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2024/3/22

イベントレポート

【レポート④】+クリエイティブゼミvol.39 リサーチャー養成編「リサーチ・リテラシーを学ぶ」 例題4:商店街の空き家をみんなで考える。

はじめに

2023年6月20日から空き家問題を考える+クリエイティブゼミが始まりました。大阪大学COデザインセンターの山崎吾郎さんと協働し、フィールドワークに重点を置く「文化人類学」の観点より「リサーチ」にフォーカスしたゼミを実施しています。
7月25日に実施する最終発表会まで残すところ2回となったこの日は、これまでにたくさん出たアイデアを収束させていくプロセスや発表準備について、山崎さんよりレクチャーを受けました。

 

アイデア収束のポイント

アイデアを収束させるためには、真ん中に自分たちの中心的な問い(知りたいこと、あるいは解決したいこと)があること、それがグループの中で共有されていて、その問いに即して調べたりアイデアを出したりすることが大切です。
アイデアを整理してまとめるための手法であるKJ法を例にあげて、どんな風にアイデアを絞り、よりよい提案をつくっていくかについて教えていただきました。
KJ法では、「付箋に書き出す」「グループ化して、見出しをつける」「グループを整理して関係づける」「主題を考える」の順にルートをたどります。
「解決」「方針」は掛け算で生まれる、ということも抑えておくべきポイントで、技術と材料を掛け合わせ、新しいアイデアを生み出していきます。その際、自分たちがしていることに言葉を与えることがとても大切です。問題に対して目的、テーマ、コンセプト、場所などの要素をあえて言葉にし、組み合わせて考えることで解決策が見つけやすくなります。

アイデアを評価すること

評価をする際には指標や軸が必要になりますが、「有用性」「実現可能性」「持続可能性」の3つの代表的な要素があり、誰が望んでいるのか、実現するためのリソースは何なのか、リソースは循環・持続するのかについて考える必要があります。
誰がそこに関わるのか、予算がどれぐらい必要なのか、期間がどれぐらいかかるのか、自分はどんなふうにそこにコミットすることになるのか、そういったことが具体的に考えられていればいるほど、提案に説得力がでてきます。
継続する前提での提案であれば、持続性がどれだけ担保されているかがとても大切で、長期的な影響を考慮する必要があります。制限のある中で取れる手法として、「比較優位」と「インパクト」を考えることについても触れられました。

発表について

発表には進捗報告と最終発表の2つのタイプがあり、目的に応じて適切な形式を選ぶ必要があります。進捗報告の場合には、多くのリアクションやフィードバックを得ること、新しい観点や情報を得ることが目的となります。一方、最終報告の場合には、納得してもらうことや主張を受け入れてもらうことが目的となります。
さらに発表のポイントとして、自分たちの持つ課題に対してまだ解決できていない部分を自己評価していくこと、聞き手によって準備の仕方や使う言葉を変えること、情報を整理してなるべくシンプルに伝えるようにすること、これらの点も大切であると教えていただきました。

 

グループワークと進捗共有

レクチャーで学んだことを思い出しながら、60分間のグループワークで発表に向けてアイデアを絞っていきます。
その後、どんな議論をしたか、チームの方向性についての進捗を共有を行い、山崎さんよりフィードバックをいただきました。

コンセプトをつくれるようになると、これまでの話し合いの中で出てきたアイデアが、コンセプトに周縁していく形で必要なものを組み合わせて、提案の肉付けをしていくことが可能になります。また、自分たちが見出した言葉を肉付けしていく作業も必要で、そうすることで自分たちがやりたいことに近づいていくことができます。
リサーチしたことが提案に反映されている印象をうけたので、この調子で進めていければとコメントをいただきました。

 

 

おわりに

次回は、最終発表に向けた準備を中心に、グループワークを行います。講師からのアドバイスを受けながら各班がアイディアのブラッシュアップをしていきます。

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