぞれの「ユメミセ」で提供する飲食物の試食に始まり、その味わった感想や、そこから思い浮かぶイメージを取り上げていって、どんな感じのお店をつくるか、コンセプトを作りました。さらに、そのコンセプトを伝えるお店の名前を、各班で決めていきました。 1回目からの1カ月の間、チームごとに別れて、ユメミセ作りに向けた活動を行ってきました。建築家チームはユメミセが入る建物の制作を開始し、デザイナーチームはお店のロゴや、販促のためのツールやサービスを考案してきました。シェフチームは、実際にシェフのお店にお邪魔して、提供するメニューの調理の練習を重ねてきました。今回は、それぞれのチームの活動を集約して、「ユメミセ」を具体化していく、重要な時間です。 さて、さっそくワークショップを開始というところで、本日のサプライズ。デザイナーチームが制作したお店のロゴが入った缶バッジがお披露目され、各チームに配布されました。10月の本番、「まちオープン」では、忘れずに身に着けてくださいね。 嬉しいプレゼントに続いて、お店での接客を学ぶプログラムに移ります。今回は、大丸神戸店サービス教育担当の長谷場美緒さんを講師に迎えて、基本的な接客の仕方を学びます。「笑顔」、「挨拶」、「大きな声」の3つが接客では重要になります。近くにいる人と向かい合って、実際に、「笑顔」で「大きな声」を出して「挨拶」してみます。ひととおり練習した後、今度はお辞儀の動作も加えてみます。2人1組で、片方が店員の役割で、お辞儀と挨拶をまじえて、来場者を迎えたり、注文を受けたり、料理を提供したり、見送ったりするときの対応を練習しました。元気な声がホール内に響きわたります。 接客の練習の後は、いよいよ各班に別れてユメミセワークショップのスタートです。1カ月ぶりの合流となったシェフチームからは、これまでのお店でのワークショップの様子や、提供するメニューの特徴や工程、難しかったところ、実際にユメミセで提供するにあたっての注意点などが紹介されます。また、デザイナーチームは、これまで考案してきた販促のツールや提供・販売の工夫、サービスなどを紹介していきます。建築家チームは、割り当てられた敷地に応じて建物を設計して、既に建築模型を制作するところまで進んでいます。実際の施工までもう少しのところです。あらためて会場図を確認したり、実際にユメミセが建つ場所を確認したりして、雰囲気や建物のイメージを掴もうとする班もあります。それぞれの立地や、提供するメニューに応じて、お店を運営する上で何に注意するか、提供方法や接客の手順についても、意見を出していきます。その上で、これから必要になる制作物や、当日のオペレーションを決定していきます。 さて、ワークショップが盛り上がりを見せる中、会場から扉を1枚隔てた向こうでは、保護者の方向けに「ちびっこうべ」についての説明が行われています。現在ちびっこうべに関わっているクリエイター、以前関わっていたクリエイター、KIITOのOBスタッフを迎えて、「ちびっこうべ」の意義や、これまでの成果とともに、これまで参加した子どもたち、保護者の方のメッセージを交えながら、どのような学びや発見が、これまでのちびっこうべの中で見られたのかが紹介され、好評を博しました。 休憩時間のワークショップ会場では、子どもたちが他の班の様子を見て回る光景も見られます。どんなお店で、何を提供するのか、どれくらい進んでいるのか、自分の班にも活かせることがないか、気になるところです。休憩後は、提供するメニューの価格について、チームごとに話し合います。 どうやって価格を決めるのか、色々なことに気を配らなければなりません。提供する飲食物の材料費がかかります。ユメミセ働く人の賃金も、売上から賄わなければなりません。沢山の人に買ってもらって、売上を確保することも必要です。これまで考案した販促のサービスとの兼ね合いも重要です。安く売るだけではなく、お店自体の運営のことを考えながら、子どもたちは価格について話し合いました。 実際にユメミセで発生する業務についてもおさらいをしていきます。建築家チームは動線や来場者の受け入れ方、デザイナーチームは広報の計画を、シェフチームは実際の建物の中で、どういう手順で調理を進めるかシミュレーションをしていきます。業務をおさらいした上で、本日の最後のプログラム、店長、副店長、シェフリーダーといった役職を決めます。期間中、役職を固定するチーム、各日ごとに役職をローテーションするチームなど、様々な工夫が見られます。店長、副店長、シェフリーダーはどんな仕事をするか、どういう責任を持っているのかも、ここで確かめ合いました。 短い時間の中でしたが、子どもたちが、意見を出したり、話し合ったりして、自身の力で、ユメミセ当日の体制を完成させて、今回のワークショップは終了となりました。終了後には、クリエイターとサポーターとの反省会も行い、全体で、各班の進捗状況を共有しました。 まもなく、建物の施工が始まり、販促・広報ツールの制作も行われます。次回の全体ワークショップでは、いよいよ、ちびっこうべの夢の街が、KIITOホールに姿を現します。今回は、1から、子どもたちが作り上げる夢の街、今回はどんなおもしろい街ができあがるのでしょうか。ご期待ください。 写真:坂下丈太郎