2019/2/19
イベントレポート
2019年2月15日(金)
男性高齢者が、地域での活躍をめざしてパンづくりを本格的に極める「男・本気のパン教室」。その受講生たちは「パンじぃ」の愛称で親しまれ、今は神戸を飛び出し佐賀や広島といった他県にも広がりを見せています。
そんなパンじぃに続く新たな「食」を極めるプログラムが始まりました。
2月15日(金)は、「男・本気の料理教室」と題したプログラムのうちのひとつ「スパイシーな男の・カレー教室」の第1回の実施日でした。講師を務めていただくのは、神戸市営地下鉄県庁前駅から徒歩で行ける、フレンチレストラン「レストラン・パトゥ」のシェフ・山口義照さん。KIITOとは「ちびっこうべ」をはじめとしたKIITOのほかのイベントにもご協力いただいており、今回の企画趣旨である「シニア世代の男性の方に、定年後地域でさらなる活躍の場をつくっていただきたい」という点にも共感してくださったため、この企画が実現しました。スパイスを駆使した本格カレーを極めた受講生のみなさんが、地域の交流施設やお祭りでその成果を発揮する日が今からたのしみです!
初回の会場は、山口シェフのお店「レストラン・パトゥ」。お店に到着し、エプロンと三角巾をつけていざ厨房へ!…と思いきや、なかなかエプロンが着られない方も。それもそのはず、今回のプログラムは「食べることが好き」「カレーが好き」なので極めてみたい、という初心者の方も参加しています。これからどんな成長を見せてくださるのでしょうか。
自己紹介では、今回の講座に応募した動機や、最近熱中していることなどもみなさんと共有。トライアスロンやクライミングなど、アクティブな趣味をお持ちの方もいらっしゃって、「へえー!」と空気が少し柔らかくなりました。
みなさんの距離が縮まったところで、いよいよカレーづくりスタートです。「スパイシーな男の」と講座名にもあるように、この講座ではスパイスからつくる「キーマカレー」を極めます。ちなみに、フレンチを専門とする山口シェフがキーマカレーを教えてくださる理由は、実は過去に前述の「ちびっこうべ」で子どもたちにキーマカレーを教えてくださった、という経緯があってのこと。初回のこの日は、スープのつくり方、玉ねぎの下準備を兼ねた包丁トレーニング、スパイスのブレンドといった、煮込む手前までの準備をおこないました。
鶏ガラや香草を煮込んでスープをつくりながら、一方ではみじん切りにした玉ねぎを焦げ付かないように炒め、さらにそのあいだに何種類もあるスパイスを組みわせ、ブレンダーで砕いてガラムマサラ、カレーパウダー、カレーフレークの3種をつくる…シェフの手さばきと説明を見聞きしながら、みなさん真剣にメモをとります。並行しておこなう工程が多いカレーづくりでは、役割分担が要となってきそうです。
初回なのでほとんどの工程はまずシェフがやって見せてくださいましたが、その中で今回受講生が実践したのは「玉ねぎのみじん切り」。たかがみじん切り、されどみじん切り。効率よく細かく切るためにはコツがあるようで、シェフの包丁はまるで豆腐を切るかのような軽やかさで玉ねぎにスッスッと切れ込みをつくっていきます。それを見てみなさんもさっそく実践。しかし最初はやはりシェフと同じようにはいきません。ゆっくりと確実に、細かく細かく切っていきます。そして切った玉ねぎは鍋の中へ。この「切る」「鍋に入れる」という動作の中にも個性が見え隠れして、これから出てくるであろうカレーづくりチームの色がどんなものになるのか、さらに興味深くなりました。
この日のもうひとつの大きなポイントは「炒め加減」。みじん切りした玉ねぎや、カレーフレークの材料となる強力粉を炒めるのですが、どちらも大事なのは「色」。玉ねぎはよく飴色になるまで炒めてと言いますが、その色の具合までしっかり覚えないといけません。強力粉も絶妙な焼き色が付くまで焦げないようにフライパンを振るという作業があります。焦げと焼き色は違います。その違いを見極めるため、受講生たちはコンロの近くまで行ってまじまじと見つめていました。自主練習のときに山口シェフは居ないため、頼れるのは自分たちの目だけ。これは練習あるのみ、になりそうです。
下準備を終えたところで、第1回目は終了。スパイスは多めに作ったので、一部みなさんのお持ち帰り用となりました。そしてシェフからは「次回はもっと多くの野菜を切るので、家でみじん切りの練習をしてくるように」との宿題が。改めて、いよいよ始まった!というわくわくした空気が漂います。
第2回目ではキーマカレーを完成させ、実際に試食するまでをおこないます。この味を覚えることも大事になってきそうです。
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