NEWS NEWS

2026/1/5

イベントレポート

[REPORT]「きむらとしろうじんじん 野点 in 神戸」を開催しました。

2025年11月2日(日)、神戸のウォーターフロントに位置する「みなと公園」にて、陶芸家・美術家のきむらとしろうじんじんさんによるアートプロジェクト「野点(のだて)」を開催しました。6月・7月に実施された「おさんぽ会」を経て、市民の皆さんと共に選び抜いた開催場所。潮風を感じる神戸らしいロケーションで、特別な一日が繰り広げられました。


きむらとしろうじんじん(陶芸家・美術家)

 

■ 街に現れた、移動式のお茶会
リヤカーに陶芸窯とお茶道具一式を積んで登場したじんじんさんの声かけのもと、朝からサポートスタッフとともに野点の会場準備。テントやリヤカーの設置、絵付けの釉薬を準備したり。沢山のスタッフの協力のもとでせっせと会場づくりが進みます。

 

準備が整うといつの間にかじんじんさんの姿が見えなくなっていました…
しばらくするとチャーミングな装いに身を包んだじんじんさんが登場。

颯爽とメリケンパークを歩くじんじんさん。
TOOTH TOOTH FISH IN THE FORESTさんに衣装部屋をご提供いただきました。

みなと公園にじんじんさんが到着すると会場にどよめきが。じんじんさんの晴れ姿にスタッフや来場者の視線が集まります。「そろそろはじめるでー」とのじんじんさんの声とともに野点がスタートしました。公園の一角が、たちまち鮮やかな「移動式カフェ」へと姿を変えました。

じんじんさんの野点は楽しみ方は自由。お抹茶を楽しむのもよし、絵付け体験をして自分の器をつくるもよし。もちろん会場を見るだけでも大歓迎。決まった関わり方でではなく、その人の興味関心や面白そう…といった気持ちによって関わり方が許されるような開かれた場です。この自由さが野点の魅力。中でも「野点」の醍醐味は、その場で素焼きの器に絵付けをし、楽焼き(らくやき)という手法で焼き上げたばかりの自作のお茶碗でお抹茶をいただくこと。

絵付け用の素焼きの器はじんじんさんのお手製。
沢山の種類の中から、好みの器を選びます。

 

器を選んだら絵付けの作業。見本を見ながらどの色を使うのか、模様をつけるのかなど参加者はじっくり吟味。

 

釉薬の色を選んだら絵付け作業。大人も子どもも真剣そのもの。
真剣な表情で筆を動かして、思い思いの色や模様を器にのせていきます。

 

絵付けが終わったら、窯の番をするじんじんさんのもとへ。
チェックが済んだら窯に入れて焼いていきます。

 

絵付けが終わった器たち。どんな色に焼き上がるのでしょうか。

 

■ 焼き上がりを待つ、豊かな時間
窯から真っ赤に焼けたお茶碗が取り出される瞬間は、歓声が上がる見どころのひとつ。焼き上がりを待つ間、参加者は公園の芝生に腰を下ろしたり、同時開催された「妄想屋台」を楽しんだりと、思い思いの時間を過ごしました。

妄想屋台の賑わい:「イラストやさん」や、多種多様なタッチで描かれる「集団似顔絵」には行列ができ、笑顔が溢れました。

自分のお店をやってみたかったというお子さんによる「イラスト屋さん」。単なる似顔絵やさんではなく、その人からイメージしたものを似顔絵と合わせて描いてくれるという新しいスタイル。絵を描いているお姉さんに触発されて、弟さんは折り紙屋さんをオープンするなど予想していなかった活動が生まれていました。

 

こちらは、モデルが一人、描き手は複数というちょっと変わった似顔絵屋台「集団似顔絵」の様子です。描き手のスタイルによって複数の自分の似顔絵が出来上がるというなんともお得で楽しい企画。

ブラコボリ(まちあるき): 学芸員の小堀さんによるガイドで、みなと公園周辺の歴史や地形を紐解くツアーも実施。慣れ親しんだ神戸の風景を、また違った視点で見つめ直す機会となりました。

 

待ち時間にじんじんさんと記念撮影をする方も

 

釉薬が溶けたら窯から作品を引き出し、急激に冷やして予想外の色や模様(景色)を生み出します。作品が完全に冷めてから窯から取り出します。この瞬間が一番緊張し、楽しい時間。

 

器が焼き上がったら次に磨きの作業を行います。参加者の作品をスタッフが丁寧に磨き上げていきます。やすりでざらつきを取り、スポンジで炭を落としていくと鮮やかな色が見えてきます。

じんじんさんの磨きチェックが終わったら器の完成です。完成した器を見ながら「どんな仕上がりになるのか分からないから毎回が楽しみなんです。」とじんじんさん。

 

■ 「その日、そのとき」だけの風景
作品を焼いている間もじんじんさんは大忙し。お抹茶屋台も同時並行で行います。
焼き上がったばかりの温かいお茶碗で点てられたお抹茶。自分で作った器を手にした皆さんの表情は、どこか誇らしげで穏やかでした。

 

「その土地の・その日・そのときの風景の中で」お茶を愉しむというじんじんさんの言葉通り、2025年秋の神戸の空、海、そして集まった人々の笑い声が溶け合い、唯一無二の「ええ風景」が立ち上がった一日となりました。
ご来場いただいたみなさま、そして開催に向けてご協力いただいたサポートスタッフのみなさま、関係者のみなさま、ありがとうございました。

写真:成田舞(Neki inc.

【開催概要】
きむらとしろうじんじん 野点 in 神戸
日時:2025年11月2日(日)12:00〜日暮れまで
会場:みなと公園(神戸市中央区波止場町)
出演:きむらとしろうじんじん、妄想屋台出店者の皆様
主催:デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)