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2016/7/20

イベントレポート

+クリエイティブゼミ「ちびっこうべのまちを考える」第5回

2016年7月17日(日)

+クリエイティブゼミ「ちびっこうべのまちを考える」
5回目のこの日は、これまで各チームで考えてきた仕事の内容を発表しました。講評は、講師の永田と、ゲストの槻橋修氏(株式会社ティーハウス建築設計事務所、神戸大学准教授)にいただきました。

以下、各チームのプレゼンと講評内容です。

チーム「まちの仕組みをつくる」

○ハローワーク
ハローワークに行くまでに大きな案内板を用意して、そこに仕事内容を書き出したものや写真などを張り付けて、仕事の内容がわかりずらくて混雑したり直前まで仕事内容がわからないという問題を回避。さらに記入用紙を用意し、第三希望まで事前に書けるようにしておく。仕事の難易度も見える化したい。

○学校
ただ学ぶだけでなく、まちに関わりをもつため、マイスター制度を導入。30分技術を学んで、つぎの60分で大人を対象に技術を実践する(バリスタ、マッサージ、健康診断など)。大人は電車に乗って病院などまで移動し、子どもの健康診断を受ける。マイスターになると子どもに伝える講師になれる?

○電車
前回の観光ツアー(船)を電車に。線路と駅をまちに設置。

○警察官
大人誘導やパトロールの仕事に、電車運行時の警備を追加。

○刑事
警察官と差別化。まちのものが盗まれるなどの事件を解決する。

●講評
槻橋:ハローワークで仕事の紹介するのはよいのでは。学校は全体に関わるようなプログラムになればいいと思う。電車は、イベントや駅のデザインとの兼ね合いが必要。健康チェックはアイデアとしてはいいが、それに応じてくれる大人がどれだけいるか。子どもが形式的なやりとりだけしか行われないのであればそこまで行う必要があるか。前回の病院ではお客さんとの関係がなかったので、そのときの仕掛けをもう少し考えられる。刑事はあまりまちで仕事があまり表現されない。警備などはその仕事の内容を共有できている人でしかわからない。

永田:今の仕事の空き状況や内容がわかる掲示板のようなものがあればいいなと。学校は、学んだことをいかせる場をつくるのはいいと思う。学ばないとできないという仕組みはむずかしい。初心者でもできるけど学校で学ぶとより実践できるような仕組になっているとよいのでは。刑事は、リアル脱出ゲームのように、既存のまちの要素を簡単にクイズにするようなものにして、刑事というよりは探偵としてまちを使いながら仕事にできないか。刑事の仕事のバリエーションを考えるとよいのでは。探偵は仕事にするか誰でも参加できるような仕組みにするか検討できる。電車はなぜ船から変わった?

ゼミ生:線路をひきたかった。

参加クリエイター:前々回は仕事を急遽つくるために養生テープを使って線路をつくった。台車に乗って大人が押していた。

永田:線路を用意するとなると、混雑の問題などいろいろ考えなければいけない。

槻橋:ヨーロッパのトラムのように、通るときだけ電車が通って、それ以外は人が行き交うような状態は考えられる。

ゼミ生:整備は警察がやれば仕事になると思っています。

永田:観光ツアーの抽選はもっとデザインできる。病院のカエルは変えてもいい?AEDもどこまで使うか等要検討。

チーム「ものをつくる」

○素材ラボ
販売員はデザイナーが買い出しに来たときに販売する。前回のように紙と木などを分けない。素材組み合わせの見本帳を用意。端材の詰め合わせセットをつくる作業。外回りにも。
素材マイスターは学校で授業を受けた人だけなれる。マイスターは給料が倍。詰め合わせセットをつくるときの指導。
素材研究員は素材の組み合わせを考えてカタログを4日かけてブラッシュアップする。
マイスターと研究員を分けるべきか考えられていない。研究員はマイスターしかできないとか。

