6/26 Wed - 11/11 Mon
LECTURE
「神戸スタディーズ」とは
「神戸ってどんなまち?」と聞かれて、あなたはなんと答えるでしょうか。さまざまに語られる神戸というまちのイメージをあらためて考えるため、多様な専門分野の方を講師に迎え、これまでなかった視点で神戸を見る「神戸学」をつくる試みです。
今回は、大地、海、そして双方のあいだである“水際”という3つのエリアを設定し、地形などそれぞれ注目すべきポイントにフォーカスしながら “地−質からみる神戸”に迫ります。
「地−質」とは、一般的な「地質」の意味合いを含みながらもそれだけではなく、都市や建築のありようやその行方をより深く考えていくための一つのきっかけづくりを目指した言葉です。
その場所や土地のキャラクター(あるいはクオリティ)を再確認すること、そして、普段わたしたちの目に見えている都市や建築の表層だけではなく、空間的・時間的に深層を掘り下げていくことで、その姿をより深く理解したいと思います。
主なフィールドとして、旧居留地・元町・三宮に代表される「神戸」、そして隣り合う港町でかつより古い歴史をもつ兵庫を選び、都市「神戸」が位置付く大きな空間的骨格の把握を目指します。
第1回 レクチャー 大地からみる神戸:地形と〔地〕域
6/26(水) 19:30-21:00
東西に延びる六甲山脈、そこから短距離で海へ落ち込む細い帯状の陸地、神戸。その帯を南北方向に分節する川や岬。地形条件から多様に領域付けられる集住体の空間を、ここでは〔地〕域(じ・いき)と呼んでみたい。古代から近代までの時間軸も掛け合わせながら、大地より神戸の空間に迫る試み。
第2回 レクチャー 海からみる神戸:泊・津・湊・港
7/10(水) 19:30-21:00
列島各地や海外に接続する袋状の海、瀬戸内海。近代港湾都市神戸、近世港町兵庫を中心に大阪湾に面するミナトの歴史を辿りながら、「港町」神戸の深層にアプローチする。
第3回 レクチャー 水際からみる神戸:氾濫原・埋立地 都市の低地性
8/3(土) 13:30-15:00
海辺の低地に造営された二つのグリッド都市、福原京(平安時代)と旧居留地(明治時代)。税関や倉庫など近代神戸の都市インフラは前進する埋立地の先端に位置し、また我々は現代神戸のアイコンを都市公園化された埋立地の上にみる。平地と水辺は都市を吸い寄せる二大要素だ。それは都市が本質的に洪水や津波など水の危機を内包し、かつ脆弱な地盤面の上にあることも示している。
第4回 フィールドワーク
11/10 (日) 13:30-17:30
レクチャーで取り上げた場所を中心にまちを歩きながら、シリーズの内容を体感する。
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 専任講師
1978年生まれ。博士(学術)。都市と自然の歴史的な切り結びなどに関心をもち、これまでは主として温泉−都市を対象に、熱海や別府など近代日本の巨大温泉町の形成とその社会・空間構造について研究。同テーマに…(続きを表示)
P3 art and environment
https://p3.org/
1951年東京生まれ。神戸大学理学部数学科、横浜国立大学工学部建築学科を卒業後、(株)リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。その後、東京・四谷の禅寺、東長寺の新伽藍建設計…(続きを表示)