1月17日は阪神・淡路大震災が起こった日であり、私の祖母の誕生日だ。
私が小学校低学年の頃、祖母は毎年テレビで中継される1.17の集いで行われる灯篭を見ながら私に言った。
「今日は大勢の人が亡くなりはった日やからお祝いとかはしない方がほんまはいいんよ」
当時の私は震災のことなんてそんなに詳しく知らなかったし、ざっくりと怖いものというイメージしかなかったが、大好きな祖母の誕生日を祝うというのに本人はあまり乗り気でなかったことにショックを受けた。私は幼い頃誕生日を祝われることが大好きだったので、祖母の考えが理解できなかったのだ。
しかし、私が成長するにつれて祖母の考えはよく理解できた。私の誕生日は8月5日で当日から翌日にかけて、テレビでは戦争に関する特集がよく放送されている。そんな中、自分の誕生日を快く祝う気にはだんだんなれなくなっていった。
毎日が誰かの誕生日で誰かの命日だが、やはり災害などで多くの人の命が失われた日というものは忘れられないものだ。
タイトル
祖母の誕生日
投稿者
オムライスにはソース派
年齢
19歳
1995年の居住地
生まれていない
手記を書いた理由
私は震災を実際に経験したことがないが、祖母の誕生日をきっかけに震災というものを身近に感じ、それについて考える時間が増えたということを実感したので。