- 震災の翌日、友人を見舞う為に神戸に向かった。阪急電車は大阪からの応援人で超満員。車内粛然とした緊張感。全員リュックでカートを曳く。
- 電車は西宮北口から不通。一列車毎に数千人の救援人、その全員一斉に歩き出す。線路上を歩くが、それもすぐ切れて歩行不能。道を選ぶが倒壊家屋で道断絶。方々で切れ訳がわからないまま人の後を辿り辿りついて歩く。救援人長蛇の列。先づ住吉続いて長田の友人を訪ねた。住吉では大亀裂が友人宅下を走り、付近にも亀裂が走り家も傾き或は崩れている。長田の友人宅は倒壊し、友人見当たらず。残りの救援物資は近くで見かけた方に見舞いとして渡し感謝された。
- 途切れ途切れの道を最初にたぐり当てた人はどういう勘の持ち主か感心。
- ある町角で若い女性が道案内。チラシの裏をメモにして、道を尋ねる人々に地図を即座に書いて渡している。ワンパターンでない独創性のボランティア。知恵と志に感銘を受けた。
- とある家の生垣に告知板がぶら下がっている。「道案内の訪問おことわり」と(多数が次々と尋ねて来るらしい)。
- TV新聞あげて連日連夜神戸の震災を伝えるが、100%長田長田長田の大火災。長田の火災一点張り。神戸は長田。長田が神戸。長田しか報じる事がないのか!? 震災は火事でしかないのか!? 後日長田の友人曰く、火を出して惨事を大きくした長田と毎日云われているようで、住民の一人として恥ずかしかった」と。
- ドイツの特許。の大高速道路がキロに渡って全部倒壊した。一部ポキリではない。全部。
- 貝原俊民知事、会合から出ず、県庁には数日後出勤。熟慮していたとか!!??
- 村山内閣、イデオロギーが反する為か自衛隊出動を要請せず。焼け続ける長田に科学消火弾投下論、ヘリ散水論とか何とかせよの世論空転。県民は天災に加えてイデオロギーのギセイのダブルパンチ。でトリプルパンチ。
- 長田の火災続く中、マスコミは大張り切り、ネタ尽きず。TV新聞神戸支局は何を取材? 県庁詰め記者クラブは?
- 数日遅れの県庁の数台のトラックの数十倍がリュック、カートで神戸に入っている。
- 復興段階、損傷ビルを破壊する超騒音と震動、市中がコンクリート材で煙り、先が見え難い。工事する側としては復興の名の下、隣近所に挨拶一切不要。隣近所からの苦情も一切ない。経験したことのない壮快な仕事かも。
タイトル
チョット想い出すだけで。
投稿者
本間凡音
年齢
97歳
1995年の居住地
大阪府大阪市
手記を書いた理由
マスコミのいない國からの報告