○まちラボ
ちびっこ大工は神社の鳥居と神輿をつくる。最終日に祭。祭では大工ではなく祭担当。神輿でまちを練り歩く。
都市デザイナーはシンボルになるオブジェをつくる。2時間ターム。市役所と連携して、行政からの予算内でおこなう。3人4チームでコンペ。みんなに投票してもらって内容を決める。2日目設計?制作、3日目制作、4日目制作?祭。
イラストレーターはまちの風景をスケッチして、スキャンして画集をつくる。スケッチはギャラリストに買ってもらう。
ちびっこテーラーはまつりの法被をつくる。かんたんにユニフォームをつくれる仕組みを用意しておく。

●講評
槻橋:マイスターや研究員がどこまで活躍できるか。給料がちがうのは生っぽすぎないか?現実にするにはそれぞれエネルギーがいる。都市デザイナーのオブジェには大人のちからも必要だろうからどこまでできるか。イメージはよいので、こどもができること視点から考えられないか。

永田:祭をやるとなると本気でやらないと。ちゃっちい祭ならやらない方がいい。参加する人と見る人という関係性もうまれる。祭をベースにしているので、まちの骨組みにかかわるので早く決めないといけない。やるにあたっては事務局としっかり準備しなければ。
素材ラボと言いながらデザインラボ。テーラーもそうだが、誰に学ぶかがキーになるのでは。デザイナーはたくさんいるし、テーラーなら手芸が得意なおばあちゃんでもいいかもしれない。誰に学ぶかが重要。せっかく学ぶならなんちゃってを学ぶのでなく、ここに来た子どもたちがプロに学べたり、短時間で劇的に変わるような学びがあれば。

槻橋:祭をやる人は仕事じゃない。青年部みたいな。

永田:祭に関わるとほかのことを切り捨てて没頭しないとできない。全体のプログラムのなかで祭をしっかりデザインしないとよくならない。参加してた人だけが楽しいだけなら…
オブジェづくりは途中からちがう子が入ったときに成り立つか。

ゼミ生:考えることとつくることを切り分けてるので子どもが変わっても成り立つのでは。ときどきの変更は許容するとして。

永田:子どものまちでは文化祭的になってしまう。ユメミセであれだけのクオリティを求めているのに対して、まちづくりの方がなんちゃってだとつらい。前回のテーラーにきてた女の子はスキルとして身につけて帰っていった。そこまでの子がでてくるような仕組みにまで持っていってほしい。いった。そこまでの子がでてくるような仕組みにまで持っていってほしい。

チーム「まちの楽しみをつくる」

○写真館
写真館Aの出張カメラマンはまちの風景を撮る。
ポートレートカメラマンは場所を決めて写真をとる。
写真館Bではスタジオアリス的にコスプレして写真を撮る。
写真館はコスプレした人だけでなく、顔ハメパネルで写真をとるだけでもいいし、できた写真の使い道もほかに考えられる。
写真を壁に貼り付けて大きな絵にできるといいのでは。
写真館Bはマジックミラーで保護者は中を見れる。

○アイドル養成所
スカウトがまちの子どもをスカウトして、アイドルに。テレビ局と連携してデビューさせたい。CMソングがあって振付け師が踊りをつけてタレントとしてデビューさせたい。

○子どもバー
市役所の裏手に入り口があるアングラな場所。バーテンダーとして、食べ物の組み合わせでちがう味になるものや子どもビールを売る。てんぐと連携して、てんぐのレートを入手して情報を売る?バーではてんぐでしか使えないコインも使えるように。

○占い師
スマホでアナグラム映像をだす。
なるべくお金をつかう場をつくる。

●講評
槻橋:こどもが理解できるようにデザインしないといけない。コスプレをやりたいだけのひともいるのでは?まちではみんな仕事をしているけど、それとコスプレとのちがいは?すでになりきっているのにコスプレする意味は?写真館としてというよりはボディペインティングとして独立しそうだなと。
アイドルはメディアにのって広報する、それをプロデュースすることは、できたら面白いと思うけど、スカウトやマネージャーのような仕事がこどもにできるのか。プロセスを考えると学校でやった方がいい?
休める場所としてのバーは使われるだろうなと。そこで特定のイベントが必要なのか?場所を用意するだけで人は集まるのでは?

