2023/11/7
イベントレポート
2023年7月15日(土)、7月23日(日)、7/30日(日)
子どもの創造性を育むためのプラットフォーム〈KIITO:300キャンプ〉では、ワークショップ「音ラボ~KIITO:300のBGMをつくろう!~」を開催しました。
このワークショップでは、参加者の子どもたちがシンガーソングライターの早瀬直久さんと一緒に「音」が空間や人に与える効果を学び、「KIITO:300」という場所をより良い空間にするためのオリジナルBGMを作りました。全3回にわたるワークショップの内容をレポートします。
DAY1:BGMって何だろう?
ワークショップ1日目、最初は集まったみんなで自己紹介!
まずは講師の早瀬さんにどんなお仕事をしているのかお話しをしていただき、そのあとに子どもたちにも自己紹介をしてもらいました。
自己紹介の中では名前とあわせて「自分の好きな音」を教えてもらいました。
みんな少し悩んでいましたが、それぞれ思い思いの好きな音がたくさん出てきました。
自己紹介も終わったところで、ワークショップの本題に入ります。1日目は「BGMって何だろう?」をテーマに、BGMによって空間がどんな風に変化するのか?など、日常にあふれる「音」について考えます。
まずは早瀬さんにBGMとはどういうものなのかをお話しいただき、KIITO:300が何をする場所なのか、それをふまえた上でどんな音がここで鳴れば使う人にとって心地良い空間になるのかを子どもたちに考えてもらい、付箋でたくさん書き出してもらいました。空間が広がるような音楽、自然の音、人の笑い声など、色々な案が出てきています。
今回は身近な音を参加者がそれぞれ集めて、音をつなぎ合わせて再構成し長尺にする、という方法でBGMをつくっていきます。
先ほど書き出した「この場所で鳴っていてほしい音」をヒントに、録音機器片手にKIITO内の音を色々採取しにいきました。置いてあった時計の針の音を録ったり、工作用の紙を破く音を録ったり・・館内を歩きながら色んな音を探しました。
音の素材はもっともっとたくさん必要です。今回の経験をもとに、身近な音を採取してこよう!という宿題が出て、1日目のワークショップが終了しました。
DAY2:音の素材ってどんなもの?
ワークショップ2日目は「音の素材ってどんなもの?」というテーマで、BGMを作成するための音の素材について考えました。
前回の宿題でそれぞれが自分の身近な場所で採ってきた音を、まずみんなで聴いてみます。
それぞれ色々な種類の音を録ってきていましたが、なんとなく音を聴くと場面が想像できるのが面白いです。
みんなが持ってきたすべての音を聴き終わったら、「音マップ」を作ります。
それぞれの音を「ひらめき」「リラックス」「あそび」「自然の音・環境音」にカテゴリーわけし、付箋に自分が録ってきたそれぞれの音を書き出して、その音を作成するBGMのどこで鳴らしたいかを壁に張り出して考えてみました。これでみんなが録ってきた音をどの順番に再生し、どのような曲になるかが決まります。
最後に早瀬さんがBGMに少しリズムを取り入れたい、ということで、分厚い本を床にたたきつける音も録音しました。
今回つくった「音マップ」をもとに、次回までに早瀬さんがいったん全ての音のデータを集約し、BGMとして構成してくれます。
DAY3:完パケ!
今回のテーマは「完パケ」。完パケとは「完全パッケージ」の略で、編集を終えた状態を指します。
とはいえ、音楽の編集はとても時間のかかる作業・・ワークショップ時間内でできることには限りがあります。
まずはプロのミュージシャンが音楽制作の仕上げをどのようにするかお話しいただき、音のバランスを調整したり、音にエフェクトをかけたりする作業を子どもたちに少し体験してもらいました。
前回のワークショップで付箋を壁に貼り、作成した「音マップ」。これをもとに早瀬さんが30分ほどのBGMの素案を作ってきてくれました。
この「音マップ」を見ながら一旦みんなでBGMを聴いてみて、この音をもっと大きくしてほしい、もっと入るタイミングを早くしてほしい、遅くしてほしい、こんな風に音に効果つけてほしい・・などいろんなことを考えて、「音マップ」に書き込みました。
記入したみんなの要望はいったん早瀬さんが持ち帰り、BGMの仕上げに使用します。どんな風になるでしょうか?
最後に、音がまだ足りないので全体を通して少し音を足したい!ということで、再び300の中で色んなものを探してきてその場で録音しました。
みんなが録ってきた音の中にはあまり含まれていなかった声の録音もして、音のバリエーションも豊かになりました。
これで全3回のワークショップは終了!今回の編集作業を基に、早瀬さんがBGMを完成させてくれました。
実際に完成したBGMがこちらです。
このBGMはKIITO:300で実際に使用されています。
レポートをご覧のみなさまもぜひ足を運んでみてください!
◎「音ラボ~KIITO:300のBGMをつくろう!~」
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