2013年4月17日（水）

© ‘’Hearts and Crafts’’ A film by Frédéric Laffont and Isabelle Dupuy-Chavanat, 2011

KIITO映画部第一弾は、エルメス製作ドキュメンタリー映画『ハート＆クラフト』上映、およびトークセッションを行いました。当日は満員御礼！

まずは『ハート＆クラフト』上映です。ドキュメンタリー作家フレデリック・ラフォンと、スタイリスト、ジャーナリストとして活躍するイザベル・デュピュイ=シャヴァナが、職人の生き方に興味を抱き、映画製作をエルメスに提案して実現した作品です。スカーフ、バッグ、アクセサリー、クリスタルなどの工房を取材し、工房の様子、職人が素材を扱うときの技や音、そして職人たちの思いを捉えています。工房に実際に足を運び、話を聞いたような気持ちになる、雰囲気が伝わってくる映画です。

上映後には、KIITOクリエイティブラボ入居の建築家で、映画部を提案してくださった槻橋修さんが聞き手となり、エルメスジャポン株式会社　アート・文化活動ご担当にお話を伺いました。
スライドを用いて、「エミール・エルメスコレクション」のご紹介をいただきました。3代目のエミール・エルメスが好奇心のままに集めたオブジェから成り、代々受け継がれているそうです。人のふるまいのエレガンスを誘発するようなこれらのものたちから、インスピレーションを得てデザインされたものは数知れずあるのだそう。

登壇者のお二人が出会ったきっかけは、槻橋さんが推進者の一人である、気仙沼での「記憶の街ワークショップ」でした。東日本大震災直後、被害で失われた街を模型で復元するプロジェクトです。その記録集をエルメス財団が制作・発行されました。模型復元の過程で、地元の方に聞き取りを行うことで、街に潜んでいる「ものがたり」に触れることができ、それを残し伝えていくことの大切さが話されました。

ものづくりだけではなく、世界中で、人道支援や芸術活動にも取り組むエルメス。その根底にある精神を垣間見ることができる会となりました。

映画部は今後も継続の予定です。どうぞお楽しみに！