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2023/5/2

イベントレポート

「THERIACA Yarn, Rope, Spaghetti 」展 レポート

2022年4月29日(金・祝)~5月15日(日)
「THERIACA Yarn, Rope, Spaghetti」展を開催しました。

2019年にKIITOで開催した展覧会『THERIACA 服のかたち/体のかたち』に続き、KIITOでは2度目の展覧会となりました。
今回は『かたちのニット』(文化出版局、2020年)出版後、ファッションデザイナーであるからこそできる、ニットの新しい可能性を追求したいとの思いから、編み物を新たな目線で捉えその可能性を拡げることをテーマとした濱田さんによるニットプロジェクトの初となる展覧会となりました。
会場では、毛糸を柔軟な発想で使用したカラフルでアーティスティックな作品や、靴ひもやストロー、紙などの身近な日用品を素材として編んだ実験的でユニークな作品のほか、濱田さんのアイデアソースや創作のための資料なども展示し、発想から作品に至るまでの思考と実験のプロセスを紹介しました。

 

会場は、展示空間というよりも部屋のようなイメージで構成。作品を展示する支持体として展示台ではなく、THERIACAのロゴの入った大きな枕を制作しました。シルクスクーリンのプリントは、新開地アートひろば(旧名称 神戸アートビレッジセンター)さんにご協力いただきました。

 

ニットプロジェクトでは、従来のニットの捉え方に対して、編む素材を変えてみたり、編むプロセスを変えるなど沢山の実験を行われました。写真左のグレーの編まれたバックは、編み糸から濱田さんが作り上げたもの。筒状の細長い生地に綿を詰めてからバックを編むという試みです。ぽってりとした糸のフォルムから出来上がった〈うどんバック〉は、糸の面白さがニットの表情を際立たせていました。

会場の奥には、沢山の実験のプロセスとそこから生まれた作品群を展示しました。ストローやウィッグ、レシートなどの日常にある素材を編んだもの。ドローイングをニットで表現したものからミニチュアのニットなど多種多様なニット作品が並びました。

 

会場奥のアトリエに見立てた小部屋のカーテンの奥には、濱田さんが編んだクッキーを展示しました。クッキーは、展示の設営期間中にKIITOのキッチンスペースで濱田さんのオリジナルレシピで作られたもの。試作の時に焼きあがったクッキーを食べてみると触感が面白かったそうです。

 

撮影:植松琢麿

 

書籍「THERIACA Yarn, Rope, Spaghetti 」の出版後、初めてとなった本展覧会では、国内各地から沢山の方にご来場いただきました。編み物従来の概念を軽やかにくつがえす作品はどれも、プレイフルな濱田さんの実験のスタイルが現れていました。つくること、編む行為、考える行為。従来の考えや形に捉われないTHERIACAの試みに展覧会を通して触れて頂く機会になりました。

 

「THERIACA Yarn, Rope, Spaghetti」展 開催概要
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