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2021/11/25

イベントレポート

+クリエイティブゼミvol36 リサーチ・まちづくり編「フラワーロードを軸にSDGs共創イベントを考える。」第7回レポート

9月7日(火)の第7回目のSDGsゼミはオンラインによる中間発表です。各チーム忙しい時間を割いて、チームメンバーとリサーチや議論を重ねてきました。本日はその成果をまとめて発表します。

<中間発表>
Aチーム|
以前永田さんの言葉にあった「正しい答えより、楽しい答えを探そう。」をモットーに私たちは話し合いました。素敵だなと思える姫路市の事例をメンバーが見つけてくれたので紹介します。

 

大手町通り活用チャレンジ「ミチミチ」は、通りを活用しながら魅力向上を目指したベンチプロジェクト。調べてみると海外ではベンチを使ったプロジェクトが100年前からあったそうです。我々は東遊園地でベンチやイスを使ったプロジェクトができないかと考えました。おしゃべりのすすめ「ベンチで話そうプロジェクト」です。東遊園地ではイスのデザインコンテストを実施しており、この取り組みに関して東遊園地と組むと面白いことができるのではと考えています。

SDGsを分かってもらうには、「他者理解」のためにコミュニケーションをとることから始まるのではないかと思います。しかし、SDGsを理解して実際に行動してもらうには、「自分ごと化」が必要です。「自分ごと化」にするためにはイスだけでいいのかという疑問から、我々が考えたのが、「まちあそび人生ゲーム」です。いろんなところで人生ゲーム=「すごろく」をやります。三宮駅からKIITOをゴールに「リアルすごろくゲーム」をします。「すごろく」のマス目にクイズやゲームやダンス、SDGsを理解するためのお話などのアクションを入れ、それを体験することによって自分ごとにできないかと考えました。沿線企業にもご協力いただき、すでに街にあるイスやベンチもマス目のひとつとし、様々なミッションアイデアを考えている状況です。

 

「フラワーロードに“コミュニケーションの花”をさかそう。歩いて、座って、おしゃべりして、リアルすごろくでSDGs」。私たちはフラワーロードでSDGsを自分ごと化する場を「イスやベンチ」と「リアルすごろく」で提供します。楽しくゴールのKIITOを目指して頑張ってもらえたらなと思っています。

講評
永田:「ミチミチ」の取り組みは、ベンチがあってコミュニケーションがとれて屋台など、いかようにも使える場の作り方に面白さがあります。ベンチ×SDGsで新しく「すごろく」の要素も出てきました。「すごろく」の大きな仕組みを持ち込むことで、マス目の中にベンチを入れてしまう考え方や、「すごろく」のマス目に沿線企業やSDGsのテーマが乗っかる仕組みは良いと思います。ただ、いくつかブースの出ているスタンプラリーとAチームが考える「すごろく」は何が違うんだろうとも思いました。「リアルすごろく」にする価値とか魅力についての説明がまだ不足しています。ブースを回るだけではないスタンプラリーとの違いをもう少し研究してつき詰めていくと、絶対参加したい物になってきます。「リアルすごろく」を体験したことがないので、ワードとしては気にはなるけどイメージができない状況でした。もっと「すごろく」の魅力を伝えてもらえたら共感できると思うので、本当のボードゲームにも落とし込めたり、リサーチした話などがポロポロと出てくると、もっと「すごろく」の可能性を感じることができると思いました。

山崎:自分たちの提案がよく見えるような発表をするためにしなければいけないポイントがあります。一つは狙っているコンセプトや課題のどこに尖ったものがあるのかということです。「他者理解」「自分ごと化する」がこの発表でキーワードとして捕まれるものがありました。コンセプトに対するアイデアとして「ベンチ」や「すごろく」の話があり、永田さんのお話にも出ましたが、他の物と(スタンプラリーなど)どんな違いがあるのか?どうして「すごろく」なのかというところが、ポイントになってきます。他にいくつか考えた事例や仕組みと比べた時に、「すごろく」が自分ごと化するときの仕組みとしてうまくいきそうだと考えたポイントを話してもらえたら、「なぜ、ベンチが素晴らしいのか」「なぜ、すごろくがすばらしいのか」聞く方も納得感が増すと思います。方向性としては十分、コンセプトに対するアイデアになっていると思います。

Bチーム|
私たちは「こども先生」というキーワードで進めてきました。
「こどもから学ぼう!」でもその前に「こどもにも学んでもらおう!」ということで「こどもが学ぶ機会」を作りたいと思っています。

