2014/10/24
イベントレポート
2014年10月12日(日)、18日(土)、19日(日)
8月からの準備期間を経て、ついに「ちびっこテーラー工房」がオープンしました!
ちびっこうべのまちで働き、遊ぶ子どもたちをお客さんとして、服のオーダーメイドを受け付けました。
お客さんは、まず入り口の受付にて、プロフィールボードを見ながら、どのちびっこテーラーにオーダーするかを決めます。
指名されたちびっこテーラーは、前回のワークショップでシミュレーションした通り、「オーダーメイドカルテ」に沿って、お客さんと話し合いながらオーダーの内容を決めます。お客さんのほしい服のイメージや、予算、納期などを確認していきます。手が込んだものほど高値になっていきますが、お客さんとテーラーの間で交渉が成立すれば、割引・値上げは自由です。
オーダーが取れたら、周囲の壁に掛かっている服を素材に、ミシンを使って制作していきます。製作場所は、子どものまちの公共空間(道)に面しているため、まちの子どもたちは、製作の様子を自由に見ることができます。オーダーがなかなか来ない時は、ミシン台ごとまちの中を練り歩いて営業する場面も。
約束の時間までに服を完成させて、オーダー主の名札を付け、所定の場所に引っ掛けておけば、お客さんは好きな時間に引き取りに来られるという仕組みです。たくさんのオリジナル服を着た子どもたちが、まちの中に溢れました!また、会期の2日目にはファッションショーも行いました。
ちびっこテーラーの作品をほんの一部だけ、ご紹介します。
一連の「ちびっこテーラーワークショップ」を通じて、子どもたちは、自身の作りたい服を思いえがき実際に作るための、アイデアの発想法と技術を学ぶことができました。さらに、それら習得したことがらを使って、他者とコミュニケーションを取りながら、要望や制約がある中で何を生み出せるかという、社会的要素とクリエーションの関係性について経験することができました。
また、日常生活を過ごす場所とは少し違うけれども、それでもある種のパブリックな要素をもつ「まち」において、人が行き交う空間に身を置きながら服を生み出し、それらがお客さんの手にわたり着られることによって、まちの風景を少しずつ侵食していくような状況を生み出せたことは、講師の西尾美也さんがこれまでに取り組んでこられた表現と密接に係わる部分であり、子どもたちにとってもより一層、作る喜びが感じられたことと思います。
ちびっこテーラーたちが、今回の経験を経て、今後さらなる表現の喜びに出会えることを願っています!
写真:坂下丈太郎、大塚杏子、KIITOスタッフ
KIITOアーティスト・イン・レジデンス2014 西尾美也 ちびっこテーラーワークショップ
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