2015/12/24
イベントレポート
2015年12月10日(木)
セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」の第1回目を開催しました。
「余白をリサーチ – 余白の秘密を読み解く」とした今回は、講師のRAD・川勝真一さんによる、これまでの経緯と企画概要の説明、参加者自己紹介・チーム分け、余白物件巡り、借り手のアイデア紹介、を駆け足で行いました。
昨年度、KIITO館内の「余白」(未活用空間)を考えるワークショップとして、余白に「屋根」をかけてみました。今年度は趣向を変えた発展版として、「余白」を、様々なアイデアを実現するための「物件」として貸し出す「余白不動産」プロジェクトを展開するものです。
KIITOの3、4階にオフィスを構えるクリエイティブラボ入居者を中心に、「余白の借り手」と余白の活用アイデアを募りました。ワークショップの参加者は、そのアイデアを叶えるべく、「余白不動産・建築部」のメンバーとなって、それぞれの空間が持っている魅力を読み解き、その「物件」ならではの小さな建築をデザイン、DIYによる制作をおこないます。
ワークショップ参加者は、全4回のプログラムを通して、場所を使いこなすヒントや、場所をつくり変えるためのスキルを身につけることを目標とします。
余白活用や小さな建築の事例として、サンフランシスコで駐車スペースをレクリエーションや美化空間として活用する「Parklet」という試み、大阪の「ミズベリング」、ゲスト講師のNO ARCHITECTSの仕事の中で、小屋的な構造物が制作されたものなどが紹介されました。
途中、参加者のDIY習熟度チェックに、工具の名前当てクイズを行いました。インパクトドライバー、カンナなどです。見たことがあるけれど意外と名前を知らない、、、というものもあり、なかなか苦戦しました。
当てた参加者から自己紹介を行いました。学生から社会人、自分のお店を開く予定の方まで、さまざまな方が参加されていました。
説明や自己紹介の後に、川勝さんの先導のもと、余白物件巡りをしました。
ワークショップ開催前に、川勝さんとKIITOの施設管理担当者で、余白となっている場所を巡り、なぜ余白が生まれたのか?事前リサーチを行いました。そこで見えてきたポイントは4つ。
◆見えない規制線(避難、バリアフリー)
・・・日常的な利用のときには余白に見えるが、防火扉が開けるように、避難時の通路幅確保、など、非常時のために空けておかなければいけないスペースがある
◆みんなのものという罠(共用部)
・・・みんなのものだから、特定の目的で占有できないスペースがある
◆プラン変更に伴う表裏の反転
・・・生糸検査所を改装した建物を文化施設にリノベーションするにあたり、動線の変更が必要になり、もともと搬入用の通路だったところが玄関になったり、もともと玄関だったところが使えなくなったりしている
◆なんとなくダメという思い込み
巡った物件がどれに分類されるか、意識しながら見ていきます。
最後に、今回の「余白物件の借り手」とその活用アイデアを発表しました。
(1) 藤本智士さん(KIITOクリエイティブラボ入居者/編集者)「りすラジオ」
・・・ラジオ収録する場所とブースが欲しい
(2) 遠山敦さん(アーティスト)「アナログゲームルーム」
・・・ドイツゲームなどアナログゲームをみんなで集まって思いっきり楽しめる場所を作りたい
(3) 山本篤司さん(KIITOクリエイティブラボ入居者)「サイクルステーション」
・・・ロードバイクを安心して停められ、ちょっとメンテナンスしたり、サイクル好きが集まれるような場所を作りたい
工具当てクイズの正解者順でチーム分けを決めて、借り手ごとに制作する「小さな建築」のアイデアを考えてくることを宿題として今回は終了しました。
次回は、チームに分かれ、借り手の3組から直接詳しい要望をヒアリング、ゲスト講師のNO ARCHITECTSと一緒に、実際に作る、余白とその活用アイデアのための「小さな建築」を設計してみます。
セルフ・ビルド・ワークショップ 「余白不動産-余白につくる小さな建築」
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