 

現在、連続シリーズ講座をイメージしており、17個のSDGsのテーマからいくつかピックアップした物をこども達に学んでもらいます。学んだことからこども達に答えを考えてもらい、答えを出す過程を映像と絵本で記録に残します。

映像はドキュメンタリーとして編集し後から学べるようにします。絵本は、こども達がイメージする未来の姿をまとめ、大人もこどもも読むことができる世代を超えた教科書になります。
 
 

仕組みとしては、こども達が絵のように輪になって話し合います。フランスのこども達に哲学を教える「ちいさな哲学者たち」というドキュメンタリーを参考にして、こども達から答えを引き出していくところから進めていきたいと思います。

レクチャーの具体化やステークホルダーの巻き込み方が、議論してもなかなか進みませんでした。こども同士で対話するための素地づくりが大きな課題で、その地ならしをどのように大人が行っていくのか(こどもにSDGsを伝えていくのか)は、まだリサーチが必要です。こども達がSDGsに取組む大人にお話を聞きに行って学んだり、こどもがSDGsを学べる仕組みづくりももう少し考えます。こども同士が自分たちだけで話し合うことは難しいので、山崎先生やチームメンバーから教えてもらった※p4cというスキームを習って、こども達が話せる場が作れたらと話していました。
(※p4c http://p4c-japan.com/about_concept/

講評
永田:「こども先生」はキーワードとしてすごく良いと思います。気になっているところは、こども達の対話を撮影してドキュメンタリーや絵本にしていろんな人に読んでもらおうとしているところまでは充実しいていますが、こどもはどうやって学び、誰から学ぶのか、具体的な学びの場所がどこで、こども同士がどんな風に対話するのか、などフラワーロードという場面設定をしていることに対して対象や場所のイメージが出てきていません。ステークホルダーとなる人たちとの関わりも見えていない気がします。一番根幹的なこどもが学ぶ機会と、学んだこどもが先生になってという流れがどういう感じなのかが見えにくいです。例えば参加するこども達は神戸市内の代表のこども達で、そのこども達が学んだ後に先生になり、その後は誰に伝えていくんだろう、というプロセスそのものがモデルになって、具体的な場所やステークホルダーを絡めながらプログラムを豊かに肉付けして欲しいと思います。正解はないので、どんどんシュミレーションして意見を出し合って揉んでいけばいいのかなと思います。

山崎:ドキュメンタリーを撮るとか絵本にまとめるなどの具体的なイメージが出てきますが、それらはどういう使い方をするのか、誰にとって意味のある活動なのかのメッセージが欲しいと思います。SDGsにこだわらなくてもいいですが、今回のイベントにおいて「こども」がどこに位置づけられているのかというところをもう少し知りたいなと思いました。全体の強いメッセージ性がどのあたりにあるのかが気になりました。絵本に関して「世代を超えた教科書」という表現がすごく面白いコンセプトですが、ドキュメンタリーの場合だとむしろ記録かもしれません。地ならしという課題の意味ではp4cは参加者が限定されてしまうので、学校みたいな枠組みがあったうえでのp4cなど、どういう規模でどんなやり方でやるイメージなのか(5~6歳でやる場合と、15歳くらいでやるのとでは違いがある)をこれから詰めていければいいと思います。教育はもともとパラドックスを抱えている活動とよく言われますが、p4cのように立場を逆転させたとしても地ならし部分でいくらでもコーディネートできてしまいます。「こども」というワードにインパクトがある分、こども達もうまく管理されないと上手に活動ができず、あんまりやりすぎてしまうと普通のSDGs教育みたいになってしまいます。そこを上手く乗り超えていくアイデアがあるといいなと思いました。

Cチーム|

私たちはフラワーロードでやる意味から考えました。マップから場所についてひも解き、歴史や土地柄、それぞれの街区で生活しているために“分断”されている印象を受けました。分断されている印象はあるが、裏を返せば異文化がたくさんあり、企業がそれぞれのミッションに沿っていろんな活動をしているのでフラワーロードには学びの種がいっぱいあります。フラワーロードに対して「我が街感」というイメージを持っている人が少なく、この取り組みを通して調整したいなと思いました。フラワーロードにおける市民とはどんな人達で、どんな人を巻き込んでいけばいいのかを考えた時に、街の事やSDGsに興味を持っている人も「市民」と位置づけました。いろんな考え方の人たちが集まって話し合うことで、私たちも気づかされることが多く、考えていることを実践できる環境があること自体が学びなのではないかと思っています。こういう学びをフラワーロードに活かして提供できるような仕組みを作っていけたらいいなと考えています。

