2015/6/30
イベントレポート
2015年6月13日(土)
「食からはじまるライフデザイン -自然によりそう暮らし- volume.3」を開催しました。
都市で生活する人々が、食を通じて自然に寄り添い、こころ豊かな暮らしを楽しくデザインしていくきっかけとして本企画は、2014年11月にスタートしましたが、今回はその第三回目です。
2014年11月3日開催 volume.1のレポートはこちら
2015年2月8日開催 volume.2のレポートはこちら
第三回は『タネのある暮らしを愉しむ』をテーマに実施しました。
タネのデザインの美しさを知る
講師の出口さんは、たくさんのタネを収集し、その保存をされながら、移動販売の八百屋さんをしています。
そんな出口さんは、私たちが食べている食物はほとんどがタネから育ち、そこから実ったものを食べているため、タネがなければ食物を食べることができず、タネを守ることはとても大事だということを、伝える活動を日頃からされています。
タネにもいろいろな種類があり、その見た目はとてもデザイン性が高いと、スライドを見せながら出口さんはおっしゃっていました。また、タネの名前にはおもしろい由来もあり、例えば「花嫁小豆」は「花嫁さんがいつ帰ってきても炊ける」という意味があるそうです。
タネのめぐり、サイクルを知る
タネを収集している出口さんですが、今回は約100種類のタネを持ってきていただき、参加者みんなで観察をしました。
その際にタネのサイクルの話をしていただき、タネを蒔けばちゃんと野菜になり、できた野菜をすべて食べるのではなく、次の野菜を育てるためのタネを残すことも大事だということを教えていただきました。そういったことも、農家さんであればタネを蒔いているので知っているが、普段スーパーなどで野菜を買っているだけだと気づかないことも多く、タネの大切さをより多くの方に知ってもらえることは農家さんもとても喜ぶそうです。
色々なタネを見て、そのサイクルを学んだあと、13種類の蒸したタネ(主に豆)を食べ比べしました。「粉っぽさを感じるのはインゲン豆」など、それぞれ感想が色々と出ていました。
はじめはタネとして見てきたものを、ここで初めて参加者は口にしたのですが、「タネと思うか、豆と思うかは、蒔く気持ちがあるかどうかだ」と出口さんはおっしゃっており、とても印象的でした。
タネを蒔く
タネのサイクルを知ったところで、実際に参加者1人1人が、自分でタネを植えてその苗が育つ過程を体験してもらおうと、「金ゴマ」と「黒豆」のタネを、それぞれポットに植えて、各自持って帰ってもらいました。
後日、参加者の方からは「こんなに育った」「収穫できた」と、嬉しいコメントもいただきました。
タネ料理を食べる
最後に、木下かよこさんに料理していただいた、約10種類のタネをつかった料理を参加者全員で食しました。
<メニュー>
・玄米ごはん(大納言小豆、イロイロ米)
・黒っこむすび(胚芽米、黒大豆、黒ゴマ)
・えごまのふりかけ
・黒豆コロッケ(丹波黒大豆)
・もちきび入り春巻き
・いとこに煮(春日黒さや大納言小豆、かぼちゃ)
・もちきびアーモンド
・炒り黒豆とひじきにお重ね煮
・ひたし豆(青大豆)
・白いんげんと重ね煮のスープ
・まだか漬け(炒り黒豆)
・ごぼう漬け
・新玉甘酢漬け
・白あん(白小豆)と玄米コーヒーとイチゴの甘酒アイス
タネがあることの大切さを知り、最後に食すことで、美味しく食べて楽しく暮らすということを参加者のみなさんと一緒に学びました。
イベント内で展示した約100種類の種は、その後、約1か月間展示を行いました。
「食からはじまるライフデザイン -自然によりそう暮らし- vol.3」
タネのある暮らしを愉しむ EXHIBITION