2015/8/17
イベントレポート
第4回のゼミを終え、今回は課外授業として、神戸医療産業都市の現場を実際に訪れ、現状のリサーチを行いました。
はじめに、「理化学研究所 計算科学研究機構」でお話を伺いました。ここでは、2015年現在、世界第4位を誇るスーパーコンピューター「京」を運用し、計算機科学分野と計算化学分野を連携・融合させた研究が行われています。
見学させていただいた計算機室には、864台の筐体(システムラック)が整然と並んでいました。1筐体あたりの重さは約1トン。全体像が見えた時には、その迫力にゼミ生の皆さんからも感嘆の声が上がっていました。
現在「京」は、創薬、地震・津波、気象、宇宙、ものづくり、材料の開発など、幅広い分野の研究で活用されています。多くの分野の研究者が使用することを考え設計されており、公募を経て採択された課題で、現在も研究機関、大学、企業の研究者・技術者が利用しています。
私達の見学時にも、絶えず活動をしていると説明がありました。
また、「京」による研究の成果物として、高知市を舞台に、災害時に市民20万人が一定の行動パターンで避難する様子を計算した、避難行動シミュレーション映像をご紹介いただきました。
1人1人が一定のルールに基づき行動する様子は、リアリティを重視して計算がされており、被害予測の精度の高さが伺えました。
その後、「キメックセンタービル」の展望台へと移動しました。
展望台からは、ポートライナーの線路に沿って、多くの施設が立ち並ぶ様子を見ることが出来ます。
まだ利用されていない、広々とした空きスペースも多く確認することができ、土地の活用方法にも可能性が感じられました。
最後に、「神戸低侵襲がん医療センター」に移動しました。
こちらのセンターでは、「小さく見つけてやさしく治す」を指針とし、患者さんの負担を最小限に抑えた「低侵襲医療」を行っています。
最新機器を使用した放射線治療や、施設が得意としている画像診断、IVR(血管内治療)などについてお話いただきました。高度な知識を集約させた先進的な治療施設として、全国から注目を集めているのだそうです。
施設が神戸ポートアイランドに位置することで、神戸医療産業都市の中核施設と連携を図ることが可能なため、複数の診療科がきめ細やかに連携し、より良い集学的治療を提供することができているとのお話もあり、医療産業都市ならではの魅力が感じられました。
施設内見学では、最新の放射線治療機器や、画像診断室を見学。現場ならではの、職員の方たちのがん治療に対する真摯な姿勢も垣間見ることができ、貴重な体験となりました。
専門的な医療や研究についてのお話は、やはり理解が難しく感じられますが、今回、実際に医療産業都市を歩き、その特色である最先端の医療や研究を職員の方にお話頂いたことにより、グループディスカッションだけでは得ることのできなかった新しい視点を発見した方がたくさんおられたのではないでしょうか。
次回からのグループディスカッションで、それぞれが得た発見を共有し、新たなアイデアを生んでもらえたらと思います。
+クリエイティブゼミ vol.16 まちづくり編 「神戸まちラボ CASE01 医療産業都市」
開催概要はこちら