「現在のフラワーロード周辺」は、P&Gジャパン、エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社、日本イーライリリー、ネスレ日本株式会社などがあり、それぞれがプラットフォーム化して、それぞれの枠の中で活動されています。小さい企業やNPOも活動しているが市民には見えづらい状況となっていると思います。

 

みんな良い活動をしていてもそれぞれ規模が限られているため、なかなか浮上しにくい側面があります。そこで、社会課題と企業、NPO、利用者の枠を外してフラワーロードというプラットフォームに落とし込んでみるとどうなるのか考えてみました。

私たちが考えたのは、18番目のSDGsです。「枠を超えてワクワクをこの街に」この中に企業の方、NPO、個人など所属を超えた枠組みの中で社会課題について活動できる仕組みを作れたらいいなと思っています。

すべての人が肩書をなくし、自分の興味がある取り組みに参画できるSDGs版の「ちびっこうべ」や最終的に見本市を実施してみんなの活動を知らせしたり、つなぎ合わせることができればいいなと思います。いろんな人の意見を聞きながら学んだり、「これとこれを合わせると新しい実践に繋がるよね」といったことを生み出すような場所としてフラワーロードを活用したいと思います。

講評
山崎:このチームはコンセプトレベルのお話をたくさん詰めて話しています。最初のフィールドワークで見てきたデータや発見をもとにリサーチをした痕跡も見え、そこから問題を解き起こしている仕組みがいいなと思いました。テーマとしては、「18番目のSDGs」に落ちて、中間発表の時点でそこまでハッキリ見えていたらコンセプトとしては固まっていて、問題意識やフラワーロードでやる意味まで透けて見えるようなコンセプトになっています。今はフラットフォームがたくさんあるけどそれをひとつにするための仕掛けが何なのかをもっと具体的に知りたいと思いました。見本市のような活動を見てもらうというのはすごく良くて、SDGsを自分事にするために「この街の課題は何だと思うか」の見本市にみたいなことをやってもいいのかなと思いました。必ずしも解決策を提案して見本市にする必要はなくて、むしろそれより「みんなが、何を問題だと思っているか」を詰めてもいいのかなと思います。すごく骨太なコンセプトなので、この後は見本市に相当するアイデアをいくつか出してみて、それを実際に形として動かしてみてどういう関わり方や関わり代があるかという現実的な話をすれば、ちゃんと落ちるところに落ちていくと思います。

永田:時間をかけて組み立てがしっかりとできているのでコンセプトが骨太になっています。ここからは見本市やSDGs神戸学校など具体案について考えていかないといけません。見本市というと、企業がブースを出してそこにいろんな展示をして最新の商品を紹介しています。それはまさにイベントで、KIITOの中でもSDGs見本市はできると思います。そういう見本市もあるけれど、今回はそうではないイベントからスタートするにしてもどんどん街に意味を持たせて新しい見本市の在り方を突き詰めてフラワーロードでやる可能性について議論を重ねていって欲しいと思います。中間発表の時点でここまで行きついて、骨太にしたので安心して取り組み案のところをディスカッションして豊かにしていけば良いプランに行きつくと思います。

Dチーム|
私たちは、SDGsのイメージのすり合わせから始めました。調べていくと、企業のSDGsの取り組みは17の指標の中からテーマを選んで解決している傾向があるというのが分かりました。しかし、17の指標が自分たちにはあまり引っ掛かりがないということが、「誰一人取り残さない」を深堀りをするキッカケとなりました。

 

そこで、誰もが何かのマイノリティであると考えます。
Life Stripeという、1日の行動を色に置き換えて時間軸に沿って記録する生活の模様を色彩のパターンで表現するアートがあります。1人1人違うよね?マジョリティに見えて誰もがマイノリティだよねという話になりました。そこで、「わがまま」「コンプレックス」を出す場が必要ではないかと思ったのです。一般的な悩みのコミュニティ事例をいくつか挙げてみます。Yahoo!知恵袋・○○を助けるコミュニティ・ゆるスポーツ・UNITED CREATION 041 など、このコミュニティでは一人の小さな悩みがプロジェクトにまで発展しています。先日、イーライリリーさんの“片頭痛部”についてお話を伺いましたが、それも一人の人がキッカケでプロジェクトに発展していて、こういうことをDチームでも作っていきたいと思いました。

 

