2014/5/27
イベントレポート
2014年2月15日(土)
2013年9月より約5ヶ月間に渡り、「濱口竜介 即興演技ワークショップ in Kobe」を開催しました。その成果発表として、この日、ワークショップ参加者が出演者となり長編映画用シナリオ『BRIDES(仮)』の「公開本読み」を行うとともに、シナリオの役柄を演じながら出演者同士が即興的にインタビューを行う様子を撮影した「キャラクター・インタビュー」の映像を展示しました。
公開本読み
出演者(ワークショップ参加者全員)で、シナリオ『BRIDES(仮)』の台詞・ト書きの読み上げを全編通しで行いました。
『BRIDES(仮)』あらすじ:あかり、芙美、桜子、純の4人は、カフェ「ニノチカ」に通ううちに親しくなり、今ではなんでも話し合える友達同士である。4人は定期的にニノチカに集まっては飽きることなくおしゃべりに興じている。ある日、桜子は純から一本の電話を受けとる。純は現在夫の公平と離婚を巡って係争中であり、もう一年以上裁判を続けているというのだ。裁判の原因は純の浮気である。純の突然の告白は他の3人の間に波紋を呼ぶ。そんな中、4人はニノチカで開かれる夜のイベントに参加する。イベント中、鵜飼とその仲間たちと知り合いになる。鵜飼はあかり、芙美、桜子の3人が普段押さえつけている、自身の欲望や衝動の存在を指摘する。鵜飼は告げる。「欲しいものを欲しいって言ったらいいよ」…。
シナリオの読み上げを、無理に感情を込めることなく行うことで、書かれた台詞そのものに内在する魅力が却って際立つ瞬間が見られました。今後製作される予定である映画を「テキスト(書き言葉)」の側面から予告するものとなりました。
キャラクター・インタビュー映像展示
出演者一人ひとりがシナリオの中の役柄を演じながら、互いに質問を投げかけ合い、即興的に答え合うインタビューを行った際の記録映像を公開しました。
出演者18人が2人1組になり「あなたは誰ですか?」という質問を投げかけることから始まるインタビュー映像を9点展示しました。会話は、役柄を演じながら即興的になされたものですが、演技であることをふと忘れるくらい、演者そのものの表情、声、ふるまい、人となりがありのままに呈示されているように感じさせられます。来場者には、展示室内でシナリオ『BRIDES(仮)』の冊子を参照しながら映像を鑑賞いただきました。今後製作する映画を「演者(話し言葉)」の側面から予告するものとなりました。
一連のワークショッププログラム及び成果発表を通じて、映画の制作プロセスを一般に公開するという実験的な試みを行うにとどまらず、映画における演技表現について新しい手法を探求する機会となりました。2014年度、このシナリオ『BRIDES(仮)』をもとに、神戸を拠点として新作映画が製作される予定です。また経過をお知らせいたしますので、今後もご期待ください!
写真1~5枚目:森本奈津美
「濱口竜介 即興演技ワークショップ in Kobe」成果発表:自分が誰なのか言ってごらん? 開催概要はこちら
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