1/12 Sat - 2/3 Sun
SEMINAR
アメリカ・マサチューセッツ州出身のバックミンスター・フラーは、思想家、構造家、建築家など様々な顔を持ちます。1895年の生まれである彼は、まさに20世紀という時代とともに生き、ダイマクション三輪自動車、ジオデシックドームや立体トラスといった時代を超越する発明を行いました。それだけでなく、「宇宙船地球号」概念や「デザインサイエンス革命」を提唱し、予想しうる地球時代の問題を克服しようと試みました。
本講座では、フラーの代表的著作『宇宙船地球号操縦マニュアル』の翻訳者である芹沢高志を講師とし、地球的な視野や卓越した創造性、「モノ」から「コト」のデザインへの移行など、「デザイナー」としてのフラーに光を当て、これからの時代に求められる新たなデザイナー像を見い出します。
※「未来のかけらラボ」とは
現代社会はさまざまな意味で混迷を深めています。未来が見えにくくなっており、そのために、希望を感じにくくなっているとも言えるでしょう。このラボはセンター長・芹沢高志をモデレーターに、身近に散らばる多様な未来のかけら、つまり可能性の芽を拾い集め、草の根的に自分たちの未来を思い描こうとしていく試みです。
第一回 イントロダクション 2013/1/12(土) 13:00-14:30
バックミンスター・フラーとはいかなる人物であったのか?1895年の生まれである彼は、まさに20世紀という時代とともに生きた。フラーの生涯をその時代とともに概観し、彼の人となりについて紹介する。
第二回 フラーの全思索――テトラスクロール・ツアー〈前編〉 2013/1/12(土) 15:00-16:30
フラーが最晩年に制作した、21葉の大型の石版画絵本《テトラスクロール》は、童話仕立てで語られたフラーの全思索で、彼に言わせれば「数学や哲学、その他何でもかんでも、自分が考え、感じたすべて」だった。《テトラスクロール》を読み解き、フラーの考えの総体を紹介する。
第三回 フラーの全思索――テトラスクロール・ツアー〈後編〉 2013/1/13(日) 13:00-14:30
第二回のテトラスクロール・ツアーの後編。引き続き《テトラスクロール》を読み解く。
第四回 デザインサイエンス革命 2013/1/13(日) 15:00-16:30
フラーは1961年の国際建築家連合第5回世界会議で「デザインサイエンス革命」を提唱する。デザインサイエンス革命とはなにか?フラーの数々の発明を通してその基礎となる考えを紹介し、デザイン概念の変革について考える。
第五回 ブラックマウンテンカレッジにおけるフラー 2013/2/2(土) 13:00-14:30
バウハウスで教鞭をとったジョセフ・アルバースたちによって始められたアメリカ、ノースカロライナ州のブラックマウンテンカレッジは、今でも伝説的に語られる創造性のメッカであった。1947年、48年にここでフラーが行ったサマーセミナーを紹介するとともに、真に創造的な学びの場について広範なディスカッションを行う。
第六回 フラーとの共鳴 2013/2/2(土) 15:00-16:30
『生き延びるためのデザイン』の著者で、適性技術の必要性を説いたヴィクター・パパネックやIT時代黎明期を切り開いた人々に多大な影響を与えつづけた『ホール・アース・カタログ』、さらにはフラーの死後発見され、現代のナノテクノロジーで脚光を浴びる球状分子「バックミンスターフラーレン」など、フラーに影響され共鳴したさまざまな事例を紹介、今後の展望を考える。
P3 art and environment
https://p3.org/
1951年東京生まれ。神戸大学理学部数学科、横浜国立大学工学部建築学科を卒業後、(株)リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。その後、東京・四谷の禅寺、東長寺の新伽藍建設計…(続きを表示)