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2013/11/3

イベントレポート

世界のTAKIDASHIキッチン レポート

2013年10月5日(土)6日(日)

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会期1週目の週末に開催された「世界のTAKIDASHIキッチン」。台風接近であわや大雨?!と心配だった空模様も、1日目を小雨でなんとか乗り切り、2日目は曇り、から、だんだんと太陽が顔を出し、見事な快晴!続いて家族連れやお年寄りまで大勢の方にお越しいただいき、ホッと肩をなでおろしたのでした。

“世界の”と謳っている通り、日本、フランス、中国、韓国、タイ、ベトナム、インド、各国の屋台がずらりと。バラエティ豊かな料理に、これのどこが炊き出し?と思われたでしょうか。そもそも、なぜ炊き出し?災害時には炊き出しはつきもの、というくらい日本では浸透していますが、日本ほどスムーズに、システマチックに、あたたかい食事が提供されている国は他にないのではないでしょうか。この助け合いの精神から生まれた文化を、もっと世界に広めていければと考えました。また、炊き出しが根付いている日本でも、その知識やスキルについては、あまり浸透していません。過去の経験に学ぶことで、混乱した状況下、食事が少しでもくらしの支えとなれば。そんな想いで始まったプロジェクトです。

まず、被災時の状況を知り、どんなメニューが炊き出しに向いているのかを探ることから始めました。神戸、東北、海外で被災された方、また、日本で被災された外国人の方、アレルギーの支援団体などへのヒアリング、そしてリサーチを進める中で知った、宮城県山元町の炊き出しの記録が大きな手掛かりとなりました。それらを基に炊き出しのルールをまとめ、出店者の方に炊き出しにぴったりのレシピをご提案いただきました。簡単に作れるものばかりですが、さすがはプロ。どれもおいしい!(KIITOのスタッフの中には、全メニュー制覇どころか、2rd、3rdと挑むツワモノまで…)
被災地で大量の食パンをどうやって食べるか困った、というエピソードにヒントを得た、固くなったパンを使ったスープや、伝統的なインドカレーにも(新しい試みとして)干し野菜を使うなど、どのお店も工夫を凝らしたレシピばかりでした。
さて、お越しいただいた方は、各店舗で料理に使った原材料を掲示していたこと、お気付きになりましたか?これは、アレルギーや宗教上の理由で人によっては食べられないものがあることへの理解を広め、被災時にも、誰もが安心して食事できるようにするための1つの提案です。実際に現場で使えるものを、とデザイナーと一緒に作りました。

そのほか、飲食スペースの隣では、水が貴重な被災時に役立つ、新聞紙やチラシを使った紙の食器づくりを体験していただくなど、おいしく食べて、見て、知って、体験できるプログラムとなりました。限られた条件で普段の生活に近いごはんが作れることは、災害を乗り越えていく大きな支えとなるはず。今回、少しでも多くの方に備えや災害時の対応について知っていただけたのなら、うれしい限りです。

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開催概要はこちら

撮影:
1段目左、2段目左、4段目左/伊東かおり
1段目右、3段目、4段目右/片山俊樹
2段目右/ペータ