2020/6/24
イベントレポート
6月16日(火)に「+クリエイティブゼミvol.34リサーチャー養成編「リサーチ・リテラシーを学ぶ」」の第2回目を開催しました。今回から、大まかなテーマごとにグループ分けをして、グループごとにリサーチを進めていくことになります。第1回目で参加者のみなさんから出された興味や関心、キーワードをもとに「コミュニケーション」、「教育」、「情報・交通・移動」、「働き方」という4つのグループを作りました。
グループごとに分かれる前に、講師の山崎さんからのレクチャーを受けました。
今回の山崎さんのレクチャーでは、
・何が変わったのか、何が起こっているかを、自分自身の言葉でとどめるのではなく、根拠があって共有可能な言葉に変換する必要がある。そのための手続きや作法を身につけることが重要になる。
・まだコロナウイルスの流行のさなかで、なおかつ、コロナウイルスについての専門家ではないという状況で、何をどうやって調べたら良いのか。どうやったら質の高い情報にアクセスできるのか。情報の信頼性や質の高さをはかる基準は何か。など、実際に情報を収集する際の手法や注意点。
といったことが示されたと思います。
たいていは身近なことや普段興味があることからリサーチを始めていくことになりますが、実際にどこにアプローチする、どのチャンネルに着目したらよいのか、という時には、その関心にかかわって発言をしている「人」、「媒体」、キーワードを直接googleに打ち込んでみて関連する情報をピックアップする、といった方法で、際限なく探す、見るではなく、見る範囲を関心に合わせた形で、絞り込んでいくことができます。あるいは、関心のあることに関わる文献が確保できている場合は、そこに挙げられている参考文献をたどっていくことで、関心に沿った、根拠のある資料へ視野をむけていくことができます。ただし、この場合、参考文献は過去の研究成果に関することですので、最新の情報に当たることは難しくなります。
また、資料にも、どれだけ人の手を経てきたかという、鮮度のようなものがあります。たとえば、公的に発表された、それ以上さかのぼることができない情報、あるいは、直接人に聞き取りをした記録のような情報は「1次資料」と呼ばれます。オリジナルの情報、と言っても良いかもしれません。「1次情報」に対して、それを説明したり、解釈を加えたりしている情報が「2次情報」というように、人の手が入るほど、「オリジナル」や「鮮度」からは遠ざかっていきます。もちろん、できるだけ数の小さい情報にアクセスすることが重要ですが、直接アクセスしても、自分だけでは内容の理解が難しいこともあります。その際は、誰が情報を作成したが明確にされている公的なメディアなどの「2次情報」を参照することも必要になります。さらに、情報の発信者がどんな人で、どういう背景やキャリアを持っていて、どのような状況で発信をしているか、にも注意する必要があります。沢山の媒体から、さまざまな情報が発信されている現状では、情報自体を吟味し、検証することが、調査には不可欠だということです。
レクチャー後の質疑応答では、1次資料と2次資料との違い、判断の仕方についての質問、社会科学系の学問との違い、より客観的な判断をするコツ、どれくらいの量だと充分な調査と判断できるのか、といった質問があがりました。
この後、各グループに分かれて、グループワークを行いました。その内容をレポートします。
次回も引き続き、グループごとのディカッションを続けていきます。
「+クリエイティブゼミvol.34リサーチャー養成編「リサーチ・リテラシーを学ぶ」 例題2:「With/Postコロナ社会のライフスタイルを考える」」についてはこちら。
2019年度に開催した「+クリエイティブゼミvol.30 リサーチャー育成編「リサーチ・リテラシーを学ぶ」 例題1:「図書館の未来を考える」」についてはこちら。