職場や家庭、地域などで、人権が守られていないと感じている人が3割~4割いることを表している表があります。これは悩みをなかなか打ち明けにくい状況を示しており、「ちびっこうべ」や「阪急阪神ゆめまちチャレンジ隊」のような子供には学ぶ場所や質問できる場所がありますが、大人にはそういう場所がなかなかないことが分かります。

私たちが考えたのは、「おとなの部活動」です。いろんなところから「わがまま」を集めて、その中から1つピックアップしたテーマで“ゆるい部活動”を立ち上げます。

テーマが広がりすぎる可能性があるため、絞り込みが必要なのかもしれませんが、誰1人取り残さないようにするには絞りたくないという意見も出ます。“わがまま”の集め方や種類についてもう少し考えてみようと思います。

講評
山崎:問題意識で「SDGsの引っ掛かりのなさ」から始まり、“わがまま”や“コンプレックス”に特化した「おとなの学ぶ場」に繋がる発想は理解できました。これも場所のイメージがすごく多様であると同時に難しさも感じます。そこにユーモアがあったり、とげとげしくなかったりするため“ゆるスポーツ”みたいなのはよい解消の仕方で、課題に対してのアプローチがすごくいいと思います。安心して“わがまま”が言える場所をどういう風に設計するかがとても重要で、気も使わないといけないしアイデア性も問われます。だからこそスポーツみたいなゲーム性で解消できるのがいいのだろうと思いました。発表の中ですごく大事だなと思ったことは「言いたいけど、言えない。」という箇所です。単に“わがまま”とは全然違います。ここに来ないとそれが出てこないという重要性に意味があり、日常生活の中に埋没していると言えないけれど「このイベントにおいてはそれが言える」というのがチラッとでも出てくることが貴重な事です。“わがまま”ということで誤解を生んでしまうことも含めて、きちんとそれが伝わる言葉にした方がいいと思います。これをやる必然性や皆さんの思いや調査の成果があると人は納得するので、「やはりこれは必要なんだ!」と思えるように詰めていって欲しいと思います。

永田:DチームはSDGsの「誰ひとり取り残さない」に着目して、誰もが何かのマイノリティであることをテーマにしながら、いろんな悩みに答えていくフラワーロードになれないかという風にSDGsを読み解いています。そんなアプローチもあるなと思いながら聞いていましたが、他のチームとは同じ軸では評価しづらいと感じました。「おとなの部活動」がどう立ち上がって、フラワーロードのいろんな場所にどんな風に展開されていくかをイメージした時に、イベントとしてオリジナリティを持った仕組みとして成立するのかが整理できずにいます。以前も議論に出ましたが、SDGsは何をやってもSDGsになってしまうということに近く、何をしてもオールオッケーに聞こえてしまいます。SDGsを総論・大儀として考え、みんなで共有するためにこういうイベントをメインストリートでやったらどうですか?という感じの提案に聞こえたので、SDGsをテーマにした以上そういうイベントの在り方が一つのモデルになって神戸のいろんな町に広がることもあると思います。フラワーロードが設定されている中で、必然性とかそこでしかできない事を作っていくのが重要だと思いました。

総評
永田:それぞれのチームが議論を尽くしてくれて、オンラインですがとてもいい話合いが出来ていると思いました。中間発表としては、かなりいい流れだと思います。いい発表をしてくれたことで、どこを肉付けしていけばいいのか明確になったと思います。合同発表会に向けてやるべきことが明確になってきたと思うので信じて頑張って欲しいと思います。

山崎:どのチームに対しても、今後の具体的な話をどう詰めていくかコメントをしました。コンセプトを詰める段階でやっていることと、アイデアを形にしていくのは頭の切り替えも必要です。それぞれ中心的なアイデアや言葉は出てきているので、そこから変な方向にずれないように注意してください。同時にアイデアはなるべく詰め込んだ方がいいと思います。いろんなものを盛り込んで、どれが一番楽しそうでワクワクして人が来てくれそうかというところを次に考えていくことになるのかなと思います。コメントでは実現の可能性について言いましたが、まだ楽しいこと優先でアイデアを出してもらっていいと思います。最終的にそれが本当にできるところに落ちてきたらもちろんいいと思いますが、実施は2年後なのでそれまで楽しいと思えるアイデアを出していって欲しいなと思います。

各チームの現状を発表することで、最終発表会に向けて詰めるべき課題が明確になってきました。中間発表で整理された内容は、次週からのグループワークで再構築していきます。

次回9月14日(火)は、オンライングループワークとなります。

ゼミ概要|https://kiito.jp/schedule/seminar/articles/49439/