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2021/5/11

REPORT

KAVC×C.A.P.×KIITO×F美クロストーク「Marching KOBE ナビ」~2020年総ざらえ!変わったこと、変わらないことの巻~ レポート

2月11日(木・祝)

「KAVC×C.A.P.×KIITO×F美クロストーク「Marching KOBE ナビ」~2020年総ざらえ!変わったこと、変わらないことの巻~」をオンラインで開催しました。
神戸市内においてアートやデザインを扱う施設として活動する神戸アートビレッジセンター(KAVC)、C.A.P.(芸術と計画会議)、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)、神戸ファッション美術館(F美)が連携し、各館の活動を協働して盛り上げるための取り組み「Marching KOBE」。例年と同じく各館を会場とした対面型トークイベントの予定でしたが、今年は新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点からオンラインで開催しました。このイベントのみならず、1年間感染症対策を講じながら活動に取り組んできた各館のさまざまな“変化”を振り返りながら、今後の文化施設の在り方について考える機会となりました。

  

  

トークでは、まず4館それぞれが自己紹介も兼ねてこの1年の出来事について振り返りました。神戸ファッション美術館の仲井雅史さんは、最初の緊急事態宣言の影響を受けた休館時には「非日常」と感じていた状況が今となっては「日常」になってしまったことが大きな心境の変化だ、と話します。しかし悪いことばかりではなく、オンラインを活用した新しい展覧会の形式模索するなど、新たな展開を考えるうえで活動の原点を見つめ直す良い機会になったとのことです。
続いて神戸アートビレッジセンターの野澤美希さんも、今の状況を「イベント開催の手法が増えた」と前向きに捉えます。オンライン上で実施する演劇など今までになかった手法に挑戦したり、アーカイブが残るというオンライン配信の特性からイベントの位置づけを見直してみたりする等、イベントそのものの捉え方が大きく変わった年となったようです。
そしてC.A.P.の高橋怜子さんは、対面型のイベントが開催しにくくなった状況でも作家自身の熱量は変わらず、むしろ「場所にとらわれない企画ができるようになった」と話します。これまでは参加者の表情や会話からわかっていたイベントの反応はInstagramへの投稿で補完できた反面、SNSなどを使う機会が少ない子どもの反応は拾いにくくなる等、今後に活かすべき点も見つかったようです。
最後にKIITOも、初めてオンラインで開催した+クリエイティブゼミでのエピソードや、オンラインとリアルで異なる「2つの鑑賞体験」を試みた展覧会の事例を紹介。アートやデザインと人々を結びつけるという施設としての役割は社会情勢が変わっても変わらず、自分たちの活動の本質を見つめ直す時間だったと伝えました。

  

  

2020年度を一通り振り返ったところで、別に設けていた質問サイトに投稿されていた質問に、各館の視点から答えることに。「作家や演者、クリエイターの活動の機会が狭まってしまったように思う現在の状況がこれからも続くことを考えた場合、公共施設の在り方についてどう考えているか」という今回のイベントの総括のような質問には、各館共通して「活動を止めないこと」が重要だと話しました。多くの作家がスタジオを持つC.A.P.の高橋さんは、作家との距離が近い施設ならではの視点で「作家にとって今の状況が本当に作品制作ができない状況なのかと問われると、実はそうではないのでは」と言います。神戸ファッション美術館の仲井さんも、「ここで」文化が途切れてしまうのであれば、原因はもっと別の、根本にあるのかもしれない」と指摘。KIITOも「文化が先細りしていってしまえば暮らしが豊かではなくなってしまう。そのためにも手法を模索しながら活動は続けていくべき」という考えを示しました。
また、「美術や音楽、演劇等多種多様な表現形態ごとの、オンライン化への適応といった今後の動きについてどう考えるか」という質問に対しては、「コミュニケーションのひとつとしてオンラインという手法が増えた、という感覚」「リアル体験を補完するものではなく、オンラインならではの取り組みに挑戦したい」「逆にオンライン以外の手紙等の方法も立派なコミュニケーション」という、必ずしもオンラインに囚われずあくまで一つの手法として上手く付き合っていくという各館の意見が交わされました。

  

  

文化施設は、ただそこに「在る」だけでは意味を成しません。その場所に多くの人が関わることで作品や企画が生まれ、さらに多くの人が関わることができる機会も生まれます。トークの途中では「今この時まで受け継がれてきた文化は途切れない、そしてここで途切れさせてはいけない」という意見も挙がりました。世界中で同じ問題に立ち向かっている今だからこそ、できることを大切に新たな活動へ展開していく可能性を再確認できたところで、トークイベントは幕を閉じました。

 

「KAVC×C.A.P.×KIITO×F美クロストーク「Marching KOBE ナビ」~2020年総ざらえ!変わったこと、変わらないことの巻~」イベント詳細はこちら

過去のKAVC×C.A.P.×KIITO×F美クロストーク「Marching KOBE ナビ」のレポートは下記からご覧いただけます。
2019年開催 ~初めましての巻~ レポートはこちら
2020年開催 ~チラシ裏話の巻~ レポートはこちら