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2014/6/15

イベントレポート

+クリエイティブゼミ 「ちびっこうべの“まちづくり”を考える」第2回レポート

2014年6月12日(木)

第2回目のゼミでは、まず宿題としていた「まちづくりコンセプト案」について各班内で話し合い、2案程度に絞り発表しました。

A班 「10年後のまち」
・子どもたちが考える、10年後の神戸のまちに対して変えていきたいところ、変わってほしくないところなど、未来への夢を表現するまち

B班 「僕らのプチ神戸をつくろう!」
・ちびっこうべのまちを神戸の街に見立て、神戸の雰囲気を感じられるまちにしていく

C班 「神戸を感じるちびっこうべ」
・海をテーマにしたまちづくり
・文化の窓口でもある港をまちに登場させる

D班 「かんこうべ」
・観光をテーマに、子どもたちによるツアーや、撮影スポットになるモニュメントをつくる
・神戸のランドマークのミニチュアを配置し、スタンプラリーをする
・その他、道に名前を付ける(○○ロード)など

E班 「音がきこえるまち ちびっこうべ」
・まちには色々な音がありそれを感じられるまち(車、船、笑い声、ミシンの音、料理の音など)

発表を受けて、槻橋さんより下記のコメントをいただきました。
「前回のちびっこうべには“○○なまち”という確固たるイメージはありませんでした。今回は新たな要素として実際の神戸の街や海に関連付けた案が出ました。未来の神戸を作るというのはとても良い案です。今ある神戸の街を再現していくとするならば制約が多くなってしまいます。テーマとして未来の神戸とすると柔軟な発想を受け止めやすくなります。また、音という発想はユニークですね。それぞれの場所をそれぞれの音で演出するのも良い案だと思います。」
また、前回のちびっこうべに参加していたクリエイターの方からは、
「10年後に住みたいまちになっているかどうか。夢を盛り込んでゆけるようなコンセプトがよい。」
との意見も出ました。
今回のゼミではコンセプトの決定まではたどり着きませんでしたが、引き続き、よりちびっこうべのまちが楽しくなる「まちづくりコンセプト」をゼミ内で議論していきます。

後半は、第1回目で議論した、「まちにあるもの」「まちにいるひと」 の内容をもとに、今後「まちづくりプログラム案」を考えていくためのグループ分けをしました。
グループは、①港班、②公園・道路班、③郵便局班、④ミュージアム班、⑤学校班、⑥神社班、⑦マルシェ班、⑧キャストデザイン班の8つです。
⑧のキャストデザイン班は、①~⑦の具体的な場所のプログラムではなく、それぞれのプログラムから出てくる仕事の役割(職業)や、まちにいたら面白そうなひとをキャスティングする班が1つあったら良いのではという槻橋さんのアイデアにより生まれました。
ゼミ生は各自希望する班に分かれプログラム内容と子どもたちが仕事としてやる内容をディスカッションし、発表しました。

<港班>
・船に乗る→船長、船員がいる
・釣り→漁師がいる
・救命ボート→ダイバーがいる
・花火→花火師がいる
・輸入、輸出→税関がある
・鮮魚市場→せりが行われる
魚や花火を作るワークショップをしてみても面白いのではないかという意見が出ました。
また、海に沈んだ宝箱があり、それを発見するとお金(キート)に替えられる、というアイデアも出ました。

<公園・道路班>
・迷路みたいなまち
・象徴、シンボル→小さなオブジェクトがまちの中にちりばめられていて「ウォーリーを探せ!」のようにそれを探して遊ぶこともできる

<郵便局班>
・郵便貯金ができる
・切手を売っている
・手紙が送れる→年賀状が送れて、当たり付きなどの仕掛けが考えられる
・(手紙を出せる相手:ex. 親、大人のスタッフ、店同士など)
郵便局をひとつのコミュニケーションツールとしてとらえ、まちに配置する方向性が見出されました。

<ミュージアム班>
・気軽に楽しめるアートや、一緒につくって売れるアート
お店(=ユメミセ)から見えるアート、オブジェを作る
・誰が何してもいいオブジェ→切る、彫る、貼る、描くなんでもOKなオブジェ
展示だけでなく一緒にアートを作り上げていく案が出ました。

