2023/2/5
イベントレポート
KIITOアーティストサポートプログラムでは、2022年12月2日(金)~1月9日(月・祝)に、イイダ傘店「翳す-かざす-」を開催しました。
イイダ傘店は、傘を布地からデザインし、一本ずつ手作りで制作する店舗を持たない傘屋です。
本展では、2020 年に東京・青山のスパイラルガーデンにて行われたイイダ傘店の15周年を記念した展覧会「翳す」をベースとして巡回展を開催しました。
メイン会場となるKIITOホールの構造を活かし、これまでに発表してきた257本もの傘を使用したインスタレーションやテキスタイルデザイン、パーツ制作の裏側、傘の制作映像など様々な角度からものづくりを紹介しました。
会期中には、オーダー会やポップアップショップのほか、KIITOカフェではコラボレーションメニューも提供しました。
会場の入り口に展示された、二重張りの日傘「こもれび」。
傘の下からのぞくと、木々の隙間から差し込む光を感じることができます。イイダ傘店の日傘には、日差しを目で楽しめる美しい仕掛けがなされています。展示に使用した什器や家具は、旧生糸検査所時代に使われていた貴重な神戸家具です。KIITOでは、建物の改修する際、当時使われていた家具などの一部を補修・修繕して館内で活用をしています。今回の展覧会では、館内に設置している神戸家具を一堂に集め、イイダ傘店の傘と共に展示をしました。神戸家具は気のせいか、いきいきとしているようでした。
彫刻家が掘り出した愛らしい動物たちの手元。動物手元のシリーズは、動物と一緒に散歩するような気持ちにさせてくれます。
天井から吊られたイイダ傘店オリジナルのテキスタイル。
シルクスクリーンによるプリントや織り、刺繍など、柄だけではなくプリントの手法や織りかたも、デザインに合わせて考えられています。一つ一つが、作品です。
テキスタイルの下には、傘に使われるパーツが並びます。それぞれが職人の手によってつくられたものであり、それらが集まって1本の傘が出来上がっているというものづくりの背景を感じされてくれます。
KIITOホールの構造を活かしたダイナミックなインスタレーション。
イイダ傘店がこれまでに作り上げた257本もの傘を、鳥の群れに見立てて展示しました。冬の渡り鳥のように、ホールの空間に色とりどりの傘の鳥が羽ばたきました。神戸会場では、このインスタレーションは、2つの演出でお楽しみいただきました。昼間は日の光を浴びて飛ぶ様子を、そして、毎日夕刻には会場全体の照明を落とし、スポットライトを当て、傘の鳥たちが躍動的に飛ぶ様子を表現しました。傘を吊るテグスが、雨のようにも見えてきます。
こちらは夜の展示の様子。光によりくっきりと陰影や色が浮かび上がりドラマティックな世界が広がります。
そして今回の展覧会では、もう一つの見どころが。普段は公開していない北玄関を飯田さんのアトリエに見立てて、原画や日々描きためているスケッチ、アイデアソースとなるものやこれまでの案内状などを展示しました。中庭には野草のスケッチの原画を展示。葉の影が映り込むなど空間ならでは楽しみ方を発見することができました。
展覧会は終了しましたが、近日中に記録映像を公開予定ですので、お越しになられた方も、ご覧いただけなかった方もぜひ映像で再びイイダ傘店の世界をお楽しみください。
主宰の飯田純久さんによる神戸滞在日記をウェブサイトで公開しています。詳細はこちら
また、KIITO NEWSLETTER 035でも展覧会を紹介していますのでこちらもぜひお手に取ってご覧ください。
イイダ傘店「翳す-かざす-」
日時:2022年12月2日(金)~2023年1月9日(月・祝)11:00~19:00
場所:ギャラリーA , KIITOホール
主催:デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)
共催:イイダ傘店
後援:株式会社パイ インターナショナル
関連企画
〈POP UP SHOP〉日時:2022年12月2日(金)~2023年1月9日(月・祝)
〈オーダーイベント〉日時:2022年12月15日(木)~12月18日(日)
〈KIITO CAFE イイダ傘店 展覧会「翳す」特別メニュー〉ご提供期間:2022年12月2日(金)~1月9日(月・祝)11:30ー16:00〈イイダ傘店×TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FESコラボレーション企画〉日時:2022年12月2日(金)~2023年1月9日(月・祝)
主なメディア掲載記事
・多種多様な傘 魅力感じて(読売新聞 2022年12月4日(朝刊)、読売新聞オンライン)
・個人オーダーの傘作家、厳選パーツ展示 布地、傘骨、持ち手…全国から入手 257本並べ鳥の群れ表現
(神戸新聞 2022年12月25日(朝刊)、神戸新聞NEXT)