6/27 Sat
LECTURE
今回は、熊本県水俣市から、甘夏ネロリの製品化に取り組んでおられる、森田恵子さんをお招きします。
水俣の無農薬甘夏ミカンは、もともとは、水俣病のために漁ができなくなった漁師さんたちが栽培を始めたもの。その花が、森田さんの長年の努力により、世界的に貴重な芳香油「ネロリ」の抽出・商品化に利用できるようになりました。甘夏ネロリは栽培農家に副収入をもたらしたほか、水俣の環境保全と地域振興につながりました。また、森田さんは、毎年5月の初めには花摘みツアーを開催し、甘夏ミカンとその花が栽培される風景と、環境都市に生まれ変わった水俣の歴史を伝える活動にも取り組んでいます。
散るにまかせていた甘夏ミカンの花を新たな商品にする、しかもその背景には水俣の歴史があり、必然的な流れがある。森田さんのお話をうかがうことは、今後の地域で必要となる、環境共生型地域づくりへのヒントとなりそうです。
また、トークセッションの会場では、甘夏ネロリの香りもお楽しみいただけます。
「未来のかけらラボ」とは
現代社会はさまざまな意味で混迷を深めています。未来が見えにくくなっており、そのために、希望を感じにくくなっているとも言えるでしょう。このラボはセンター長・芹沢高志をモデレーターに、身近に散らばる多様な未来のかけら、つまり可能性の芽を拾い集め、草の根的に自分たちの未来を思い描こうとしていく試みです。
株式会社ネローラ花香房
http://www.neroli-hana.com/
長年国際協力交流事業でアフリカ支援に従事。水俣病の教訓を伝えるために、「甘夏ネロリ」を使ったスキンケア商品の開発・販売を開始。
2009年に株式会社ネローラ花香房設立。同時期に、経産省・農水省の農商工…(続きを表示)
P3 art and environment
https://p3.org/
1951年東京生まれ。神戸大学理学部数学科、横浜国立大学工学部建築学科を卒業後、(株)リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。その後、東京・四谷の禅寺、東長寺の新伽藍建設計…(続きを表示)