2015/5/22
イベントレポート
2015年5月19日(火)
ゼミ第2回目となる今回は、前半に前回のおさらいとしてゼミへの取り組み方の心構え、+クリエイティブの考え方について簡単に説明をし、その後にKIITOスタッフが事前に行ったリサーチを発表しました。
リサーチは地球温暖化だけに絞らず、「環境問題」という大枠に対してクリエイティブな考え方や手法を用いることで問題解決や啓発を行なっている活動をターゲットにしました。
リサーチ結果を
・活動(設備強化、企業活動、ワークショップ)
・広告(ポスター、チラシ、CM)
・情報可視化(図解、インフォグラフィックス)
の3つに分類し、アウトプットの状態を意識した発表を行いました。
紹介した事例(抜粋)
・Voice Your Choice 環境保護団体の活動支援
・PANDA BLACK お気に入りだった服を、黒く染めて着直すキャンペーン
・re-muji リサイクルされた無印良品の服を藍染めして再販
・カホンプロジェクト 間伐材を活用したワークショップ
・GARBAGE BAG ART WORK ゴミ捨て場をアートするゴミ袋
・greenbird 「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに街のゴミ拾いをする
・ゼロウェイスト ゴミをゼロにする活動
・モノ:ファクトリー リサイクル率95%の産業廃棄物処理業者ナカダイ。廃棄物を素材として使ったワークショップ
・1more Baby 子どもを産める社会実現のための、結婚・妊娠・出産・子育て支援
・GREEN IS GOOD ウェアリサイクル
・green drinks エコな飲み会、ネットワークの創出、ワークショップ実施
・アスファルトで作る地球温暖化メニュー 地球温暖化に警鐘を鳴らし、温暖化に対する危機感を啓発
・グリーンニュースペーパー 楽しく緑の大切さを学ぶ新聞。植えると芽が出る「シードペーパー」で出来ている
・食料の未来を確かなものにするために 食料の未来を描く戦略会議のメッセージの映像資料
・REUSE! JAPAN PROJECT リユース情報サイト
後半は宿題として出していた、環境問題に対してのプロモーション事例や活動事例、ワークショップ事例などのリサーチを班内で発表していただきました。
終了間際には全体に向けて各班から全体に向けてよかった案、目指したい案を発表いただきました。
最後に、次々回に向けて各自リサーチを進めるために、向かう方向性(環境局からの情報を整理する、ワークショップを企画するなど)を大枠を話し合ってもらい、ゼミは終了しました。
下記、各班のミーティング内容
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A班議事録(抜粋)
【リサーチ】
■世界のごみ焼却場の約7割が日本にあり、家庭ごみ焼却によるCO2が原因ではないかという視点からリサーチ
・年間ひとりあたりのごみ焼却時のCO2量+ごみ収集車の排出するCO2量+ごみとなったものの製造時に出るCO2量=186.6kgという試算あり
・ごみ削減の先行事例として、『ゼロ・ウェイスト政策』の徳島県上勝町の試みや、量り売りの上勝百貨店
・祭や行事など楽しい場でリユース食器を体験することから始めてみる
→先行事例:2014年から採用している京都祇園祭、無償でリユース食器を貸し出す試みをしている新潟市、高校や大学での学園祭でのリユース食器利用を呼びかけているNPO、実施している学校など紹介(神戸市の学校はいまのところ未利用)。
・神戸市の人口分布で最も多い、団塊の世代と、団塊の世界ジュニアをプロモーションのメインターゲットにし、その世代の特徴といわれるこだわりや個性を重視してみる?
→ごみを減らす活動ではあるけれど、おしゃれで楽しく、個性的であったり、気持ちよかったりすることをそれぞれが自主的に体感し、自発的に暮らしの中に定着させていけるものを提案できればいいのでは
■食ゼミでコープの人から聞いたジレンマ
→野菜に傷がつくので包装をしなければならない(手間もかかるしごみも出る)
■若者の関心が集まりにくい。ネット検索、文字ばっかり。画像も教育っぽい。若者の関心が集まらないと嘆いている割には、若者向けではない情報ばっかり。「地球温暖化対策」を調べて見ると文字小さく気分がなえる。
・エコに貢献できること:スタバの容器持参はかっこいい。おしゃれで安くなる若者も親しめる
・食品トレイの会社「エフピコ」(広島)は全国に拠点があり、リサイクルに貢献している。エコマーク認定を受けている
■木を切ると環境に悪いって言うけれど、昔は切って薪として利用していた。切ったほう新陳代謝ができ、切らなくなったから、森林が何百年も体験したことがないような状況が生まれている。切って、若い木を増やした方CO2の吸収が良い。燃やす前に材料とし利用してから燃やすとより良い
■地球温暖化がホントなのかどうかは気にしないという方向
・「疑問」を持たれやすい課題を、どう前向きにとらえて「動いて」もらえるかをプロモーションできる試みとする
■「説得力≒インパクト」、再生可能エネルギーの切り口
・ガソリン:電気・水素で膨大な量の削減見込みあり。しかし、どの代替技術が標準になって省コスト化されるかはわからないため、今回のプロモーションに使うのは難しい
・プロモーション自体でエコを表現、他のプロモーションと違う何かを表現する
・ITは時間・距離を消滅させて情報を届けることが可能。受け取ってもらえるきっかけさえあれば、エコ。
・受け取ってもらえた、反応してもらえた事から、エコが数値的に計測。(神戸市役所から受け取った人までの距離を輸送費などに勘案とか?)
