3/2 Sun
LECTURE
KIITO:300
FARM
デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)では、社会貢献活動、地域活動を支援する「KIITO:300 ファーム」の取り組みとして、第5回「地域課題解決+クリエイティブトーク」を開催します。
センターで2016年より活動がスタートし、継続しているプロジェクト「大人の洋裁教室」。シニア女性が洋裁技術を高める教室をはじめ、子どもたちへの洋裁指導や他プロジェクトとの連携を行う等、多様に活動を展開しています。本トークでは「大人の洋裁教室」を起点に、他都市での類似の活動を紹介し、ものづくりからひろがる場についてお話を伺います。
ゲストには、活動開始時より「大人の洋裁教室」の講師を務め、ユニバーサルファッションを専門とする神戸芸術工科大学名誉教授の見寺貞子さんと、大阪市西成区で、ものづくりを通じて地域福祉やコミュニティ形成、多文化交流を進める「kioku手芸館たんす」の運営を手掛ける松尾真由子さんを迎えます。
ひとりのゆびさきから始まり、自分や、身近な誰かのために行う「ものづくり」は、どのように地域や社会への活動につながっていくのでしょうか。2つの場の事例から、社会貢献活動や地域活動の可能性を考えます。
【kioku手芸館「たんす」について】
大阪市西成区にある元タンス店を活用した創造活動拠点。大阪市の芸術文化振興事業「Breaker Project」の活動の一環として2012年に開館。アーティストと地域住民が出会い、相互に影響を与え合いながら、共にものづくりに取り組む場として、地域のなかに定着してきた。2018年より、一般社団法人 brk collectiveが運営を行っている。地域住民を中心とした参加者が集まり「つくる」ことを軸とした様々な活動を行うほか、地域の女性たちの手仕事によるオリジナルプロダクトや美術家・西尾美也との共同制作によるファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」の工房兼ショップとして週2日オープンしている。
―【NISHINARI YOSHIO】
美術家の西尾美也とkioku手芸館「たんす」 に集まる地域の女性たちとの共同制作により2018年に立ち上げた西成発のファッションブランド。地域の女性たちの予想を裏切るアレンジや発想の飛躍、西尾が考えるイメージとの齟齬など、予期せぬズレをコンセプトの一つに、作業着=日常を生きるための服を提案している。
商品は、「身近な人への思いやり」や「自分の人生を表す最後に着たい3着」といった西尾からメンバーに出されるお題からデザインされたもの。不要になった生地を活用し、1点ごとに布違いで制作していることも特徴である。2023年からは、地域に急速に増えつつあるベトナム人コミュニティとの服づくりに着手し、新たな展開も試みている。
kioku手芸館「たんす」/NISHINARI YOSHIO photo:Mugyuda Hyogo
【大人の洋裁教室について】
デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)にて、50歳以上の女性を対象として2016年から始まったプロジェクト。「洋裁マダム」と呼ばれる受講生たちが洋裁やおしゃれのセンスを磨き、技術を活かして日々の暮らしを楽しむことを目指し活動している。これまでに、依頼されたエプロン制作やトートバッグ制作、「ちびっこうべ」にて子どもたちに洋裁技術を教える「ちびっこ洋裁工房」のサポート役として参加。2022年には洋服を一から仕立てる「子どもの洋裁教室」の講師を担当するなど、活動の幅を広げている。
【KIITO:300 FARMとは】
「KIITO:300 ファーム」は、大学、企業、NPOなどを対象としたプラットフォームです。
社会貢献活動の支援や相談を行う窓口業務、一般の方にも参加いただけるトークイベントやレクチャーなどを実施します。活動を通して、社会との関わりと人々のつながりを広げます。
kioku手芸館「たんす」、一般社団法人brk collective[ブレコ]代表理事
http://tansu.brk-collective.net
https://brk-collective.net
1981年大阪府生まれ。大阪市西成区を拠点に地域密着型のアートプロジェクトに携わり、地域に暮らす人々や様々な領域との連携を試みている。2008~2021年度まで大阪市の文化事業「Breaker Pro…(続きを表示)
(株)髙嶋デザイン製作所 代表取締役、神戸芸術工科大学 名誉教授
武庫川女子大学家政学部被服学科卒業。関西ドレスメーカーデザイン専門学校卒業。(株)近鉄百貨店本店入社。自社PB(プライベートブランド)の商品企画及びMDを担当。1994年に神戸芸術工科大学ファッション…(続きを表示)