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RENTAL
神戸雰囲気学研究所がアートの領域と協働するKOIASアート・プロジェクト。#2では、ベルリンを拠点に活動するサウンド・アーティスト、Sam Auingerとkatrinemが神戸で滞在制作を行っています。2人は、生活環境の聴覚的特質を芸術的にリサーチする作曲家として、ドイツ、アイルランド、メキシコなど世界各地をめぐり、現地での自らの体験を出発点とするプロジェクトを継続的に実施してきました。
このパフォーマンス&シンポジウムでは、滞在制作の成果として、「耳で考える」経験をつうじて、私たちが置かれた状況や場所の聴覚的特質に気づき、その雰囲気を読み、聞こえるもののうちに現れるつながりを発見する試みについて考えます。
katrinem
1969年アウクスブルク(ドイツ)生まれ。ヴァイオリンなどのクラシック音楽の経験を背景に、空間的なパフォーマンスや新しい演奏方法を模索してきた。2006年から継続する代表作「go your gait!」では、6作目で「ヨーロッパ・サウンドパノラマ」に入賞。近年は、身近な道具を用いたワークショップ「Besenballet(箒バレエ)」を各地で展開。
Sam Auginer
1956年リンツ(オーストリア)生まれ。1989年にブルース・オドランドと結成した「O+A」にて、視覚文化の優位性を問う「ソニック・コモンズ」プロジェクトを展開。自然・都市環境における音の雰囲気的経験を探究してきた。リンツ市文化賞(2002)、シティ・サウンド・アーティスト・ボン2010選出、アルス・エレクトロニカ参加(2011)。
宮北裕美 Miyakita Hiromi
兵庫県伊丹市出身。イリノイ大学芸術学部ダンス科卒。身の回りのモノや現象に「ダンス」を見出し、即興的なパフォーマンスや視覚芸術の可能性を探る。2012年に、浜で採集した自然の石を打つダンス「NuTu」を創始、国内外で上演。近年は、3331アーツ千代田(2019)、ドレスデン美術館(2021)、鳥取県立博物館(2023)などで発表。
鈴木昭男 Suzuki Akio
1941年生まれ。1960年代よりサウンド・アートのパイオニアとして、自作楽器の演奏や自然環境の音に着目した《日向ぼっこの空間》(1988)などを発表。1996年以来、街のエコーポイントを探る「点音」を継続。ドクメンタ8(1987)、大英博物館(2002)、ボン市立美術館(2018)、東京都現代美術館(2019)など展示・演奏多数。
中川克志 Nakagawa Katsushi
横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院准教授。専門はサウンド・アート、音響メディア論、音響文化論、現代音楽。とりわけ19世紀後半以降の芸術における音の歴史、理論、哲学を研究している。近年の著作に『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』 (ナカニシヤ出版、2023年 )がある。
松山聖央 Matsuyama Mao
岡山県立大学デザイン学部准教授。環境美学を専門とし、人工物の感性論、雰囲気学、日常美学を研究。近年は、学術研究とアーティストとのコラボレーションによる展覧会企画「zu Hause 自宅と承認」(2023年9月9日〜18日、デザイン・クリエイティブセンター神戸)なども手がける。
神戸雰囲気学研究所(KOIAS)とは?
近年、国内外で注目が集まる新しい学術領域としての「雰囲気学」を創出・展開するために2022年設立。哲学、文学、歴史学、芸術学、感性論、心理学、地理学、建築学、言語学など多岐にわたる分野/文化横断的な研究を進めながら、身近で新しい「雰囲気」の概念、体験、事象を探究する。 イタリア、ドイツ、スロベニア、カナダ、台湾の研究機関と連携し、国際的な活動を展開している。
参考(KOIAS公式HP、Instagram):
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/koias/events/
https://www.instagram.com/koias_kobeuniversity/