ゼミ生:バーテンダーに仕事を付加したのはアングラ感を出したかったから。

槻橋:ひとと出会って情報を交換するという機能なのであれば、仕事の内容や感想を情報交換するのでもよいかも。ただそれがみんなで共有できるのかが不透明。そこに来たら仕事をしなければいけないようになるとよくないのでは。

ゼミ生:てんぐの情報を伝えるということしか想定していない。

槻橋:その情報がどこまで必要か。てんぐをわざと閉じた設定しているところで別のルールをつくってよいのかも慎重に。

永田:写真館はだれが撮るのか、こどもならだれが教えるか。へたくそな写真だと意味がない。それも学校で講習をうけると仕事ができるようになっているなど。そのカリキュラムのつくりかたが大事なのでは。
メイクアップアーティストは、ふだんできないコーディネートが学べるなど。
養成所は名前をCM制作会社にすると全部セットで仕事の意味ができるのでは。目的をもっとはっきりさせた方がよいかも。
占いも誰から学ぶかが難しい。かんたんにできる占いが学べる学校があればよいが…
まちの楽しみ方を考えなければ。複雑になりすじて、楽しみ方がわからなくなるとよくない。その情報を伝える機能が必要になるほど複雑になってきている。観光案内所?
ゼミ生:占いは、色塗り占い、誕生日占い、どうぶつ占いの3つを想定している。

槻橋:この仕事がおすすめとか。

チーム「まちのにぎわいをつくる」

○音楽隊
まちに時間を知らせる仕事。マーチングでまちを歩く。音楽工房と連携してつくった楽器や調理器具などで演奏する。リズムカードの組み合わせで音楽をつくる。

○ランドスケープデザイナー
まちを4日間かけていろどる、休憩場所をつくる、遊び場所をつくる役割。まち全体を働く場所にしたいので、まちに地形をつくりたい。そこからきっかけを。滝、川、海など。1時間ごとにエリアや機能を区切って仕事をする。

○音楽工房
楽器をつくる。祭やCMなどで使用。楽器の説明書をつくってもらって、楽器の特徴などを考えてつける。ストリーミュージシャンがうまれればいいな。ランドスケープデザイナーと協力?

○えんにち
前回とほぼ同じ。景品をつくるところから仕事にする?

●講評
槻橋:音楽隊など練習が必要なのでそこのデザインが重要。マーチング以外のときに誰でもかれでもいつでも演奏できると音楽隊の意味が薄れるのでは。楽器工房はレンタル?売る?

ゼミ生:売る方向で考えてます。

槻橋:じゃあ持って帰れる小さなものになる。売るより自分でつくってそれを鳴らした方が楽しいのでは?売るまではやりすぎでは?素材を買ってつくって鳴らす。
ランドスケープデザイナーは当日までなにもない?去年は全体のゾーニングのなかに公園を考えていたが、今回はそこまではやらないと。地形は子どもは考えない?

ゼミ生:子どもが達成感を得るために、子どもの想像のきっかけになるベースになるような地形をはじめに用意しておこうと。

槻橋:さっきの都市デザイナーと似ていて、4日間バラバラのこと、クリスマスツリーの飾り付けに近いことのように見えて、ランドスケープデザイナーではないのでは?

ゼミ生:イメージとしては造園的。

槻橋:全部お膳立てしておいてあとは飾るだけというのは、小さい子向けにはいいかもしれないけれど、ちびっこうべのまちとして考えるならもっと考えるべき。ちびっこうべの公園とはどうあるべきか、そもそもちびっこうべに公園はいるのか、というところから考えるべき。他の部分の計画抜きに考えられない。トライアルワークショップで段階を踏むなら…
小さい子が遊ぶ場所は必要かのかも、そのための公園ならあり?トライアルにくるこどもたちとそういうものを作るなら。

永田:音楽隊の音楽を奏でるまでのプロセスを考えなければ。音楽系のワークショップは時間がかかる。そうでない、手軽だけど音楽になっていて、こどもたちも感動を覚えられるようなものにできるか。相談できる人が必要?メロディラインはこどもでないとか。そのプログラムが重要では?

