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協力催事「男・本気のパン教室、シルバーカレッジ」1日目 レポート

2017年3月17日(金)

「シニア世代の男性がパン職人に学び、本気でパンを作ったら?」そんな思いつきから生まれた企画「男・本気のパン教室」。
今回で3回目をむかえることとなったこの企画は、北区のしあわせの村内にあるシルバーカレッジを会場に、カレッジ在学中の9名(総合芸術コース(食文化専攻):5名、健康福祉コース:4名)の方々にご参加頂き、パンじぃ(パン作りをするシニア男性)を体験してみようという総勢10名で2017年3月17日、23日、24日の3日間で実施しました。

スケジュール
1日目:3/17 9:30より14:00頃まで
メンバー顔合わせ。
シェフのデモンストレーションを挟みつつ一通り作業を実施して全体の流れを掴む→手順と問題点確認&試食
2日目:3/23 9:30より13:00頃まで
各自の復習や振り返りを踏まえて、本番を想定して手順を再確認、各自焼き上げ→本番へ向け段取り確認&試食
3日目:3/24 9:00より14:00頃まで
本番。2日目までの倍の量を各自焼き上げ、試食&振り返りの時間を挟んで、パンを袋詰め→施設へお届け


初回から本番まで1週間、回数も3回と短期集中型のプログラム。参加メンバーの皆さんが料理に不慣れな方ではないことを踏まえた少し実験的な試みとなりました。
シルバーカレッジのコンセプトは、「高齢者の豊かな経験を活かして自らの可能性を拓き、その成果を社会に還元することをめざして学びあう、生涯学習の場」とのことで、まさにパンじぃの当初からのコンセプトとぴったりということで双方向に響き合うものがあり、今回のシルバーカレッジでの実施となりました。

そんなパンじぃ3期生の講師を、神戸のご出身で、今は大阪で大人気のブランジェリー、PAINDUCE(パンデュース)を率いる米山雅彦シェフにお願いしました。シェフにはこれまでもKIITOと数々のプログラムでご一緒頂いています。
数え切れない程のイベントやレッスンをこなしてこられた米山シェフにとっても、今回のように参加者が男性のみ、しかもご自身のお父様ほどの年代の方が対象のレッスンは初めてかも…、とのことで、参加する側も運営側もみんなそれぞれにドキドキしつつ初日を迎えることとなりました。

まずはスタッフ現場入り、カレッジ側の担当の方々とシェフと一緒に、3期メンバーを迎える前の簡単に全体スケジュールや手順などの打合せを行いました。
今回のパンじぃメンバーのためにシェフが考えてくださったのは「パン・オ・レ(「牛乳のパン」という意味)」で、その生地をベースに、プレーンな丸パンと、アンパンの2種類を作ります。
初心者でも扱いやすいようにと、少し水分量を控えた配合の生地になるようレシピも考えてくださっていて、シェフの気遣いと「きっちりと焼いてもらうぞ」という気合いが感じられました。

材料と道具や段取りを確認していると、ポツリポツリと3期生メンバーの方が入ってこられました。
てきぱきとエプロンと三角巾を着け、荷物をまとめてから姿勢良く着席される待ち姿に「ああここは学校、そうここは調理室」とスタッフも実感し、こちらも頑張らねばと気合が入りました。


さて、プログラムいよいよ開始です。まずスタッフ側から今回の趣旨と3日間の大まかなスケジュールを説明したあと、米山シェフから簡単に自己紹介頂いて、その後作業の説明とデモンストレーションへ進みました。
米山シェフが、強力粉、薄力粉、中力粉といった粉の種類や特性、使い方といった材料の話、パンが膨らむ仕組み、計量の仕方など、何故そうするのかという理論を分かりやすく解説してくださるので、お話に引き込まれメンバーの皆さんの目が好奇心でキラキラと光ってくるのが分かりました。途中で分からないところは的確に質問されている姿も印象的でした。

さて、米山シェフのデモと解説も終わり、いよいよ各自で作業に入りました。
まずは基本となる材料の計量から。粉類の計量は順調でしたが、問題は次の段階にありました。レシピの中に「卵と牛乳を合わせてxxグラム」とあり、まず秤の上に置いたボールに卵を割り入れ、そのままで次に牛乳を入れて、その合計で規定量にするという作業でした。シェフから何度も「順番に注意して」と指導があった部分で、みんな説明を聞きつつ大きく頷いていたはずなのですが、作業を始めると卵より先に牛乳をボールに入れてしまう人、卵割って入れてから秤をリセットしてしまう人と、間違える人が続出し、シェフもスタッフも慌ててフォローに回ることになりました。なんとか修正をして、材料が全部ボールに入り、それぞれ黙々と混ぜはじめました。

