2014/11/7
イベントレポート
2014年10月25日(土)
CREATIVE WORKSHOP ちびっこうべ2014の締めくくりとして、子どものまちを会場に、クロージングトーク&パーティを開催しました。
子どものまちが一晩だけの大人のまちとなり、ちびっこうべに関わっていただいた、クリエイター、サポーター、参加者のみなさんと一緒に、準備~本番までを振り返り、語り合いました。
パーティに彩りを添える華やかな料理の数々は、シェフチームに協力クリエイターとして参加していただいたお店と、ちびっこマルシェに参加いただいたお店からご提供いただきました。
ちびっこうべで子どもたちがつくる料理は子どものまちの中だけで提供されるので、協力クリエイターであるシェフの味を大人は味わうことができませんでした。なので「やっと味わえる!」と参加者からたくさんの喜びの声が出ていました。
ちびっこうべ2014のディレクターである副センター長の永田から、2012年開催の第1回目のちびっこうべでの経験を踏まえた総括のあと、7月からはじまったユメミセワークショップから子どものまちオープン期間の記録映像で、全体を振り返りました。
その後は、ユメミセ協力クリエイター3組に登壇いただき、ワークショップやまちオープン期間中の写真を見ながらシェフ・建築家・デザイナーそれぞれのチームから見た今回のちびっこうべについてお話しいただきました。
シェフチームの米山雅彦さんからは、
・もともとパンなのかパスタなのかなどの大枠のメニューは決めていたが、そこに子どもたちが考えてくれたアレンジや色み、盛り付け方などをどこまで取り入れるか、どうやって取り入れるかが一番悩んだところだった。
・1回目のワークショップでのメニュースケッチのときだけでなく、途中のワークショップの最中でも、子どもたちといろんな食べ物の組み合せを試食しながら、最終のメニューを決めていった。
・子どもたちがつくり方を学ぶだけではなく、同じパンの生地に塩を入れるか入れないかという一点だけの違いをつけ、それを味わってもらうことで、材料の選び方や組み合わせの大事さを学んでもらった。
・最終的には、ハンバーグこっぺ(ハンバーグ、レタス)、フルーツカスタードこっぺ(梨、カスタード)、やさいのこっぺぱん~カレー風味~(かぼちゃ、いんげん豆、さつまいも)の3種類をメニューとして提供。子どもたちがどんな食材が好きかなど自分としても発見が多かった。
建築家チームの吉本剛さん・上尾光繪さんからは、
・はじめての参加で、自分たちがアイデアを持ってそれを子どもたちに伝えることも考えたが、そうではなく、子どもたちからの意見やアイデアを整理しかたちにしていくお手伝いをすることに徹したことで結果的にみんなが満足するいい体験ができた。
・子どもたちの発想に驚かされることが何度もあり、クリエイターとしても教えるだけでなく学ぶことも多かったし、他のクリエイターと一緒にユメミセをつくっていくという関わり方がとても楽しかった。
・4回という短い期間でお店を建てるので、1回1回のプログラムとその間の時間をどう使うかを計画することが難しかった。
・どうしてもワークショップ以外での子どもがいない間の準備も必要だったので、その1回と1回の間に何があったかもしっかりと子どもたちに伝えられる工夫ができればよかった。
デザイナーチームの和田武大さんからは、
・ワークショップの最後には、参加した子どもたちが単なるお絵かきではなく、お店として何を伝えたいかを考えながらデザインをしてくれるようになったことがとてもうれしかった。
・第1回目のロゴを考えるワークショップが始まる前に、普段目にするお店のロゴなどを集めてきてもらう事前学習をしたことがとてもいい方向に働いた。
・建築家チームとデザイナーチームが同じ日にワークショップを開催することでもっとスムーズに意見交換などができたのでは。
・2年に1回のちびっこうべの開催について、その間の年にどう子どもたちにちびっこうべを浸透させたり、さらに拡げていくプログラムを展開できるかが重要。
といったお話をしていただきました。
また、KIITOアーティスト・イン・レジデンスプログラムの一環として、ユメミセプログラムと同時に開催した、「ちびっこテーラー」について、美術家の西尾美也さんにも、
・ちびっこテーラーに参加した子どもたちが、縫製や色彩など服づくりの技術的なことを学ぶのではなく、「虫食い」や「パッチワーク」などのお題を与えて、それに対しての古着の服の組み合わせ方や意味付けなどの創造的な教育を重要視した。
・まちオープン期間に、ちびっこテーラーたちが他の子どもたちにオーダーをとって、その子に合う服を考え、そしてキート(ちびっこうべ内の通貨)をもらう、というまちの中でしっかりと機能していたのがとてもよかった。
・子どものまちのいろいろなお仕事のユニフォームを、事前に子どもたちやサポーター、そして、子どもの付き添いで来ていた保護者の方も一緒になってつくることができ、まちの中で使われている風景がよかった。
・(永田との話の中で、)次回のちびっこうべにもこの「ちびっこテーラー」という仕組みは何らかの形で継続できると、だんだんとまちに厚みができていくのでは。
というお話をしていただきました。
最後に今回のちびっこうべで子どものまちの更なる充実のために追加した、まちづくりプログラムについても子どものまちオープン当日に40ほどあったお仕事やイベントなどで、どんなことが起こっていたかをスタッフから紹介しました。
クロージングトーク&パーティでは、ちびっこうべに協力いただいたみなさんが集まり、うまくいったこと、苦労したことなどを話し合ったり、子どもたちからのお礼の手紙を受け取ったクリエイターが涙ぐむ場面があったりもしました。
また、イベント全体の振り返りの場であると共に、一緒の班になったクリエイター同士で新しい協働が生まれるなど、ちびっこうべでのクリエイターのネットワークを再確認し、新たなものがうまれるスタートの場にもなりました。
photo: 三ツ寺健亮
ちびっこうべ2014
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