ゼミ生:現状のアイデアはリズムカード。それでだめなら誰かパートナーをあたろうかと。

永田:ランドスケープデザイナーは今と別の方向性の方がよいのでは。前回心配だったのが、木や花を植えることがランドスケープデザイナーだと思われているのではと感じた。プロのランドスケープデザイナーの手伝いだけでもよいかもしれない。空間を演出することのすごさを感じてもらいたい。

チーム「情報を収集・発信する」

○新聞社
ほとんど前回のまま。1日かけて紙媒体で発信。レイアウトや記事の見やすさなどを学ぶ。感想文でなく、記事として分子を書くことを学ぶ。前回はイラストを描いていたが、写真館から写真を買うことも想定。情報スピードは遅いがその分濃い情報、持って帰れる情報を重視。専用のメモをつくって持って帰れる特典付き。

○テレビ局
インタビュー番組を制作。2人1組、インタビュアーがインタビュー、ディレクターがアポ取り。テレビ局の特徴は取材相手の考えをなるべく明確に伝えること。ブースにテレビ枠をつくって生放送。カメラを設置してモニターに放映してもよいかも。ユニフォームはカーディガンで、ディレクター巻きを!

○ちびっこエディター
ちびっこうべのキャラクターのアカウントをつくってツイッターで外に発信。依頼書をつくってCMの依頼をうける。スマホなどを使用してリアルタイムで情報発信。限られた文字数で自分の考えを伝える。親、世界に向けてちびっこうべを発信。新聞社とはスピード、メディア横断、自分の直感を伝えることを学ぶ点で異なる。なかにモニターをおいてタイムラインをうつす。前日のタイムラインは印刷して、休憩所などにはって情報共有+いいねができる。

●講評
槻橋:エディターの仕事が複雑。新聞やテレビと重なるところもある。もうひとつのメディアという印象。魅力的なプログラムだけど。それぞれ何人参加?

ゼミ生:エディターは8人。

槻橋:エディターはホームページ担当者のようなイメージ。こどもが対外的に発信することについて事務局として調整すべき。
テレビは動画を撮ってためるというのはよいと思うけど、5分の番組をつくるのは大変。1分程度の実を保てるようなフォーマットは必要なのでは。

永田:新聞社は、カメラマンと一緒に仕事をしたほうがいいのでは。新聞社もツイッターとかやるから統合すれば?新聞社の記事をその場ですぐにあげればよいのでは。テレビ局はCM制作として機能すればよいのでは。専門家がついてもらわないとできないのでは。機材がいるから。

●総評

槻橋:光るアイデアが多かったが、仕事を現実世界的に考えがちだが、ちびっこうべでこどもが理解して動ける仕組みを精査する必要がある。やらされてる感じにならないようにつくらなければ。まだ具体的に空間ができるかを想定できない状況なので、そこまで具体的に考えなければ。

永田:それぞれのプログラムはいい感じ。ここから先は、ひとつはプログラムを単にやっただけでなく、どういう学びがあるか、なにかこれからのきっかけになっているかが大事。なんらかの技術に触れてほしい。プロでなくても、技術や知識をもった人はおじいちゃんおばあちゃんなどたくさんいる。今は風呂敷を広げているので、たたみながらできるところを見極める。方針を出さないと時間も限られている。いろいろと仕事同士で連携がありそうなので、絞り込みを考えつつ連携も考えられれば。同時にゾーニングまで考えられれば…スペース、マンパワーも影響する。

次回以降は、今回の講評でいただいたご意見を参考に、考えてきた仕事を精査して、実際にちびっこうべのまちで実施するための準備をそれぞれのチームごとに進めていきます。

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