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2013/4/4

イベントレポート

神戸料理フォーラムvol.1「料理人 福本伸也」レポート

2013年3月19日(火)

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「カ・セント」の福本伸也氏による、「料理人 福本伸也」を開催しました。トップシェフは日々何を考え料理に向かっているのか、厨房での食材との向き合い方、レストランでの人との向き合い方など、試食を交えながらお話しいただきました。

食べて、いろいろ感じてほしい。

講師の福本伸也氏は、神戸にある三ツ星レストラン「カ・セント」は2008年にオープンし、オーナーシェフとして料理をつくっています。神戸出身の福本氏は、1998年からイタリアで4年間、スペインで4年間修行してました。お店は小さいがとても温かい雰囲気で、人気のためなかなか予約が取れません。まずは食材のお話しから始まりました。福本氏の「食材を味わってもらいたい」という思いから、「トマトとパン」準備し、参加者に召し上がっていただきました。トマトは神戸市西区で水耕栽培されたもので、たっぷり水を与え、急激に水を与えないということを繰り返し行い、独自の甘みを持ったものです。パンは北野にあるパン屋さん「サ・マーシュ」の西川功晃氏が特別につくったものです。前日に仕込み、冷蔵発酵した、自然酵母をつかったパンで、ほんのりと乳酸発酵した香りとしっかりとした歯ごたえある皮に中は非常に柔らかいしっとりとしたものでした。「食べて、いろいろ感じてほしい」甘い、酸っぱい、塩味…どう食べてほしいかというより、どう感じてほしいか、感じるかそれが私たち料理人の仕事です。いろいろな生産者の思いがあって料理ができている。たくさん感じてもらえる市民が増えてほしいと願っていますとお話しされていました。

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食材を大切にしている。
お店で使用している機械を実際に動かしながらホエイのソース作りの実演をしました。ホエイとはフェッセルチーズをこし、流れ出たもので、昔のヨーロッパでは捨てられていたものでした。福本氏はこれを使って野菜のソースを作っています。このホエイは神戸市北区にある弓削牧場で野菜の煮込みを食した福本氏がとてもおいしいと感激し、お店でも使用しています。お店でも使っているソースを味わってもらいたいと、ホエイソースとパンが参加者へ配られました。特に基準があるわけではないが、作り手、生産者がどう思って食材を作っているのかを重要視してるとのことです。

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何事も全力。
食べるときには温度が大切です。日本では温かいものは温かいうちに、ヨーロッパではぬるいといった感じです。ここでしか食べれないもの、食材のいい状態で提供したいという思いから、スタッフにも厳しく、日々料理に対して真剣に向き合っているとのことです。当時スペインではデザイン的な料理がが多く、評価される時代であった。しかしそのことで料理が発展してきた背景もあると思う。福本氏は「素直においしいと思えることが大切」高級、最高のサービスを求めお客さんがお店に来るが、どんなお店でも当たり前のことがだ、「何事も全力でやる、それだけ!」と熱くお話しされていました。

「三ツ星だからすべて正しい料理ではありません。もっと料理人、レストランを大事にしてほしい。そして食を楽しんでほしい」と参加者へメッセージを語り終了しました。