2013/7/27
イベントレポート
2013年7月18日(木)
「他者とつながる―1」
今回は、他者とつながり、作用しあうことをテーマにワークを行いました。
途中、いつもの部屋を飛び出して、フロア中を歩いてみることに。ペアになって、片方の人は目を閉じて相手の背中に触れ、見えている人がいろんな場所へ連れ出します。先導する人は相手を気遣いながらも、ソファに登ったり、机の下をくぐったりと、驚かせよう、また、今どこにいるのかを伝えようとしていました。目を閉じている人は「時間が実際の2倍くらいに長く感じられた」「普段意識しない、歩くときの振動を感じた」「床の違いで場所が変わったのが分かった」などなど。手のひらの感触だけを頼りに、どこへ連れて行かれるのかわからない状態は、とても怖かったようで、「わ!」と驚く声や「どこ?!」と確認する声(返事はありません。先導する人は、したり顔。)が飛び交っていました。手のひらがぴったり背中に触れているとまだ安心ですが、前の人の歩くスピードが速くなって指先しか触れていない状態だと、不安で腰が引けてしまいます。そして、それは指先の力の入り方で、先導する人にも伝わります。逆に、先導する人がリラックスしていないと、相手にも伝わって不安にさせてしまいます。
部屋に戻って、今度は手の甲に触れながら、動きました。場所の安心感も大きいですが、同じように目をつぶっていても、背中と手では全然違います。ダンスをエスコートしたりと、より信頼して向き合っているな、という印象。少しくらい走っても平気です。一方的に連れ出す状態から、より深いコミュニケーションへと変わりました。目を開ければ、もっとひらけて、2人だけでなく全体にも意識が向きます。すれ違う別のペアを巻き込んだり、輪の中に入っていったりしながら、流れを変えていきます。
触れる場所によって感じ方はさまざまで、背中は動きをコントロールできない=怖いですが、例えば、肩を掴んでいれば、連れられている人の方からもコントロール可能なので、あまり怖くなくなります。手も、甲と手のひらだと、手のひらの方がつながっている感覚が大きくなります。こうしてからだを触れ合わせたコミュニケーションは、普段、大人の世界ではなかなか出来ないものですが、一歩踏み込んでみると、豊かなコミュニケーションが育まれるのですね。
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