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2020/12/19

REPORT

「+クリエイティブゼミ Vol.35まちづくり編「空き家の新たな活用方法を、地域豊饒化の観点から考えてみる」」第1回目レポート

去る12月8日(火)より、「+クリエイティブゼミ Vol.35まちづくり編「空き家の新たな活用方法を、地域豊饒化の観点から考えてみる」」がスタートしました。このゼミは「神戸市すまいとまちの安心支援センター」(すまいるネット)との共催で開講され、実際にある空き家を対象として、その活用のアイデアを考えことを目的としています。
空き家の活用については、住居としての再活用、リフォームやリノベーションの実施、DIYといったことがらが注目されていますが、今回は、1つの物件(建物)を対象として想定し、新しい使い方・使い道がないか、もっと幅広く使い方を考えることができないか、空き家を使ってみることがをもっと身近にできないかといった点から、アイデアの策定を目指します。



空き家を「みんなの空き家」に
ガイダンス、ゼミのスケジュールの案内の後、ゼミマスターの永田宏和(副センター長)から、今回の空き家ゼミの趣旨が紹介されました。

空いている物件を若い人がDIYで改修して、カフェなどの形で利用するというのは、空き家として比較的よく聞かれる事例だと思われますが、今回のゼミ目指すのは、空き家を何らかの特定の活用の枠内にとどめるのではなく、広く「みんなの空き家」へとあり方を変えられないか、ということです。

空き家を自分たちに縁のないものではなく、自分たちにも使えるものとして捉えなおすことによって、空き家を使うことから、人生や日々生活、さらには地域社会を豊かするきっかけを作ることができないか……、そういった視点から、「空き家」にアプローチすることが、今回のポイントになります。その上で、実現が可能かどうかは押さえながらも、従来からの事例にとらわない、多様な空き家の可能性を、受講者のみなさんと模索していきます。

あるいは、現在の新型コロナウイルスの感染拡大の影響も重要になります。在宅勤務などの広がりで、家とは違う場所の需要の高まっていることも考えられます。そこの需要に「空き家」が一致する可能性もあるでしょう。加えて、現在の状況下での需要や、このゼミで考えられる使い方に対して、どうやってそのアイデアと空き家を、どうつなげるかも重要になるはずです。

年齢層やライフコース、働き方など、様々な観点・立場も、空き家をどう使うか、何ができるかを考えるときに重要になりますし、あるいは、地域に活動を起こすことに始まって、活動の為の場所がほしくなるといった、空き家の利用にたどりつくプロセスも重要になります。

まだまだ、色々な空き家の可能性は明確に言葉や考えにはなっていませんが、ゼミでの通じて、受講者のみなさんと手がかりを探っていくことになります。明確に言葉や考えとともに、効果的なアイデアが現れるのではないでしょうか。


課題としての「空き家」の現状と、「活用」する際に重要なこと
つづいて、今回のゼミを共催する「神戸市すまいとまちの安心支援センター」の山下卓洋さんから、神戸市の空き家の問題の現状と、それに対する取り組みついてご紹介をいただきました。

阪神淡路大震災で、すまいについての相談を受ける窓口が必要になったことを受けて、「すまいるネット」はスタートし、2020年で設立から20年となります。すまいについての相談以外にも、住宅についての補助の受付、空き家の活用についての業務も行われています。

空き家活用については、2015年から本格的に取り組みがスタート。その背景には、人口減少が進展していること、世帯数が減少傾向にあること、またそれに伴って、空き家の総数が増えるという予想がありました。2018年で住宅総数のおよそ13%(11万戸)が空き家となっています(全国平均と同程度)。中でも、多くの空き家のうち賃貸にも売却にも供されない、「眠っている空き家」の活用が重要になっているとのことです。

活用をめざす取り組みとして、空き家相談窓口と地域利用バンクが行われており、後者はオーナーと利用希望団体とのマッチングを行う試みとして実施されています。転活用や用途変更を通じて、地域の人たちが集える場として活用を目指すことに特徴があり、長田区の駒ヶ林では、空き地が、地域交流、多文化交流促進を目的とした「多文化共生ガーデン」として活用されるに至りました。

転活用の取り組みに関わる中で、転活用の「キーマン」の必要性を感じられているとのことで、空き家がある地域にある取り組みや活動、使いたいという人、オーナー、空き家の活用につなげる人、などが「キーマン」として挙げられました。第2回目のゲストの大川さんは、つなげる人に近い立場と言えるかもしれません。

また、今回ゼミでアイデアを考えるにあたって受講者に念頭においてほしいということがらとして、オーナーとの信頼関係(考え、どんなふうに使いたいかを伝える)、地域の状況(どんな取り組みが行われているかを綿密に調査する)、事業プラン(考え、理念、内容、改修の有無、希望や意思)などをあげていただきました。オーナーとのコミュニケーション、条件を詳しく明確に伝えること、イメージすり合わせによって、しっかりと情報の共有と合意ができているか……etc、これらが、アイデアを策定する際の前提となるはずです。

おふたりのお話の後、今回、アイデアを考える際の対象となる物件について、立地や周囲の状況、建物内の様子などを紹介しました。

会場、オンラインでのチャット双方から多くの質問も挙げられ、空き家になっている要因、空き家、空き地を利用する目的で多いものは何か、オーナーや空き家を活用したい人年齢層、建物の状態、一般的に、どの程度手を入れているのか、面白い転活用事例はあるか、などの空き家の一般的な動向についての質問とともに、今回紹介された対象物件のもともとの用途、近くにスーパーなどの買い物できる場所があるか、近隣小中学校区の生徒数の増減傾向、物件についてのオーナーの想い、近隣の住宅地の様子など、物件についての質問も盛んに寄せられました。

12月15日(火)の第2回目では、大阪の此花区で活動されている、大川輝さん(POS建築観察研究所)をゲストにお招きして、空き家が活用されている事例や、どういった方が、いかなるきっかけで此花に来て、活動を始め、空き家を借りるに至っているか、などといった事例を中心に、お話しいただきます。

グループ分けに向けたカテゴリー・テーマも、第2回目で提示される予定です。

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