その間に皆さんにお話しを伺って回りました。両コースの参加者の中でパンは作ったことがないという方にご参加頂いたようですが、中には「うどんは打ったことがある」という方がおられました。ほぼ初心者とはいいつつ、皆さん普段から調理実習慣れしておられるので、最初は粉と牛乳が混ざったドロドロを見て「こんなのでちゃんとパンになるのか?」という顔付きで作業されていても、段々と手応えを感じてくると、「うん、いける」とキリッとした表情に変わっていくのがとても印象的でした。
ボールの中の生地が軽くまとまってきたら、台に出してリズミカルに捏ね、表面が滑らかになってきたら台に叩き伸ばしてコシを付ける作業となります。皆さん「こんな感じ?」と合間にシェフに確認しつつ、よいしょっとアチコチから楽しそうな掛け声が聞こえてきて、順調に生地が捏ねあがっていきました。

捏ねあがった生地が一次発酵タイムに入っている間に、シェフによる次の工程の分割&成形のデモンストレーションのため前方の台に一旦集合しました。生地の表裏の注意ポイントを説明しつつ、手際よく生地を分割していかれるシェフの手元を見て、メンバーから思わず「上手やな~」の声があがりました。シェフもそれを聞いて「パン屋になろうかな?」と笑顔で返されて、リラックスした良い雰囲気でデモが進んでいきました。分割が終わって、次に生地を軽く丸めます。シェフが左手のひらに置いた寄せ集めの生地に右手を被せてクルクルクル、パっと手を除けたら、そこにはツルンとまん丸な生地が乗っていました。それを見たメンバー全員思わず「お~」と、まるでマジックショーのような驚きぶり。もう一回もう一回とシェフに繰り返して頂きつつ、皆さん手元を食い入るように見つめて、何とかコツをつかもうと必死でした。米山シェフとしても、この生地の丸めは基本中の基本だけどとても大事な作業だからと念入りに指導いただきました。

そうしていると、一次発酵が終わるタイミング。合間にシェフから生地の計量の仕方などのチェックが入りながら分割が終わり、皆さん初めての成形に四苦八苦されていました。中々思うようにキレイに丸まらず、実習室を巡回するシェフを呼び止めてはみんな何度も質問し、夢中になっておられました。集中力と熱気が調理室に満ちていました。


皆さんが何とか丸めた生地をベンチタイムで休ませている間に、シェフから次の最終成形のデモを見せて頂きました。丸パンは仕上げ用にさらにキレイに丸め、アンパンにアンを包む作業となります。皆さん先程一回自分たちで丸めを経験しているので、なるほどと大きく頷いている様子でした。解散後、実際各自で作業されているのを拝見すると、2回目の丸めは、初回より確実にピッとキレイになっていました。アンを包む時も、最初ちょっと手間取るものの「あんころ餅と同じやな~」とすぐにキレイに包めるようになっていきました。

二次発酵をしている間に、最後に溶き卵を表面に塗る作業のデモを見せて頂き、溶き卵を塗る訳、塗るのと塗らないのと仕上がり具合の違いなどの説明では、メンバーの皆さんから「パン屋さんの店先でパンを見る時の見方が変わるなぁ」との声が上がっていました。丸パンは卵を塗ってから上を十字にカット、アンパンは溶き卵を塗ってから、黒ゴマを上にパラリと乗せ、あとは焼き上げれば出来上がりです。デモの後の待ち時間の間は、皆さん黙々とレシピに注意点をメモ、手順の説明などをすごく丁寧に書き込んでおられました。

さて、いよいよ二次発酵終了。溶き卵を塗ればいよいよ焼成です。皆さんのパンは続々と仕上げられ、次々とオーブンへ入っていきました。焼きあがるまでの約7分間、オーブン前にそれぞれ集まって中の様子を覗き込んでいる姿を拝見していて、スタッフ側も思わずニコニコしてしまいました。
ピカピカつややかなパンがオーブンからお目見えしました。初回からでも美味しそうにツヤっとしたパンが焼き上がり、皆さんとっても満足そうな表情をされていました。さて、お待ちかねの試食タイム、焼きたてだし、自分で作ったパンだし、きっと美味しさも倍増だったことと思います。


計量や説明に比較的時間を取ったため、初日の終了が大分遅くなってしまいました。
次回はもう少し段取りよく進めるはずなので、問題点を見直しつつ本番へ向けて調子を上げて、全体にスピードアップしていかなければなりません。皆さん、一生懸命書いておられたメモで復習と振り返りしてくださいますように。

2日目につづく

取材・編集:阪口理恵

2017.4.18

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