→数値の積み上げを人と人のつながりを利用してリレーしていくという拡がりが可視化が感動を生み、思いもよらない広がりがあるかもしれない(アイスバケツチャレンジで少し賛否分かれますが)
■エコって何?
・再生可能エネルギーに置き換える。エコといいきれない。全体でエコを選ぶのか?
・一年間でやるプロモーション:ピンポイントでこれだ!と注目してもらう、体験した人には深く刺さるもの。
・みんなに言いたくなるようなこと。
・写真にとって言いたい。
・エコのきっかけ。
■ガーディアン紙の気候変動キャンペーントップ10の中から、3位のiChange competitionを紹介
・「私が変える」を短い映像にしてYoutubeに投稿してもらうキャンペーン。
・市民が参加しながら、幅広い試みを紹介。
・コストを抑えて、若い人も巻き込める。
【意見交換】
・地球温暖化のプロモーションをする際に、よくも悪くもいろんなイメージのついている「エコ(eco)」ということばは逆に使わないのも面白いのではないか。
・“もったいない”とか、“節約”ではなく、楽しいとかかっこいい、おしゃれなこととして、暮らしの中に入っていくようなことを提案できれば
・同時に、“啓蒙・啓発”といった、ある意味“上から目線”であったり、教えるタイプの提案は、おそらく受け手はもうお腹いっぱいになっていて、届かないのでは
・種となるものを提案し、それをどうしていくかいっしょに考える
・体験したり行動して体感して考えていきましょう、みたいなもののほうがいいのかも
【アウトプットの方向性について】
■「おしゃれ、かっこいい」をキーワードに
■ITを使ったキャンペーン
・「やったよ」を投稿して紹介する
・やりっぱなしで終わらない
・試みを紹介し合うしかけ
・環境局の知識の可視化(審査)データ
■環境局がこれまでやってきたこと(キャンペーンなど)の効果を紹介
例)エコバッグ何個作ったの?レジ袋どれだけ削減できたの?などの情報の可視化
■イベント
・ネットで見ていて面白いイベントのしかけ
「美人ゲート」「そうじゃないゲート」の例
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B班議事録(抜粋)
【リサーチ】
・電力会社と自治体による家庭の無料省エネ診断
(省エネ専門家よるアドバイスを提供)
・鷹の爪団とのコラボによる広報活動:資源エネルギー庁×鷹の爪「みんなで支える再生可能エネルギー」
・京都市の環境広報施設(京エコロジーセンター)
・エコ生活の体験紹介による”じぶんごと”に感じられる情報発信
・打ち水イベントによる冷房使用削減
・電化製品などを修理する地域コミュニティイベント(Repair cafe)
【アウトプットの方向性について】
・省エネ専門家による診断は効果金額が具体的に分かるためモチベーションが上がる
・電力に関する話題を伝えていきたい
(データは神戸市の資料から引用できそう)
・情報可視化や広告の方向性で検討したい
・20〜30代の働いている人を中心に伝えたい
・お金や労力などの身近な情報に置き換えたほうが伝わりそう
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C班議事録(抜粋)
【リサーチ】
■ロハスフェスタ
・テーマは、おしゃれにかわいくエコを実践
・マイ箸・食器の利用を促進するシステム
・手作り雑貨や地産地消食材を使用したフードの販売
■省エネ型ビジネススタイル実践中
・ステッカーの掲出
・大田区地球温暖化対策地域協議会にて実施
・事業所や店舗等に募集
・実践中の省エネ対策をステッカーにして掲出しPR
■子ども向けワークショップ
・地球や北極のシロクマなどに向けた手紙を書いてもらう
・小学生の地球温暖化問題に関する理解を深める
■そば殻枕づくり
・エコハウスやまなしで実施
・そば殻まくら作り体験を通して地産地消やリユーズの理解を深める
■港北あかりプロジェクト
・横浜市港北区にて実施
・街をあげてLED利用を促進
■緑のカーテン
・窓辺でつる性植物を育て、直射日光をさえぎる「緑のカーテン」
・夏場のエアコン使用の抑制
■坪田愛華さんの地球の秘密
・12歳の若さでこの世を去った少女,坪田愛華の作による地球環境漫画
・6年生の国語の授業で環境問題調査の一環として作成
・全11ヶ国語に翻訳されて世界各国へ贈られている
【意見交換】
・親子をターゲットにした対策は多くみられる。単身世帯をターゲットにしても良いのでは
・普段の習慣の中で自然と考えることのできる仕組み作りが有効ではないか
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D班議事録(抜粋)
【意見交換】
・広告や呼びかけ、これだけやっても効果がない
→みんな何をすればいいのかわからないのではないか
→ある種しつけ、しくみのようなものをつくらないといけないのかも
・◯◯に取り組めば地域通貨になる、モノ(植物や古着など)と交換できるといったインセンティブが必要?
・予算をとってきて活動しても、予算が尽きれば関わる人がいなくなるようではだめ
→長期的に取り組めるものを考える
・生活に密着した対策を考える必要アリ
(ex.神戸電鉄 運賃高くて結局車の方が安いという判断になり、環境に負荷がかかることをしてしまう。)
・予算をまんべんなくばらまくよりも、効果が出ると期待できる部分に集中的に投資?
・しつけであってもしつけと気づかないうちに生活に密着していることが求められる
(ex.お金を払うの嫌だからエコバッグを持っていく。環境対策だけどみんなが自然とやっている。)
・興味がない人にも伝わるしくみづくり
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第3回目の次回は、一般社団法人Think the Earthの上田壮一氏によるレクチャーです。
+クリエイティブゼミ vol.15 環境編 「地球温暖化対策プロモーション大作戦!!」
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