<学校班>
・工作、調理実習→それぞれを学ぶためにお金を使ってもらう
・委員会→生徒会、放送委員、日直などを役職としてやってもらいリーダーシップや責任感を出していける場を作る
・チャイム
「チャイムを鳴らす仕事が出てきても面白い」と槻橋さんからのコメントがありました。

<神社班>
・神様→悩みを聞く
・神主→お祓い、祝詞を読むなど
・巫女→おみくじや絵馬を売る人
・神社でできること
 →無料/手水舎の利用、鈴を鳴らす、公園としての利用(休憩やラジオ体操)
 →有料/お賽銭、おみくじ、絵馬
・神社にあるもの→鳥居、手水舎、お賽銭箱、鈴、石段、狛犬、砂利、石畳

<マルシェ班>
・現金で買い物ができるところを増やす
・こどものまちの中にマルシェをつくる
・子どもと親が交流できるところを作る→店員が子ども、買い手が大人など

<キャストデザイン班>
・メディア(ex. ラジオ、TV、新聞、写真館)を作る
 →こどもがレポーターとなりインタビューをし、大人の待合室エリアにライブレポート
 →記者が街を回る
・観光センター
・クリーンスタッフ
・警察署、裁判所
・保育園→まちに参加できない年齢の子供たちが滞在できる場所、保護者が同伴できる場所
・ツアーロープ→ロープに入り、こどもの案内で大人もまちに入ことができる
・イラストレーター→まちなかにいて似顔絵を描いてもらえる
・バルーンアート工場→バルーンアートを作る、売る、買うことのできる場
・ストリートダンス→簡単なダンスをレクチャーしてもらい、路上で披露する
・缶バッジ屋→自分の描いた絵で缶バッジを作ることができる
・仮装や変装ができるところ

全ての班の発表を終え、講師の二人に感想や次回に向けての課題をお話しいただきました。

槻橋さん
「グループごとで発想するワークショップは一部の人間だけでは思いつかないような意見が生まれてくることを期待して実施しています。今回あがった意見を聞いているとその期待していたことが多く上がってきているように感じました。
ちびっこうべを実施するにあたって現実の街そのものになぞらえて企画をしていくと、どうしてもその本来の機能や役割を重視しがちです。
もちろんはじめは現実にあるモノ、例えば郵便局であれば郵便局をベースに考えていくのですが、実際にないけれどもこういったものがあると郵便局らしいのでは?といった世の中にない機能や役割が生まれてくるのもとても面白いと思います。
キャストデザイン班にもそういったところに踏み込んでもらえると可能性が広がりますね。例えば宇宙人とか。まちにいそうにないけどいてもいいような存在が出てくるのも良いと思います。
もちろん、最終的にはこども達と一緒にやっていくことになるので、実際に進めていくうえでどうやったらちびっこうべのまちで実施にできるのかという現実的な部分も、次回は話し合っていってください。」

永田
「班同士の連携も可能性があり、マルシェと神社がつながるとお祭りになるのでは?と思いました。
そのなかの輪投げ屋などの景品がこども達の作ったものだとすると、ただ買うという仕組みよりも遊びを含んだ面白い仕組みが出来てくるのではないでしょうか。物理的に難しい部分があるかもしれませんが、花火をプロジェクションマッピングで行うというのも面白いかもしれません。
“プロに学ぶ”という事がちびっこうべにおいてとても重要なことだと思っています。KIITOスタッフや参加してくださるクリエイター の方々に相談をしてもらえれば、色々な人を紹介することができるので、今回出た案を、子どもたちにとってより学びのあることにする一つの選択肢として、“プロの人に来てもらう”ことも、次回は視野に入れて話し合いをしてみてください。
また、今日はたくさんの魅力的な意見が各班に出てきたと思いますが、現実に全て行うことは会場の広さやコスト面の制約で難しく、絞ってゆくことになります。次回は優先順位を付けるなどで、実際に行うということを意識しつつ、話し合いを進めてください。
また、まち全体のゾーニングも進めていきたいと思いますので、各班もう一度、ちびっこうべの会場(KIITOホール/ギャラリーA・B)を見に行くなどをして、それぞれ街のどういった場所に配置していくべきかを話し合ってください。」

次回は第4回目(最終回)の発表に向けて、各班で内容をより具体的にしていきます。

+クリエイティブゼミ 「ちびっこうべの“まちづくり”を考える」
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